あとがき
あとがきですので、『雛鳥の旅立ち』編を読み終わった後にお読みいただくことを念のため推奨します。過度なネタバレはありませんが。
作者があまりでしゃばるべきではないと思いますので、さらりとだけ振り返ります。
今回の『雛鳥の旅立ち』編においては、主に進藤夕と笠原燈子の二人に焦点を当て、柏木飾の変化とともに二人の関係性も変わっていく(?)ことを主軸としたお話です。
本編(※85話まで)において、二人の掘り下げが(作者の実力不足ゆえに)あまりできておらず、その反省を踏まえた物語となります。
が、しかし実際のところは、どうでしょうか。
2、3月ごろに執筆がひと段落して一度中身を振り返ったのですが、この『雛鳥の旅立ち』編においても、結局は『柏木飾ってすごい!』というような話に帰着してしまったのではないか……と反省しきりでした。
読んでいただいた人が楽しんでいただけたなら、ひとまず作者としてはありがたい話ですが、夕と燈子の二人には申し訳ないことをしたなぁと思っています。
物語の構想自体は、本編※執筆時からぼんやりとありました。『お互い好き合ってはいるものの付き合っていない』という現状に一石を投じる物語が必要だとは思っていて、ちょうど公募用に書いていた作品が行き詰っていたこともあって書き始めたのが大体去年の11月か12月の話。
二人を付き合わせるのか付き合わせないのか、そこが本編※執筆中に描いていた構想とは変更になった部分のひとつ(どうなったかは本文読んでください)。
もうひとつは新島樒海という新キャラ。
メタ的な話をすると、飾と夕と燈子の三人では関係性のバランスがとりづらく、どうしても柏木飾が調和役とならなければならない。
それは、本編※が終わったあとの物語ではできる限り避けたいことで、そのために作られたのが新島樒海というキャラクターになります。
もちろん樒海に愛着がないわけではありません。
むしろ、かなり執着していて。
というのも本文執筆時『婚姻関係を解消する』ことに対して、少し思案する出来事があり、物語を書くうえでその自分の考えが彼女や飾の関わり方に色濃く反映されています。
夕と燈子の二人の関係性について表で変化を与える一方で、表から見えづらいところで樒海にも動きがあるという構成は、作品の内容を厚くするうえでも上手く働いたのではないかと個人的には思います(よければ、その点意見や感想ください)。
結びに。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次は、おそらく飾と榛名の関係性についてが明らかになる過去話になるのではないかと思います。
まだ執筆スケジュールが定まっていないため一旦完結済みにして隠居する予定ですが、柏木飾にまつわる話の種は山ほどあるので、もしよければ気長にお待ちいただけると幸いです。
また、本編※終了時のあとがきと同じく次の話が出来上がるころにこのあとがきは消しますので、そこのところご了承ください(物語以外に駄文を公開し続けるつもりはありませんので)。
追記(6/9 23時頃)
お読みいただきありがとうございました。
連載開始時点で本文すべて書き終わっていましたので動向を見守る程度しかしていませんでしたが、危惧してきた連載再開したものの一切ブクマも評価も感想もなし、といった状況に陥ることはなく、ひとまず安堵しています。
書きたい続きのお話や、この作品とは別の新作もぼちぼち準備をし始めていますので、また機会があればお読みいただければ大変うれしいです。
(予定としては、水着回からの来栖榛名との過去編。新作は気を衒わず長編の異世界ファンタジーかなぁ、とか)
実験的に、10万字(文庫本1冊程度)で完結する短編も、何個か投稿していきたいのですが、遅筆ゆえどうなるか……。
気長にお待ちいただけるのであれば、これ以上によろこばしいことはありません。