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06-04 遺失せし情景

06-04 遺失せし情景 『ヒミツキチ』の屋上 夜明け前の空の下




 朝の始まりは、もう少し遠い

 自分の傍らには、友達みんなの静かな寝息。


 幼馴染達三人と、途中で出会った友達との旅の途中。

 自分だけ目覚めたけれど、まだ暗い朝の空。

 朝焼けは、始まってもいない。



「意識を覚醒させて…、

 今までの事が夢じゃなくて良かったと、そう思う私がいる。

 けど、変な精神分裂症は絶賛継続中だし、

 この世界の事には、またまだ無知なんだし、

 そんなの状況を『ま、いっか』と納得している、

 いつもの自分もいる。

 こんな事にも混乱も何もしてないあたしに…

 いや、私ならこう考えるだろうという自然さに、

 それことに不自然を感じてるのかな?

 それよりも…」

 っと、目を瞑ったまま、明ける前の空気に感覚を広げる。

「とても綺麗な世界だけど。

 それが誰かの犠牲であったのなら醜い世界になるのかな。

 知らないままだったら、自分は子どものままだしね。

 さて、何から、どうしたものか…、

 まずは、あの子のことかな?」


「コヨミちゃんオハヨ、もう起きたの?」

 と、ルラが私の意識に呼びかける。


「おはよう、ルラ。

 よく私が起きたこと気づいたね」

「大好きなコヨミちゃんのことは、ずっとストーキングなう」

「ルラに見られて困る事ないから良いけどね。

 私は起きてるけど、あたしはまだ寝てるよ?

 自分の体も、まだ寝てる感じかな」

「器用だね、コヨミちゃん。

 じゃあ、まだ早いし二度寝しようよ、寝れるだけ寝れるのは、とっても贅沢でゴージャスなことだよ」

「うーん、私の意識が冴えちゃったから、ルラが良ければお話ししていたいな」

「朝のぴろーとーく?

 ヲリヱちゃん達も、みんなも夢の中だし、起さないよう、こっそり、こっしょりお話ししーましょ、で、何からお話ししましょうな?」

「昨日の夜にした自分の宿題、その続きがしたいかな?

 魔法のことホントに全然解かんなかったしね。

 ホント、魔法ってなんだろね?」

「魔法のことなんて、僕達、全く全然これっぽっちもわかんないよ、ホントに」

「それ本当?」

「ホントホントにれありぃ、

 僕達のしてる魔術での多少それっぽいことも、結局は見た目だけだし。

 僕達の力は、あの子に及ばないから。

 それに あの子も全く全然わかってないんだよ、魔法のこと」

「えっなんで?

 あの子、魔法使えるんでしょ?」

「魔法は、


  魔法は、信じられないもの


 そして、


  魔法は、信じちゃいけないもの


 だよ。

 そもそも、あの子、みんなが魔法が使えないってこと、

 そこから、理解ってないようなんだし」

「うん?」

「うん。

 魔法で、絶対に出来なかったことが三つあって、


  魔法で 魔法の原因を解き明かすこと

  魔法で 魔法を誰かに使わせること

  魔法で 魔法を使えなくすること


 だってさ、

 あの子としては、 


 『なぜ こうなったのか 全然わかんないし

  なぜ みんなが使えないか 全然わかんないし

  なぜ わたしだけ使えるのかが 全然わかんないし

  そして わたしも止めかたなんて 全然わかんないし

  それは あたりまえのありふれたもの でしかなかったし

  なのに ホントに なぜこんなことに、なっちゃったのかな?

  魔法を、使っただけなのに』


 だってさ」

「…。

 思った以上に、この世界の魔法、かなーり厄介極まるモノなのかな?

 うーん、あっ、なんで、それで、あの子、世界を滅ぼしちゃったの?

 あの子、そんな事する子じゃないし」

「うん、

 あの世界が滅んじゃった理由はね。

 あの子は、そんな気、全然、なんにもない、なんにもない、全くなんにも、なかったん、だけど、

 あの子が、魔法を使ったら、

 世界滅んじゃった」

「…えっと、

 電源入れたら壊れた家電みく言われてもね…。

 えっと、パソコンの復旧みたく、

 起こった事、やった事、現状のものと、それの前兆を挙げてもらわないと、私わかんないから」

「ではでは、

 それはでは、

 コヨミちゃん。

 うんとね、

 それはね

 クリスマスなイブニングな時でね、

 そして、あの子10歳の誕生日の日でね、

 まるで、魔法が起きそうな星降る場所でね、

 あの日、あの時、あの場所で、

 あの子、使っちゃったんだ、

 魔法。

 30歳の男の子じゃないのに

 で、

 あの子の、その魔法でね

 ね、

 その世界、滅んじゃった」

「えっと‥だから何で?

 って、言うか…、それはどんな魔法?」

「それはね、


『みんなの願いが叶いますように』


 って、魔法」

「うん?

 あの子の、そんな魔法で、世界滅んじゃったの?」

「うん、

 とね、

 あの子はね、

 平和な国で生まれてね

 豊かな時代に生きてね

 幸せな家で成長してね

 愛されて育ったからね

 解んなかったんだよね

 全く、全然、それをね

 いや

 解りたくなっかたのかな?」

「えっと、何を?」

「何にでも、何処にでも、いっぱい、いっぱい、どうしようもなく、それは、そこに、あったってこと、


 『おしまい』


 が、あるってこと」

「『おしまい』? って、それは」

「えっと、いっぱい、いっぱい、あるんだけど、例えるとなるとね、それはー、つまりー。

 うんうん、

 よし。

 ではでは、中2風な七つの大罪っぽく、魔法で滅ぼされた世界はね。


  色欲 爆発した人口が 人間の未来を食い潰す 世界を滅ぼしました

  暴食 沢山の子達が 孤独のまま飢えて死ぬ 世界を滅ぼしました

  強欲 大量生産消費廃棄した物で潰される 世界を滅ぼしました

  憤怒 宗教や国や民族が 戦争を続ける 世界を滅ぼしました

  怠惰 環境破壊資源枯渇で 衰退した 世界を滅ぼしました

  傲慢 貧富や身分が 確定された 世界を滅ぼしました

  嫉妬 破壊兵器で滅びられた 世界を滅ぼしました


 そんな魔法でもないと救われない世界は、魔法で滅んでしまいましたとさ。

 魔法って、信じられないもので、信じちゃいけないもの、だからね。


  人が 生きる上 漫然な未来の指針となる 願い

  人が 一生の中 叶えると誓った尊く儚い 願い

  人が 悪夢の下 どうしようもなく欲した 願い


 その全てを、叶えてしまっちゃったり、してしまってしまったのが、あの子の魔法なんだよ。

『生きたい』とか『愛されたい』とか『幸せになりたい』とかって、人間や生物や進化の機能であって、その人の願いとは別かもってこと。

『生きて欲しい』とか『愛したい』とか『幸せにしたい』とかとかも。

『世界なんて滅んじゃえ』とか『終わりや、こんなん』とか『みんな おしまい』って、結構やっぱり願っちゃうものだよ、人間だもの」

「えっと、

 自分は…、

 納得は、したくないけど、

 理解は、してしまえる、きっと」


「で、

 魔法使っちゃったら、あの子。

『世界壊しちゃったー』って、ワンワン泣いちゃってしまったんだけど、

 でも、

 そこから、自分で涙を拭いて、立ち上がって、世界を滅んじゃったままで終わらせなかった、あの子はつおい子。

 まずは、その魔法から、現実でも対処できるよう、奇跡・運命・永遠・無限を引っこ抜いて、僕達へポイしちゃって、

 つぎに、危ないからって、破壊兵器や有害生物や汚染物質や無意味な資本や利権とかも、虚無にポイぽいして、

 そして、この場所が、世界に一つだけなのが原因なのかな? と、同じ星とか5つ創造しちゃって、

 そこに、隣の国とかや人種や言語・文化・歴史でケンカしないようにと、わいと適当に再配置しちゃって、

 さらに、そんなみんなが困らないようにと、怪物さんや異種族さんに、がんばってもらっちゃって、

 ほかに、また変なことにならないようにと、天使さんや妖精さんに見守っててもらってちゃって、

 けれど、それでも残った『人のどうしようもない願い』を、異世界さんにしちゃって、

 と、

 何とか、とりあえず、みんなで、がんばれるよう、どうしにか、こうにか、しちゃったのが、この世界なのでした~、まる」

「……。

 えっと、

 そうなんだ」


「うん。

 みんなも、当然、最初は、大混乱、大激怒、大絶賛だったけど、けどけどね

 みんなに、何が、あったのか、どうしてなぜなにこうなったのか、のかのかを

 みんなへ、全部、完全に、細いとこ、事実陳列、お知らせたしたり、たりたりと

 みんなが、解決事例、法令列記、情報提供、相談窓口とか、足したり、たしたして」

「みんなって? えっと、

 具体的に、どの時の、誰に?」

「その、みんなはね、

『最初の魔法』の、あの日あの時あの場所にいた、みんな。

 その79億8千756万5千354名の、命ある子達。

 これって、いってみれば民衆全て大洗脳の大悪事?

 あれで国や宗教や政治体制や社会システムとか、

 かなり殲滅しちゃったから、

 まさに魔王の所業。

 でも、

 そんなことやちゃった後で、

 まあ賢者タイムなのもあったけど、

 何と、かかんとか、生きていくもんだよ、人間だもの。

 うん

 人間て、凄いね」

「……、

 うん、

 あの子も、

 そのみんなも、

 がんばったんだね」

 たぶん、その時ことは、まだ私には、勉強してないし、よく解からないのだけど、

 その時のことは、今の自分に、きっと届いているのかな、とは思う。


「でも、

 けんどね。

 ほんとはね

 問題が、全部なくなったっちゃって、わけじゃないんよね」

「どうして、みんなも、あの子も、がんばったのに?」

「異世界にしちゃった子達、僕達もみんなも、いろいろ、いろいろ何とか感とかしてたんだけどね。

 それでも『人の、どうしようもない願い』の、どうしようもないその願いは、やっぱり、どうしようもなくあるからね、やっぱり人間だもの。

 そいういった『人の、どうしようもない願い』が、この世界や、別の異世界に接続したり、その時に同期したり、争ったり、食べられたり、結合したりしてるんよ。

 元々が、人だし、この世界から出来たものだからね。

 手に負えなくなって、その異世界さん滅ぼしたり、ときたま、この世界が滅んじゃったりすることもあるけれど、ま、それも、チョイチョイっと。

 コヨミちゃんの国や、コヨミちゃんのお父さん達が戦ってる戦争のお相手さんが、そんな異世界さん。

 その子の願いが叶う場所、そんな世界そのものへと生まれ変わる、異世界転生。

 まあ、そんな、ムチャなみんなも少なくなっちゃったたから、もうチョイで終わるのかも?」

「? 少なくなったって、そのみんな、どうなったの?」

「生きてる子は少ないかな? 大抵のことは時間が解決してくれて、寿命とか、人じゃなくなったとか、ある種の諦観とかとか、だけど。

 残ってる願いは、あと独りぐらいだし」


 世界で、ただ一人の魔法使い、独りボッチの魔王さま、かな?


「あっと…

 それで、あの子、もう、泣いてないのよね?」

「うん。

 あの子は、きっと、つおい子。

 御都合主義も、ギャグ漫画世界も、サザエさん時空も、虚無の取得も、イデな無限リキも、小さなお花さかせることも、何でもかんでも魔法で出来ちゃうから、ちゃんと笑っててくれてるの。

 そういった魔法でのってことは、わかっちゃっているけど、やめらんない、って感じも僕しけんどね」

「うーん、そっか、

 でも、きっと、あの子は、

 …

 うん

 自分にも、笑ってくれたから、

 その笑顔は間違いじゃないよね?」

「その答えは、魔王のシモベである魔王四天王の

 僕達では何にも言えないんよねコヨミちゃん。

 僕達の力は、あの子に及ばないんだから、

 無限も永遠も奇跡も運命を使っても、

 答えが出せないのが魔法なんだよ、

 うん

 けんど

 せっかく一緒に遊んでるんだし

 あの子、僕達の友達だから、

 笑っては欲しいんだ。

 コヨミちゃんも、ヲリヱちゃんも、みんなともね」

「まだ、あの子、魔法使えるのよね。

 また、なにか、同じこと、しないのかな?」

「それは安心してしてコヨミちゃん。

 あの子の良い子だから、絶対の自主規制として、


『現実科学技術可能性限界点以上のモノの創造せず 人の選択を無下にしないようにします』

『みんなや世界や星を大切に優しくします 他 必要時には追加または削除 保留 棚上げ』

『やらかしちゃったことや 創ったモノ 在るモノは 消さない 泣かない 後悔しません』


 を、

 ずっと、

 ずっと守ってるんよ、

 あきもせず、泣くことあっても」

「それだったら、

 …ほんとに強い子だよね、

 だったら安心。

 まあ、やっぱり心配だけど

 安心しよう、無理矢理でも

 けど…。

 それだけのこと、

 出来るんだから

 あの子って…、


 神さま


 なのかな?」

「とんでもねぇ、あの子、神さまじゃねぇよ。

 なーんか違うんよね。

 あの子、たまに? 累積すると、結構やらかすけど、

 この世界は物理法則は、ちゃんと頑張って働いてるし、そこまで設定を考えられるほど、あの子バカ、もとい頭がホントに良くなから、


 あの子にしても


  どこから来て

  どこにへ行くのか

  ほんと、わかんない。


 だって、


 ついでに、

『神さま』がホントに居るのかどうかや、『人の魂』がホントにあるかどうかや、死んだら『あの世って異世界』に行けるのかどうかの方法も、わかんないんだって。

 あの子『あったら良いですね、あたしも神さまにあってみたいです』って、ホンキで言ってたんけど。

 だから、冒険者の店の『神さまクエスト』は、いつだって僕達冒険者の不可解な命題なんだ。

 怪物さん達の情報網や、妖精さんの闇の瞳で探したり、天使さんが『神さまやあの世があるならこんな風』って感じで仮想シュミレーションしてたり、僕達や異種族さんで、意志や想い出や生体情報とかの『魂』の機能をエミュレーションしてるけど、まだ、見つかんないんよ。

 きっと、宇宙の中心か、世界の果てか、しまった後ろかー! て、とこにありそうな気がするんけんどね」


「‥、

 まあ、

 うん、

 そうかもねルラ。

 魔物って、…魔法で出来た物って言ってたから、魔法で生まれた物なんだよね?」

「そだよ、コヨミちゃん。

 魔物は


 『魔法で出来た物』

 『魔を関する全ての物』

 『魔王の物、魔王だけの物』


 は、一つのと、三つの物と、四つのものしか無いんだけど、


  一つめの魔物が 最初の魔法で 人の願いでしかない 一つずつ順番に叶えられただけ物で

  二つめの魔モノ その順抑止力的な 人の願いを打ち砕くモノ 僕達、魔王四天王とかで

  三つめの魔もの その後の、この世界に模造されたRPG的、魔術めいたものとかで

  四つめの魔者は いつか、最初で最後の願いを敵えるための者で、一番大切な子で


 で、

 最後の、

 その子は、

 まだ居ないんよ。

 もう、ちーと、だと、

 思うんけどね、僕」

「‥えっと、これも、冒険者の義務教育で習うのかな?」

「あの子や僕達の原罪履歴な個人情報だから、それは無しなし。

 現実・真実・事実陳列罪に成っちゃうし、友達のコヨミちゃんだから知ってほしいの僕」

「うん、そっか、ありがと、ルラ。

 だったら、ルラが自分を勇者と選んだ理由は何かな?」


 …四つめの魔者は、きっと『勇者』なんだろうし…


「?

 選んだのは誰でも良かったよ、

 僕の、ただの、あの場の、フィーリング風味のフレーバーな、何かアレ、あれ?

 あっ、前は、ヲリヱちゃんは、あの子親戚やクローンや複写コピーからとかの雑種の血筋で、隣の定星ミレミアムアースのお姫様だったから、姫勇者ヲリヱちゃんになるの恰好いいよね、とか、思ったんだけど、コヨミちゃんの勇者の勇気がありふりまくりになっちゃってもたしね」

「…ヲリヱに、そんな背景あったんだ…後でその話を突き詰めるとして…」

「それより、何より、あの子が『夜の昔ばなし』するコヨミちゃん大のファンになっちゃてもたもたしたんが最大要因、絶賛、あの子の押し押しの子だよだよ、コヨミちゃん」

「あの子も、あの部活で創作した変な昔話を聞いたことあるの?

 それは、ちょっと、恥ずいけど、問題ないかな。

 でも、あの子、直接聞きにくればいいのに」

「出会った時のサプラーイズは大事大切」

「バレバレなんだけどなー」

 で、


「うーん、結局、私って、なんで、この世界に転生したのかな?」

「うーん?『若宮 こよみ』ちゃんが異世界転生した理由は、僕、全然わかんないよ、ホントに」

「それ本当?」

「ホントホント、異世界なんて、いっぱい、いっぱい、あるしねー」

「そっかー。

 そもそも異世界転生ってなんだろ?」

「ほんとうの異世界転生なんて、僕達見たことないから、わかんないけど、コヨミちゃんのはアニメでよくある、君な名は的な入れ替わりの人格交換な神経細胞再配置的じゃ無くて、マトリクス的な人格情報インストールみたいだし、異種族さん特性のアニメマンガ表現の『魂』の摸倣機能ってやつで、どっかからか知んない誰かさんのキャラクターさんの人格さんを、記憶の空き指定領域にインストールされたんじゃないかな?

 たぶん?

 コヨミちゃんにも異種族特有メモリーチップ、脳内内臓されてるし」

「…。

 うん。

 えっと、わかんないなりに、ちゃんと説明してるルラによる話を分解すると…。

 うん。

 そっかー、

 やっぱり、自分、異種族さんで、人間さんじゃなかったかー」

 まあ、正直、そんな気はしていたけど


「?

 コヨミちゃんは人間じゃないよ、お父さんに聞いてなかったん?」

「うん、それ聞いてないよ自分。

 そもそもあたしが人間かどうかや、そもそも種族のことなんて、父さん母さんに聞いたことなかったしね」

「あっそっか、

 コヨミちゃん、まだ10歳だからねー。

 今も、いたずら念話で、コヨミちゃんの頭の中にあるやつと僕のメモリーチップどうしでニュータイプっぽい会話してたし、わかっててやっちゃってるのかと思っちゃった、僕」

「そうだね、まぁ、いろいろ、人間ばなれしたことしてたからしね。

 意識せずにだけど、

 感覚的には私は現代日本の女子高生の乙女なんだから…、やっぱり、いろいろ子供だよね自分」

「うん、コヨミちゃん可愛いよ、可愛いよこよみちゃん」

「ありがと、まぁ、さて、ルラ。

 自分の種族って、何て呼ばれてるのかな?」

「コヨミちゃんは星の異種族、ユピテルさんの貴族さんだよ、いちばんアニメのニュータイプっぽい感じ

 七つの異星、四つの種属の、そのうちの一つの、異種族さんだよ」


 異種族:ユピテル。

 木星ジュノーの名を関する、

 人間と一番似て異なる雷の異種族。


 王属・貴属・軍属・民属の四種属からなる、ソラを旅続ける7つの異種族の一つ


 ルラの補足としては、

 異種族マーキュリーは 水星 水銀的振動感応

 異種族ヴィーナスは 金星 金雲的芳香感応

 異種族マーズは 火星 熱砂的熱感知感応

 異種族ユピテルは 木星 雷的電磁感応

 異種族サタンは 土星 黒曜的重力子感応

 異種族ウラノスは 天王星 光子的光圧感応

 異種族ネプトウスは 海王星 ソラリス的浸透感応


 感応は対話、五感以外の会話体系を有する子達への、

 宇宙人や超能力者や未来人や異世界人と遊ぶための、

 会話や通信や物語作成の種族能力だとか、そして、


 王属は王族として中央中枢系 異星船の船長やブリッジ要員 旗機、頭いい。

 貴属は貴族として命令制御系 異星船の船頭や各リーダー 指揮機、恰好いい。

 軍属は軍属として反応対応系 異星船の甲板要員や戦闘員 駆逐機、つよい。

 民属は人民として維持生産系 異星船の船内要員や搭乗員 主力機、たくましい。


 ユピテルの貴族は、電磁感応でそこそこ早く、なにより情報管理能力が高く、現場指揮能力が高い。

 って…要するに中間管理職な種族が今の自分…。

 蜂や蟻といった社会性昆虫の雄みたいなのかな?

 割と納得ではあるけどね、まあ、血液型占い程度に。 


「人間には、ファンタジーやメルへんな異世界転生みたいに、他の人の記憶や人格のインストールする機能な臓器や脳機能そもそも無くて、人間の脳は自然に出来た一番複雑怪奇なで繊細で無茶な構造物だから、その記憶方法も神経配線と脳物質による物理記憶なんだし、情報入力で同質量の神経配線や脳物質つめっこんだら、その脳あふれてバーン♪ って、しちゃう。

 もし出来ちゃったら、それこそ人間じゃないよね」

 この世界の異種族や転生はオカルトめいてないようかな?

 魔術で出来たロボットみたなものなのが自分なのかな?

 見た目と違って思った以上に、この世界はメルヘンでもファンタジーでもないそうだ。


「うーむ、故郷は遠くになりにけり、私、ほんとに異世界来ちゃったんだね。

 けど、見た目と中身と、そのやってることの技術レベルが、やっぱり変な世界だね。ルラ」

「この世界の魔物の設定ボードや舞台設定やヴィジュアルが、ファンタジーぽいゲームっぽいアニメっぽい、ナーロッパなのは、あの子のお願いもあるかもだけんどね。

 けど、

 この世界や、この文明や、この社会や、この国が、いつでも、だれでも、どこにでも、滅んでも、すぐ復活・再生・救済・保護するための訓練だったりするんよね。

 漂流する教室や、零番地な惑星や、救世主の世紀末なんかでも、人力文明復興できる冒険者さんを鍛えるためとかの。

 近代前から要らんない時代、暗黒宗教時代や暴走産業革命や大航海大植民時代を捨てたような時代考証? てな感じで」

「徹底してるね、なんかの病的かも? 世界崩壊恐怖症、人類絶滅拒絶症とかかな」

「終刊:世界の危機 でぃあ ごらいあす でぃに~

 世界が滅ぶのは怖いことなんだよ」

「うん、まあ、それは確かに怖いよね」

「うん、で、

 でね、そして、それは、みんなも、世界も、滅んだことがある、からだしだしね」

「それ、本当?」

「ホントホント、復活した時、その傷跡は目に見えて消えちゃっては、いる、はず、なんだけど、

 憶えてる人には、ホントの、どうしようもない、

 痕、

 忘れられない想い出だよ」

「そっか」

「まっ、

 習慣ほどじゃないけど、地震と雷な家事シンジな天変地もあるし、異世界崩壊とかあるから、星の崩壊避難訓練はしっかりとしないとね、おしまいを経験している、こんな世界なんだし。

 あっ、

 避難訓練で思い出した。

 でっ、

 ヲリヱちゃんの『迷君主の法衣』な装甲機動服の着るモビルスーツや、コヨミちゃんの『童貞を殺す冒険者の服』な少年ジェッターな宇宙人スーツとそのオプションの冒険者セットも、星間航行出来る装備だから、こんな星とか滅びそうになったら、とっとと他の星に逃げてよね、絶対」

「うん?」

 関連した話なんだろうけど、自分の判断情報とで繋がらない。

「えっと、星が滅びる時にとか、どうしたらいいか、わかんないよ、ルラ」

 自己判断はするつもりだけど

「?

 旅に出るときから一緒に来ている剣さんや鎧さんに聞けばいいんよ。

 コヨミちゃんなら、大失敗しながらも大正解するだろうけど、

『武器や防具は もってるだけじゃ ダメなんだぜ』って、ことでコヨミちゃんが剣や装備ちゃんと使えるようになったら僕もみんなも安心安心。

 ウエアラブルな人型起動機だから。大気圏離脱再突入能力や、大抵の機動兵器に勝つる兵装や、テラフォーミングなマインクラフト機能あるけど、

 ロボットやAI補助やオートマ運転じゃなく

 マニュアルで使えるように訓練しないと、まだなんかかんか危なっかしいし。

 そんで、こんあ星が滅びたくらいでコヨミちゃん達が怪我したら僕も嫌だしヤだし、

 みんなが朝起きたら、みんなで避難訓練を、みんなでしようしようよ、そうしようよコヨミちゃん」


 話が、その時々でブッ飛ぶルラとの会話は慣れてるけど、

 今着ている全身白タイツと冒険者セットにそこまで機能があったとは…

 ほんと、見た目と中身とやってることの技術レベルが変な世界。

 と、言うか、

 この冒険者セットの、いくら使っても無くならない携帯食や水筒の水やロープや布類、満杯にならないゴミ箱、ほぼ多機能ライトセイバーな照明トーチとか、ゲームみたいなのが目の前でおきてて不思議に感じなかったり、どんくさいヲリヱの歩き寝や戦闘機動に何の疑問を今まで抱かなかったのは…。

 あたしの常識に充てられてたのかな? 

 まだ、あたし眠っているけど。

 うーん、私が頑張ってきていたんだって、アイデインテティとか丁寧に壊して行くなー。

 まあ、みんなが笑ってくれたら、それでいいけどね。

 まずは子どもな自分達に、いろんな経験をさせてくれるのだから、それには感謝しよう、うん。


「どったの? コヨミちゃん?」

「うん、自分の常識を、今、じーくり疑ってるところ。

 まぁ、その避難訓練も冒険者の義務教育だろうし、みんなが起きたら相談して、それしよっか」




 そうして、微睡のなかで、世界の秘密が解けていったけど、私としては、たいして変わりないかなと思った朝の情景は、それでも綺麗でした。


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