第13話 魔城の宝物庫
やっと書き上がりました。
長らくお待たせして申し訳ないです。
では、お楽しみ下さい。
「どなたからの連絡ですか?」
ライリが通信石……通信用の魔石を置くと、ドールが声を掛けた。
「以前、私が世話になった剣の師匠だ。その師匠に預けられた『夢見の魔導書』と言うものがあってだな……その、なんだ……」
珍しく端切れの悪いライリに、ドールは訝しげな表情をする。
「地下宝物庫に行く事になった。と言うわけで、お前も来い」
「………。『あの』地下宝物庫に、ですか……」
「あぁ……」
2人がうつ向いてため息をつく。
ガチャッ
「失礼します……どうかなさったのですか?」
チサトは入ってくるなり、魔王とその側近が何やら深く悩んでいるのを見て、声をかける。
「地下宝物庫に行かなきゃならないんだが……」
「地下宝物庫ですか?私が行ってきますよ?」
あっさりとした答えに、顔を見合わせるライリとドール。結局、『何も知らない』チサトだけを行かせるわけにはいかず、ライリとドールも地下宝物庫に行く事にした。
† † †
コツ、コツ、コツ、……
ライリとドールの足音が、薄暗い階段に響く(チサトは浮いている。念のため)。三人はそれぞれが『ガーディアンスリーパー』と名付けられた銃型の武器を持っていた。チサトは、拳銃型の『ガーディアンスリーパー』を眺めながらライリに訊いた。
「これは……なんですか?見たところ、人間の武器のようですが」
「まず、我々が行こうとしている地下宝物庫には、『守護者』と呼ばれる化け物が大量に配置されている。これらは、宝物庫から宝が盗まれる事を防ぐのだが……なにぶん、強い。しかも、強力であるが故に破壊してしまうと生産に時間が掛かる。だから、『眠らせる為の専用の武器』を使う事で互いの被害を減らす。それが、この武器だ」
「なるほど……。でも、作ったのなら『顔パス』が効くんじゃないですか?」
「いや……残念ながら、奴等の中に組み込まれているのは『守るべき宝』の情報のみだ。それ以外は全て、『敵を排除する仕組み』になっている」
「……。すごい守護者ですね」
「実際、『守護者』と言いつつあれは『破壊者』に近いよ。守るべき『宝』には『守護者』の攻撃を無効化する結界がついてるからね」
ドールがそう言いつつ、散弾銃型の武器を構える。1発撃つ毎に、銃の前部にあるスライドを動かす必要のある典型的な形をしていて、距離がある時は広がり、接近して撃てば多大な損傷を与える細かい弾丸を多数発射する。
「私は『脳ミソまで筋肉』みたいで嫌いなんだがねぇ……。まぁ守れなくちゃ意味がないんだけどさ」
ライリが持ち直したのは、ドールが持つのとは違ってゴツゴツとした散弾銃型の武器。此方は弾丸の詰まった箱を取り付けることで自動的に次の弾が撃てるようになると言うもの。また、撃つ弾も違っていて、こちらは1つの大きな弾を発射すると言うもの。離れていても1つの標的に対して大きな損傷を与える分、多数の敵に同時に損傷を与える事が出来ない。
「あ、着きましたね」
階段を下りきると、そこには複雑な模様の描かれた扉があった。
「じゃぁ、行きましょうか♪」
「ちょ、待っ………!」
ガチャッ
グォォォォォ!!
ドンドンドンドン!!
バタン!
「………」
ドール必死の制止も虚しく、チサトが何の構えも無しに扉を開ける。その瞬間に、人型のようであちこちから緑色のドロドロした物体を流す物が突撃してきた。それに対してライリとドールが全力で銃弾を叩き込み、扉を全力で閉めた。
以上が、先程の流れである。見ると、扉を開けた当のチサトは半分泣いていた。
「守護者が居るから、嫌いなんだ……」
「怖かったです……」
「『ゾンビ』よりも酷いな」
口々に言いながら、今度は慎重に扉を開ける。すると、先程弾丸を浴びまくった守護者は扉から少し離れた所で伸びていた。他に守護者の姿は見当たらず、3人は中へと入っていった。
† † †
「チサト!その先右通路から敵の気配だ!」
「了解ですっ」
チサトが飛んでいき、ライリの言う通りに敵が飛び出す。出会い頭に触手を伸ばしてきた守護者に対し、頭上を飛び越えるように跳躍。空中で一回転しつつ、銃弾を放つ。
パンパンパンパン!
乾いた音が4回続き、守護者が倒れた。その先から緑色の玉が多数飛んでくるのが見えると、ドールが前に。
バンッ!
ドールが放った弾は広がり、緑色の玉にぶつかっていく。玉は液体のようで、水音を立てて墜落した。
「ちょっくら潰して来るかねぇ」
ライリが2人の間を全力で駆けていく。そして、連続する大きな音。追い掛けていくと、そこには大量の守護者が横たわっていた。そして、何事もなかったように一言。
「ついたぞ。目的の三番庫だ」
「やっと終わりですね……」
「いいや。この先にもう少しいるはずだ。数字付きの倉庫の中に、幾つかの小部屋があって、そこに宝が保管されている」
そう言いながら、慎重に扉を開けていくライリ。ドールとチサトはいつでも発砲出来る姿勢だった。
「おいおい……」
扉が開ききった。その瞬間に漏れるひきつった笑みと震える声。
「誰だ……わざわざこんな物作りやがったのは……!!」
目の前にいたのは、蛍光緑色に蛍光ピンクの斑模様のある、ドロドロとした液体に包まれた巨大な物体。元は人型だったのだろうが、各部分から過剰に分泌物が出た為に全体が1つの塊のように癒着している。
「先手必勝です!」
チサトが突っ込んでいき、銃を連射する。
グチャッ……ブブブブブッ
しかし、その弾丸は守護者の身体から放たれた体液によって防がれてしまう。
「ドール!頭だ!」
「了解!」
ババン!
ライリとドールが同時に跳躍、顔であろう場所に弾丸を撃ち込む。しかし、怯んだ様子もなく守護者は腕を振るう。その腕はドールの脇腹に直撃し吹き飛ばす。壁に激突し動けなくなるドール。追撃として多数放たれた分泌物の弾丸がドールを襲おうとしたその時。
「このぉぉぉぉっ!!『我が内に秘められた妖精の力よ、我が内に生まれし想像を具現せよ』!」
チサトが短剣を創り、ドールの目の前に立つ。そして、ドールへと突き刺さろうとした弾丸を全て逸らした。さらに放たれる弾丸。チサトは短剣を振るいつつ弾丸の中を突き進む。チサトが引き金を引いたその時。
ガキンッ!
「え……?」
チサトの銃が嫌な音を立てた。弾切れだと悟るまで数瞬。しかし、確実にチサトの動きは鈍っていた。
「チサト!左だ!」
「っ……!」
咄嗟に体を上下反転させる。しかし、守護者の腕はチサトの腕を掠め、銃を取り落としてしまう。
「あっ……!」
そして、銃は守護者の分泌物の中へ。すぐに取り返そうとするが、あっという間に新たな分泌物に飲み込まれてしまった。
ドン!ドン!ドン!
ライリが三発、銃が飲み込まれた場所に向けて発砲する。穿たれた穴に手を突っ込み、一気に引き抜いた。その手に握られていたのはチサトの銃。一振りで守護者の残滓を飛ばすと、弾倉を抜いてチサトに向かって投げた。それをしっかりと受け取り、予備の弾倉を入れる。
パパパパパパン!
幾つもの音が繋がったように響く。弾丸を体のあちこちに受け、動きが鈍る一瞬。
ゴシャッ!
ライリの強烈な蹴りが炸裂し、その威力に守護者がふらつく。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
続けてドールが飛び蹴りを放つ。放たれた蹴りは守護者の顔面を捉え、床に叩きつける。そして、着地と同時に膝で肩を押さえつける。
「大人しく……眠ってろ!」
ドンドンドンドンッ!
零距離で放たれた弾丸は守護者に吸い込まれた。
………。
一瞬、部屋中が静まり返る。
「……終わったな」
「えぇ、終わりました」
「大変でしたね……」
「さて、お目当ての物を回収して帰るか」
ライリたちは守護者に背を向けて歩き始めた。
作者の一人言です。興味のない方はスルーしてください。
† † †
スランプ……かなぁ?
どうにも、上手く描けないです。
今回は銃を使ってみたから、と言うわけでもなさそうで。とにかく、上手く書けないです。
あぁ、この一人言も上手く書けない。
みんな!オラに元気を分けてくれーっ(´;Д;)




