主人公を殺したあの日。
「私は過去の作品で主人公を殺した……」
だがその時、あまり悪い気はしなかった。
何故なら、冒険談での主人公とは大体において、大量の魔物や敵を殺していく。
そんな奴が、さも善人ずらしてのさばるのが良い事か?
……むしろ、自分が死ぬ場合も想定があるべきはないか?
この疑問は、書いていた時期より、だいぶ昔。
WEB小説を読むだけの時から、ムクムク沸き、そして続いてきた感情なのだ!
こんなに大量に人や魔物を殺し、なのに英雄扱いされ出世、異性にもモテモテ……。
かつ部下の全てには、畏敬の念を抱かれ、鉄のような忠誠を頂く。
……これは、本当に主人公のあるべき姿なのか?
今でも正直、そう思う。
主人公が殺されないまでも、執筆中に「ざまぁが足りない!」とか「主人公が報われない!」との貴重なご意見を頂いていたが、私には実感がわかなかった。
わざわざ同じようなご指摘をいただけるということは、自分よりその意見が正しいのが百も承知なのだが、素直にはそう思えないのだ。
……まさに自分は、話を書くのに向いていないのかもしれない。
厳然たる結果として、主人公を殺した私は、ただでさえ少ない読者から見放されたとおもう。。
事実、新作を書いてもさっぱり読者はつかないのだ……。
これはかなり堪えた。
……というか、その状態からは復帰していないので、堪えっぱなしではあるかもしれない。
だけど、世界に絶対の正義なんてあるわけはない。
どっちの側もある程度、自分が正しいと思うのが、人間であり生き物の在り方であると思うのだ。
さらに言えば、個があれば、その個の数だけ尊厳もある。
主人公一人だけが、万能の力を持ち。
すべてをひれ伏させ。
異性の寵愛と社会ステータスを完備。
……う~む。
だが、主人公は読者の分身なのも事実。
筆者だけのものではないだろう……。
だが解せぬ!
……そんな葛藤。
皆さんにはないだろうか?
私だけが抱える悩みなのだろうか?
こういう意見はあまり見たことがありません。
こう思う方は、極めて少ないんだろうな、きっと (´・ω・`)