獅子との出会い
私はめまいのような感覚に襲われた後、目の前には洞窟が広がっていた。
「何処ここ?」
立ち止まっても仕方がないので私は洞窟の奥に進んでいく。するとそこには神々しいまでのライオンがいた。
「きれいなライオンだな。」
私はどうやら知らず知らずのうちに口に出していたらしい。
「ほう。ここまで人が来るとは。それも少女、迷い込んだか資格あるものなのかはわからんが、我の見た目を評価してくれたことには感謝しよう。」
なんとライオンがしゃべった。
「ふむ。獅子がしゃべるから驚いたのか。すまんな少女よ。ここで会ったのも何かの縁だ。名乗らせていただこう。我は神獣である。ネメアーの獅子とそう呼んでほしい。」
ライオンがしゃべるという怪奇現象を目の前にして、思考停止をしていたところ礼儀正しい名乗りをもらってしまった。
「えっと、ご丁寧にどうも。私はレリアと申します。ここはどこですか?」
意思疎通ができるライオンだったので、私はこの場所を聞いてみることにした。
「ここはネメアの谷と呼ばれている。見た目はまあ、洞窟だが。して少女よ?おぬしはどうやってここへ入ってきた?ここは危険区域の祠からしか入れんようになっているのだが。」
獅子は私に聞いてくる。
「ああ。私は住むところを探して、魔怪森を歩いてたら祠が見つかったので。」
すると獅子が笑う。
「ほう。見た目は少女でも立派な資格者か。ではここの試練を始めようか。」
獅子が急にそんなことをいった。
「え?試練?なんです?それ。」
私は試練など知らないので、ライオンに聞いてみた。
「少女よ、もしかして祠に書いてある文字を読まなかったのか?力ありし者英雄となりたいならばこの祠の中央に触れ、獣の王を打ち倒せ。と書いてあったんだが。」
「なにそれ…私普通に祠の中央いきなり触ったから…」
すると、ライオンは困った表情になった。
「え?じゃあ本当に迷ってきちゃったの?ここに。…ええ、どうしよ。ここ我倒すか死ぬかの二択なんだよね。」
ライオンがそんなことを言った。
「え?何その鬼畜使用。」
「どうする?我に挑む?」
「いや、どうすると言われても…。まあ私、不老だから次の人が来てあなた倒してくれるまでおしゃべりしてもいいけど。」
「御主もしや、魔族かエルフか?」
「いや、ベースは人間だよ。ちょっと下級神になっちゃったけど。」
「何!?お主、神の座まで至ったというのか!?いったい何歳なんだ?」
「え?十二歳だけど?」
「十二歳で神の座に?ありえないだろうそれは。」
「実際なったから仕方ない。」
ライオンが実に不満そうだ。
「して、少女の姿をした化け物よ。」
ライオンがそんなひどいことを言う。
「いや、その呼び方はやめて?割とかなり傷つくから。」
「むう。では少女神よ。おぬしはこの辺境へ何をしに?というかどうやって神へ至ったのだ?」
私はこれまでの経緯をライオンに説明した。
「いやお主、その能力。強すぎるにもほどがあるだろう。主神に勝るとも劣らない能力だぞ。」
ライオンがあきれている。
「まあ、でもここに住もうかな。ライオンさんがいて暇しなさそうだし。」
そういうとライオンは驚いた表情をして
「え?ここに住むの?ほんとに?」
「え?ダメ?」
「ダメとは言わんが、そうだな…条件を出そう。我と戦え。ただし、殺し合いではない。」
ライオンさんはそう言って笑った。
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