表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハナビシソウを君に  作者: 池りん
1章:変身
8/19

変身4

ある小説や、映画でよく耳にする言葉がある。家族なんだから当たり前でしょ?って言っている母親らしき女性がぎゅーっと。自分の子供を抱きしめているシーンを見かける。


     家族とは何だろう?



私はただの血のつながりのようにしか思えない。

人なんだからこの人が嫌いという本心はたとえ家族だろうと持っている。そう、結局は家族とは他人なのだ。ただ血のつながっているだけの他人。家族だから守るとかいうのが本当なら。虐待で子供たちが死んだり傷つくことが起こるわけがない。

でも.........









あれから数日がたったことだった。一週間ぶり?だろうか幸崎さんが登校してきた。席が近いこともあって、僕は「おはよう」と声をかけた。すると一瞬驚いたような顔をした幸崎さんだったが.......。

「おはよう。........アッ、そーだ。私が歴女なの黙っていてね?」挨拶は返してくれたものの、念を押すようにそう言った。そう来るとは微塵も思っていなかった僕は気圧されたように「は、はい」と答えた。

幸崎さんが席に着くのを見届けると、僕は昨日すっかり忘れていた今日までの課題に目を通し、シャーペンを握って書き始めると、最初は少なかった人が少しずつ増えてきて一気ににぎやかになった。それと同時ぐらいにやり忘れた課題が終わり、シャーペンを放り出すと、伸びをすると前に座っていた幸崎さんのカバンが目に入った。学校指定のカバンに付けられていたのは、小さなキーホルダーだった。レジンのようなもので作られたのかキラキラと輝いていた。ーーーーー海みたいだと思った。小さいのに異様に存在感があって戸惑った。もちろんいい意味で。

「それ.........................................。」

僕は自分の意思とは関係ないように口が動いた。

自分に話しかけられていることに一拍遅れて気が付いた彼女は、カバンについていたそれを手に取って言った。

「ん?これ?お兄ちゃんにもらったの。誕生日プレゼントだってね。といっても、昨年度のやつなんだけど....。」

「そうなんだ。......いいお兄ちゃんなんだね。」

「いや、そんなことないよ。」

謙遜のように聞こえたが、冗談に聞こえず、またどこか沈んでいるような気がしたのは、僕の気のせいだろうか?


疑問に感じながらも、僕は笑って「そっか」としかいうことができなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ