表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の日常  作者: НАЯЦ
16/28

EX.3 魔王設定決定戦 Act2 チサト・ラム編

遅くなって申し訳ないです。

やっと書き上がりました。


やはり2つ同時は難しいです……

部屋を飛び出した2人は、目の前にそびえ立つ巨大な旗な形をした構造物に向かって走る。その向こう側には、バスクとドールが走っているのが見えた。


「チサト!」

「はいっ!」

「あの旗、彼処あそこの周りには転移魔法が仕掛けてあるわ!」

「了解しました!」


チサトとラムは全力疾走する。ロッチボールはその後を遅れることなくついてくる。


「このまま走って、転移魔法の中に飛び込むわ!」

「わかりました!」


2人は並列に並び、低空飛行する。もう少しで構造物の転移魔法の所に着く、そう思った時。


「なっ!ドール!!」


物凄い速さで飛んできたドールに、驚くチサトとラム。着地したドールはすぐに口を開いた。


「『我が内に宿りし魔導師の魂よ、水の槍を生み出し、敵に降り注げ』ウォータースピア!」


ドールの詠唱が完了すると同時に水の塊が生まれ、高速で落下する。チサトとラムはそれを回避し、避けられた高水圧の水は地面に穴を穿うがつ。


「『我が内に秘められた妖精の力よ、我が内に生まれし想像を具現せよ』召喚、双剣『白』『黒』」

「『我を守りし大地の力よ、岩の弾丸となって敵を貫け』ロックブラスト!」


ラムの放つ弾丸はドールの脇をすり抜け、ドールに直接向かう弾丸は無かった。これは、ドールの動きを制限するために放った魔法だった。本命は、双剣を構えたチサトの攻撃。ドールはそれをロッチボールから発生させた水の盾で防ぐ。チサトが持つロッチボール2機にも双剣が装備され、ドールに向かっていく。ドールは2機のロッチボールから同時に水の盾を展開し、攻撃を弾き返した。


(ここで、使う……!)


「『この星に生まれし元素よ、風の渦を作り敵を吹き飛ばせ』エアロブラスト!」


チサトがロッチボールをドールの腹にくっ付け、詠唱する。ドールにとっては想定外の魔法だったのか、驚きの顔を見せた。その魔法に対して全く身構えていなかったドールは風の渦によって吹き飛ばされ、転移魔法の中に押し込まれた。


「よし、成功!」

「ふふ、ドールはだいぶ驚いていたようね」

「はい!私は『火』と『水』しか使えないと思われてますから」

「じゃあ、これからこのパターンで行きましょ」

「はい!」

「さぁ、中に入るわよ」

「了解です!」


転移魔法の中に飛び込むと、目の前には巨大な塔がそびえ立っていた。見ると、ドールは塔の傍を飛んでいた。ラムはチサトをチラッと見、うなずく。チサトはすぐに飛び立ち、塔を登っていった。バスクはそれを見送り、追い掛けようとしなかった。


「チサトを追い掛けなくて良いのかしら?」

「あぁ、ドールが何とかしてくれるだろ」

「……私をここで足止めする作戦ね?」

「お前は、ここで俺を足止めする作戦なんだろ?」

「考えることは同じね。さぁ、りましょうか」

「上等だ」

互いに不敵に笑い合う。そして、同時に詠唱。


「『我を守りし大地の力よ、我が内に生まれし想像を具現せよ』」

「『我が力となりし火霊の王よ、我が内に生まれし想像を具現せよ』」


ラムの右手と、1機のロッチボールには長い剣が、バスクの両手には小型の斧が召喚された。


「いくぞぉぉぉぉ!!」


バスクが突進する。ラムとの距離を一瞬で詰め、左右の斧でラッシュを仕掛ける。ラムは自らの剣とロッチボールを巧みに操って攻撃を避け、防いでいく。

「『我を守りし大地の力よ、大地の槍を生み出し敵を貫け』アースニードル!」


ズドン!ガキィ!


「うぉっ?!」


ラムの放った魔法は、地面から硬く固められた土を円錐形に突起させる事で敵を貫く魔法。バスクは反射的に斧を振り下ろして土の槍を壊そうとした。槍は壊せたが、それと同時にバスクの斧も1つ壊れてしまう。これを好機と見たラムは、バスクに連続で攻撃を仕掛ける。


(このまま押しきる!)


ラムは一気に畳み掛ける。だが、バスクはその剣撃を受け止め、力一杯斧を振る。ラムは力に押されて一度離れた。バスクは何かを思い至ったかのような表情になる。そして、ロッチボールから身の丈ほどもある剣を召喚。今まで持っていた斧をラム目掛けて投げてきた。ラムは斧を防御しようするが、威力と重量を防ぎきれずに剣を弾き飛ばされた。


(まずいっ!!)


バスクはラムに接近、ロッチボールとの同時攻撃で倒そうと大剣を振る。


「『我を守りし大地の力よ、壁を生み出し我を守れ』グランドウォール!」


ズ……ドン!


一瞬にして高い壁が生まれ、ラムの周囲を囲った。ガキン!と言う剣と何か固い物がぶつかる音が響く。視界は遮られているが、さっきの音がバスクの場所を告げていた。


「『この星に生まれし元素よ、水の槍を生み出し敵を貫け』ウォーターランス!」


バシュッ!


ラムの放った水の槍は岩の壁を貫き、バスクがいるであろう方向に向かって飛んでいく。


ガギン!


剣に槍が当たったような音が聞こえ、攻撃の成功を示した。ラムは続けて詠唱を開始する。


「『我を守りし大地の力よ、我が内に生まれし想像を具現せよ』召喚、魔法剣『くれない』」


右手の近くの空間が揺らめき、中から真紅の剣が現れた。魔法剣『紅』は、剣自体に魔力を持つ剣で、強力な魔法の媒体となるだけでなく魔法の増幅にも使えるラムの切り札武器である。召喚が終わってすぐにロッチボールに岩の弾丸を発射する『ロックブラスト』の魔法と岩の盾を展開する『アースシールド』を仕込む。一息ついて、魔法剣『紅』を構える。そして、詠唱。


「『我を守りし大地の力よ、巨大な岩の蛇となり全ての敵を喰らい尽くせ』召喚、『ミドガルズオルム』!!」


グォォオォォォ……


『紅』を介して発動された魔法は増幅され、巨大な岩の蛇『ミドガルズオルム』を生み出す。それは瞬く間にラムの作った壁を破壊する。その向こうには、バスクが召喚したのであろう火蜥蜴ひとかげ『サラマンダー』の姿があった。


「『サラマンダー』……けど、私の『ミドガルズオルム』には勝てないわ!」


ラムの『ミドガルズオルム』はバスクに向かって攻撃を仕掛ける。バスクがそれを回避するのを見て、『ロックブラスト』を放つ。


「くそっ!」


悪態をつくバスク。容赦なくラムは弾丸を撃ち続けた。


「吹き飛ばせ!『ヒートバーン』!!」


バスクの声と共に、バスクが携えるロッチボールから熱波が発生し、ラムの弾丸を全て反らした。さらに、その熱波の衝撃を利用してバスクが飛び掛かってくる。


「『サラマンダー』!『ミドガルズオルム』に食らい付け!」


(無謀な事を!私の『オルム』は力で勝てるほど甘く無いのよ!)


たとえ追加の熱量を得たとは言え、属性を考えれば圧倒的不利な『火』属性の魔法が『大地』属性の魔法に立ち向かう。案の定、バスクの『サラマンダー』はラムの『ミドガルズオルム』の前に消え去る。だが!


「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


バスクは熱波の後押しを受け、2本の大剣を振り下ろす。『サラマンダー』が『ミドガルズオルム』に作った傷にバスクの大剣が直撃する。自らの魔法で強化され、高い空からの落下を合わせた攻撃は、『ミドガルズオルム』にとっての致命傷となった。岩の蛇にヒビが走り、全体に広がっていく。バスクは着地と同時に、全力で剣を叩き付けた。


パキッ……ガラガラ……


『ミドガルズオルム』は砕け、崩壊を始める。


「なんですって……?」


思わず口から溢れた言葉。だが、ショックを受けている暇は無かった。バスクはロッチボールを携えてラムへ全力疾走、4本の剣でラッシュをかけてくる。ラムはロッチボールから岩の盾を張り、剣で攻撃を逸らそうとする。しかし、バスクの強力な攻撃の前に盾は砕かれ、バスクの剣圧に負けてラムは吹っ飛ばされた。


「私は、ここまでなの……?」


ラムが言ったその時、光を放つ1つのロッチボールが空から降りてきた。


「これは……チサトが持っていたボール……?逆転のチャンスは、まだあるわ!!」


バスクがラムに向かって猛然と駆け始めるのが見える。ラムは、輝くロッチボールに持っていた『紅』を突き刺した。剣はロッチボールに吸い込まれ、ロッチボールはさらに輝きを強くした。


「私の最後の一撃よ。食らえッ!『妖精千撃』!!」

「なにっ?!」

ラムがバスクへ向かって高速の低空飛行をする。バスクの近くへ来た瞬間、輝くロッチボールの周囲の空間が一気に揺らめき始める。

刹那――大量の短剣と槍がバスクへ向かって飛び出す。それを大剣を掲げて防ぐバスク。ラムはロッチボールを操りバスクの後方から『ウォータースピア』と『ロックブラスト』を斉射する。バスクはロッチボールに防がせるが、すぐに大剣を壊されてしまった。


(このまま一気に逆転するっ!!)


「うぉぉぉぉぉ!!!」


バスクは気合いの声と共に剣を振るい、ラムはそれを避ける。一瞬生まれた隙を見て、バスクは自らの大剣同士をぶつけて中程で折った。破片が辺りに飛び散る。飛び散った破片はラムの振る槍と剣に当たり、攻撃が逸れ、破片がバスクの後方へと飛んでいく。さらに、後方へ飛んだ破片は石の弾丸を弾き、水の槍を防ぐ。折ることで短く、軽くなった大剣をラムの攻撃に合わせて振るい、防いでいく。ラムは必死に攻撃を続けるが、石の弾丸と水の槍が無効化され、バスクの剣が短くなるという想定外の事に焦りの表情を浮かべた。いつしか槍の発生する空間の揺らぎが全て無くなり、ラムとロッチボール1機による連続攻撃のみになる。その瞬間、バスクは左右の剣を大きく振り、ラムとロッチボールから武器を弾き飛ばした。踏み込みからの一閃……ラムの体は吹っ飛び、ドールとチサトが登っていった塔に体を強くぶつける。


(っは……私はここまでなの……?ごめんね、チサト……頼んだわ……)


ラムは誰かに抱えられるような感覚をいだいたが、それが何かを理解する前に、意識が途切れた。

次で今回のEXストーリーは完結の予定です。


果たして、勝つのはどちらのチームか!

お楽しみに〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ