表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
piano  作者: 永島大二朗
15/143

2004年9月19日 春香の日記

今日私の疑問は、確信に変わった。


そう! 祐次さんはピアノが弾ける。間違いない。

楽器売り場で、またピアノをポーンと弾いていた。

私が真似をして鍵盤を叩くと、「違うよ」と言った。


何が? と聞くと、祐次さんはもう一度弾いてくれたけど、違いは判らなかった。

同じジャーンって言うと、私の手を取り、人差し指をドの所に置いた。

「この状態で弾くんだ」

押したけど、全然音が鳴らなかった。


鳴る訳ないジャン!


すると祐次さんは笑って、ピアノのドに指を置くと「ポーン」と弾いた。

綺麗な音だった。真似したけどダメだった。不思議だ。

「ピアノ弾けるの?」と聞くと「いや、全然」と言って逃げたけど、あれは嘘だ。


いや、弾けないとは言っていないか。くっそー逃げられた!


絶対弾ける。そうに違いない。そうでなければ買い物に行く度に楽器店に立ち寄ったりしない。


あー、ピアノ欲しいんだろうなぁー。買ってあげたいなー。


でも、お気に入りのピアノは二百万円のグランドピアノ。高いよ!

しかも置く所ないし。その次の八十万円のアップライトピアノで我慢してぇ!

それも結構いい音みたいだし。


それなら、ほら、この部屋を片付けたら入るでしょ。

カメラもレンズも売ってしまえばピアノが置ける。ニヒヒ。売ってしまおうか。


一台三万円のカメラが五台。レンズって幾らだろう。まぁ一本一万円として二十本くらいある。あ、そうだ、あの小さいカメラは五十万はすると言っていたから、それも合わせて、残りは私が出してあげよう。そうしたら百万円位にはなる! かな? あはは。ピアノくらい楽勝ジャーン!

今度提案してみよう。何て言うかなぁ?


ピアノ弾いてみせてなんて言ったら、照れて弾いてくれないかな。

あの様子じゃダメよね。うーん。聞いてみたいナー。

私がピアノ習いたいって言ったら教えてくれるかなー

いや、私は何か嫌。絶対無理。

そう言えばお婆ちゃん家にピアノあったなぁ。


誰が弾いていたんだろう。


しまったなー。貰っておけば良かったなー。

いや、売ったな。きっと売っちゃったな。

テレビも冷蔵庫も売ったのに、ピアノだけ残るなんてありえない。


お母さんかなぁー、ちょこっと習っていればなぁー。

ピアノが弾けるんだったら、祐次さんに『もしもピアノが弾けたなら』を弾いてもらおう。

いや、弾けたらダメなのかなー? キャハハ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ