表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
piano  作者: 永島大二朗
94/143

2004年10月4日 春香の日記

祐次さんの家に来て早一ヶ月。

この家は居心地がとても良い。

世の中にはこんな家もあったんだと思う。

クーラーはあるし、お風呂もある。

トイレだって専用だ。

テレビを見ながら布団でバタバタしても怒られない。


でも、そんなことより、何より嬉しいのは、

嬉しいのは、


ダメだ。甘えていちゃダメだ。



早くここを出て、一人前になりたい。


私はまだまだ子供だった。自覚した。

何が出来るかなんて判らない。

本当は空回りしているだけかもしれない。


だけど、今の自分は逃げているだけだ。

それでいて、何から逃げているかは、判らない。

私はそんなに賢くはない。


きっと、もっと頑張らないとダメなんだ。

もっと頑張って、人に認められて、人として認められて、社会から必要とされて、周りの人から頼りにされたい。



今、私は祐次さんの庇護の下にある。

お情けで住まわせて貰っている。


あの日のことはきっと忘れない。

私はシンデレラになった。

何をどうすれば良いのかよく判らなかったけど、何とかなった。皆の役に立った。喜ばれた。写真を見ると別人の様な私がいる。


私はあの時思った。祐次さんと、付き合って行けるかもしれないと。


でも、きっと、祐次さんのペースに合わせるのは無理。

あの時が限界だった。

お昼をご馳走になって、夢心地で家に送られて、そこでもう、お別れするはずだった。永久に。

それが、素敵な夕飯をご馳走になって、今ここにいる。



でも、私はここを出て変わる。もう逃げない。

そして、もう一度、今度は大人になって祐次さんに逢う。

その時二人は、本当の恋に堕ちる。




と、いいなぁ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ