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piano  作者: 永島大二朗
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2004年12月26日 春香の日記

今日は祐次のお誕生日。おめでとー


でも、ちょっと怒っているよ?

意地っ張りめ! 何が「登山中はお酒は飲まない」だっ!

ムカつくー! せっかく、みのりママが白ワインくれたのに!

山頂で乾杯しようと思ったのに!


バカバカバカバカー


祐次のバカー

キーキーキー

あー、でも祐次が私に、お願いしたことってないわね……。

ない! 全然ない!

思い出してもない!

あ、あった。

「しょう油取って」

酷い! これだけだ!

んー。私って。頼み辛いのかなぁー。ショック。

思い返せば祐次は「ありがとう」とは言うけど「お願い」はしないタイプだ。

なぜ? もっとお願いしても良いのに。


膝枕で耳掻きとか。ハズカシー。

ということは、もしかして、「結婚してくれ」なんて、

絶対にお願いされないと言うこと?

まてまて。それはどうなのよ。


昨日を思い出そう。「抱かせろ」なんて言ったかな?

うーん。言ってないなぁ。ガッ! ビリビリ! バコーン!

野獣だったなぁ。あれが男っていう生き物なのね。

でも、ちょっと安心したわ。


いやいや、それだけじゃ困るわねぇ。

絶対結婚はしてくれる。祐次はそういう人。

でも、無言のままホイと渡された婚姻届に

判を押して提出なんて、イヤ。

何か言ってくれないと。


何て言ってくれるかなぁ。

「永久に君を愛す」

無理。それは無理。

永久とか、絶対とか、そう言うことは言わない。

他人に制限を掛ける様なお願いはしない。

祐次はそういう人。


ずっと愛してくれるのは判る。

でも、私に逃げ道を残してくれる。

私が祐次を嫌いになったら、別れてくれる。

だから、永久なんて絶対に言わない。

んーーー。そういう人なんだよねー。

何て言ってくれるだろう。


「とりあえず十年、俺と暮らしてくれないか?」


あ、これだ! これに違いない!

あはは。そうだ。キャハー! これよ。これに違いないわ。

面白い! 何か祐次が判った気がする!

そうよ。そして十年後、さらりと再契約するのよ。

ずっとずっと再契約よ。あはは。

そうだ。そうに違いない。

面白いなー。考えよう。祐次のこと、もっともっと考えよう。

そうしたら、祐次は私のこと、ずっと好きでいてくれる。




昨日は私のことあんなに抱きしめたのに。

スキスキーとか、はるかぁとか絶叫してたくせに!

今朝だって、今朝だって! それなのにー

どうしてくれよう。何とかして飲ませてやるぅ。

いつも私のお願いなら、聞いてくれたのにー

何で山頂でワインはダメなのヨー

慎重よ。慎重過ぎよ。石橋を叩いて渡らないタイプね。

それはそれで重要。でもね、それだけじゃダメよ。

これから一緒に暮らそうとするのなら、お互いを信頼して、

頼むときは頼む。これじゃないと。


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