復讐を果たした少女は
「虚偽魔法《虚偽の真実・位置》発動。」
私はこの魔法で、私の今いる位置を書き換えた。今は帝城の中だ。
「夢幻魔法《夢幻迷彩》」
私は自身に幻術で移動していても誰にも映らないようにした。
そして私は帝室にたどり着いた。
「夢幻魔法《夢幻陽炎》」
私は認識疎外の魔法を自分にかけた。1対1で勇者を殺す。いくら強くなったとはいえ、油断は良くないし、相手は勇者で皇帝だ。用心に越したことはないだろう。
「失礼します。皇帝閣下。」
そして私は帝室に入る。
「ふむ。君は誰だね?私は君を見たことがないのだが?」
皇帝アレディア・ベルーグから声がかかる。
「はい。私はレリアと申します。…姉の復讐を果たしに来ました。」
そういって私はナイフを抜く。
「ははっ。誰の妹か分らんが、いい度胸だ。存分にかわいがってから殺してやろう!」
皇帝が聖剣を抜く。一瞬も油断できない。だが不思議と負ける気がしなかった。というより脅威にさえ感じなかった。皇帝が聖剣で切りかかってくるが、遅い。
「ほう。そこそこできるようだな。」
皇帝は速度を上げるが、私には止まって見えた。どうやらレベルの上がりすぎで皇帝なんて敵ではなくなってしまったようだ。ナイフで切りつけるが、ナイフが壊れてしまった。
「あれ?」
「ふん!そんなナイフでは私は傷つけれんよ!」
皇帝はこの隙を逃さず、距離を離させない。
「仕方ない。虚偽魔法《虚偽の真実・武装》」
この魔法は世界に嘘をつき武装を作る魔法だ。
私はこの魔法で聖剣を作る。
「なぜ聖剣が!?私が今持っているのに!聖剣が二振り?いやありえん!」
皇帝が聖剣を振りまくるが全く当たる気がしない。
私は皇帝の聖剣を弾き飛ばす。
「嫌だ!死にたくない!私はこんなところでは死ねんのだ!」
「命乞いをしてきた罪もない人をあなたは何人殺してきたの?そもそも私は復讐のために人間をやめたんだからさ。死のうか?」
皇帝の顔がみるみる青くなっていく。
「そ、そうだ!金をやろう!だ、だから見逃してくれ!な?な?」
皇帝がそんなことをほざく。
「聞くに堪えないよ。あなたの言葉。」
「嘘だ。嘘だ。俺は勇者で皇帝だ。誰もが俺に跪いて、何もかもが思い通りのはずなんだ。こんなのは嘘だ。嫌だ嫌だ。俺はまだ死ねない!」
そんなことを言う皇帝を私は聖剣で胸を一突きする。本当ならいたぶってやりたいが、ここは敵の拠点の帝城だ。皇帝は殺したし私がすることはもうないだろう。
「お姉ちゃん。仇はとったよ。」
私の復讐はこれで終わった。
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