2004年9月19日 春香の日記
今日私の疑問は、確信に変わった。
そう! 祐次さんはピアノが弾ける。間違いない。
楽器売り場で、またピアノをポーンと弾いていた。
私が真似をして鍵盤を叩くと、「違うよ」と言った。
何が? と聞くと、祐次さんはもう一度弾いてくれたけど、違いは判らなかった。
同じジャーンって言うと、私の手を取り、人差し指をドの所に置いた。
「この状態で弾くんだ」
押したけど、全然音が鳴らなかった。
鳴る訳ないジャン!
すると祐次さんは笑って、ピアノのドに指を置くと「ポーン」と弾いた。
綺麗な音だった。真似したけどダメだった。不思議だ。
「ピアノ弾けるの?」と聞くと「いや、全然」と言って逃げたけど、あれは嘘だ。
いや、弾けないとは言っていないか。くっそー逃げられた!
絶対弾ける。そうに違いない。そうでなければ買い物に行く度に楽器店に立ち寄ったりしない。
あー、ピアノ欲しいんだろうなぁー。買ってあげたいなー。
でも、お気に入りのピアノは二百万円のグランドピアノ。高いよ!
しかも置く所ないし。その次の八十万円のアップライトピアノで我慢してぇ!
それも結構いい音みたいだし。
それなら、ほら、この部屋を片付けたら入るでしょ。
カメラもレンズも売ってしまえばピアノが置ける。ニヒヒ。売ってしまおうか。
一台三万円のカメラが五台。レンズって幾らだろう。まぁ一本一万円として二十本くらいある。あ、そうだ、あの小さいカメラは五十万はすると言っていたから、それも合わせて、残りは私が出してあげよう。そうしたら百万円位にはなる! かな? あはは。ピアノくらい楽勝ジャーン!
今度提案してみよう。何て言うかなぁ?
ピアノ弾いてみせてなんて言ったら、照れて弾いてくれないかな。
あの様子じゃダメよね。うーん。聞いてみたいナー。
私がピアノ習いたいって言ったら教えてくれるかなー
いや、私は何か嫌。絶対無理。
そう言えばお婆ちゃん家にピアノあったなぁ。
誰が弾いていたんだろう。
しまったなー。貰っておけば良かったなー。
いや、売ったな。きっと売っちゃったな。
テレビも冷蔵庫も売ったのに、ピアノだけ残るなんてありえない。
お母さんかなぁー、ちょこっと習っていればなぁー。
ピアノが弾けるんだったら、祐次さんに『もしもピアノが弾けたなら』を弾いてもらおう。
いや、弾けたらダメなのかなー? キャハハ!




