2004年10月4日 春香の日記
祐次さんの家に来て早一ヶ月。
この家は居心地がとても良い。
世の中にはこんな家もあったんだと思う。
クーラーはあるし、お風呂もある。
トイレだって専用だ。
テレビを見ながら布団でバタバタしても怒られない。
でも、そんなことより、何より嬉しいのは、
嬉しいのは、
ダメだ。甘えていちゃダメだ。
早くここを出て、一人前になりたい。
私はまだまだ子供だった。自覚した。
何が出来るかなんて判らない。
本当は空回りしているだけかもしれない。
だけど、今の自分は逃げているだけだ。
それでいて、何から逃げているかは、判らない。
私はそんなに賢くはない。
きっと、もっと頑張らないとダメなんだ。
もっと頑張って、人に認められて、人として認められて、社会から必要とされて、周りの人から頼りにされたい。
今、私は祐次さんの庇護の下にある。
お情けで住まわせて貰っている。
あの日のことはきっと忘れない。
私はシンデレラになった。
何をどうすれば良いのかよく判らなかったけど、何とかなった。皆の役に立った。喜ばれた。写真を見ると別人の様な私がいる。
私はあの時思った。祐次さんと、付き合って行けるかもしれないと。
でも、きっと、祐次さんのペースに合わせるのは無理。
あの時が限界だった。
お昼をご馳走になって、夢心地で家に送られて、そこでもう、お別れするはずだった。永久に。
それが、素敵な夕飯をご馳走になって、今ここにいる。
でも、私はここを出て変わる。もう逃げない。
そして、もう一度、今度は大人になって祐次さんに逢う。
その時二人は、本当の恋に堕ちる。
と、いいなぁ。




