三十年後の世界
作者の都合で、投稿が遅くなりました。すいません。
あれから、三十年がたった。
たいていのものは《虚偽魔法》で生み出せるので、ネメと戦ったり、本を読んだり、おしゃべりをしていたら、三十年がたった。
今は十二歳の見た目だが、中身は四十二歳だ。私は中級神に至っていた。
まあ、そんなことはどうでもいい。今はそれより、
「ネメ、だれ?この人。」
目の前にネメにやられて倒れている女性だ。見た目は大体十八くらい。
「んーとねー。新しい勇者だって。」
ネメの回答から、ここで殺すか悩んでしまう。はっきり言って、勇者なんか信用できない。
だが、前回の勇者がクソなだけで、今回の勇者はいい人かもしれない。
考えていると、
「うぅ…ここは…?」
勇者が起きた。
「やあ、勇者さん。さっきはどーも。」
「ああ、ええと、こんにちは。でいいのかな?」
私たちは声をかける。
「あの…えっと…私はあなたたちに助けられたのですか?」
「違うよ?私がさっきのライオン。よろしく。」
「私はまあ、ここの居候かな。」
「居候って、笑えるね。洞窟なのに。」
「なぜ私は殺されなかったのですか?」
勇者の問いかけにネメは、
「だって、そっちのほうがおもしろいから。」
「えっと、どういうことです?」
「勇者ちゃんさ、もしかして神様から魔王の復活とか言われてない?」
「は…はい。」
「やっぱり。」
「ねぇ、ネメ。これってやっぱり亜神の仕業?」
「十中八九ね。」
私たちの会話についてこれていない勇者が問いかけてくる。
「どういうことですか?」
「ええとねー。これ言っても大丈夫?ネメ。」
「中級神の権限で言えると思うよー。」
「ええ!?あなたは神なのですか!?」
勇者が驚いてるが、無視だ。
「じゃあ、説明するね。この世界に勇者は何人か存在しています。この勇者たちには亜神が一人に一体ついていて、亜神の殺し合いが行われているの。この殺し合いで勝った人が、真の勇者とか言われて、三十年前の勇者みたいなのが生まれているの。亜神はほかの亜神の力を取り込んで、神の座に至ろうとしてるの。」
「つまり、私は都合のいい道具だったと?」
「端的に言うと、そう。」
「では、私はどうすれば?」
「わたしが、亜神を殺してあげるので、あなたは勇者の力を人のために振るといいよ。実際魔王なんていないし。」
「どういうことです?」
「勇者が誕生すると、光の魔力が大きく削られるから、それに合わせるように闇の魔力が削られて、魔物がたくさん生み出されるの。亜神は権限で、一人だけ勇者を生み出せるってわけ。それで、神の座に行こうとするんだから、勝手だよね。」
勇者は、ぽかんと口を開けている。
「で、ではあなたは?」
「私?ああ、言ってなかったっけ。私は何もなかったけど、自分でここまでたどり着いたんだよ。ネメは神獣だから、喧嘩してるとすぐ強くなるんだよね。」
「ほんと、レリアは近接戦闘がうまくなって、強くなったよね。」
「うっさい。ネメと喧嘩しようと思うと、ネメの防御を貫通するダメージが必要だから、大変なんですー。斬撃無効、魔法軽減、打撃半減って、チート乙。」
「あー!言ったな!?それを言うなら、君だって不老不死で、先代勇者を殺した化け物じゃん!」
「喧嘩売ってんの?ネメ?私との喧嘩の記録覚えてる?522戦198勝196敗128引き分けだよ?」
「たったの二勝の勝ち越しじゃん。今日で一回埋めてあげるよ。」
「言ったな?中級神なめるなよ?」
「そっちだって、試練の神獣なめんなよ!?」
私たちはにらみ合う。
その隣で勇者がおろおろしているが、関係ない。勇者が何かを言っている。聞こえないから、無視だ。
「おらぁ!《神獣の号砲》!!」
「虚偽魔法《虚偽の真実・神獣の号砲》!!」
私たちは洞窟内で、暴れまわる。
勇者が、慌てふためいてるが、無視だ。
喧嘩が終わった。今回は私が負けた。これで、523戦198勝197敗128引き分けになった。
くそぅ。また絶対に突き放してやる。
そんなことを考えてると、勇者が、
「あの、先代勇者を倒したって、あの皇帝ですか?」
「「あ。」」
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