勇者に復讐するための修業
プロローグみたいな章なのでサクサク行きます。
私は修業を始めた。今の力で勇者に立ち向かっても返り討ちにあい、尊厳を汚されるのがオチだ。私の魔法は夢幻魔法。幻術系統の魔法だ。幻術系統は極めて弱く、耐性があると効果がないため劣等魔法の一つとして数えられている。しかし、私にはこれしかない。剣術や力で、男である勇者に勝てるわけがない。そこで私は魔法の修業を始めたわけだ。絶対に復讐を果たすため。
一か月が過ぎた。本当なら姉の誕生日だ。墓にお参りと少ない食材を置き今日も修業をする。最近は魔物も弱い奴だが倒せるようになった。
『魔法《夢幻の空間》を習得しました。』
どうやら新しい魔法を覚えたようだ。能力は夢幻の空間により世界の時間をだまして引き延ばし、その空間なら世界の原理を多少調整できる特殊魔法のようだ。
「これなら。いつまで経つかわからない修業にも終わりが見える。」
やっと復讐が始められる。
「《夢幻空間》発動。効果は最大で。」
今何年たっただろうか。わからない。いや、魔力量は確かに他の人より断然才能はあった。しかし、修業したことによって世界の時間を千万分の一にできるとは思わないだろう。効果は現実世界で一日。つまり一千万日、約二十七年とちょっとかかる。一人で二十七年?お腹はすかないみたいだが狂う。人が発狂するでしょ、この魔法。しかし、効果は確かめられた。魔物はたくさん出現し、時間は二十七年間ひたすら魔法を使い続けた。そして、現実世界で一日が立つと私はぱたりと倒れた。魔力切れだ。しかし、レベルは上がり、魔法の威力、数も増えた。
この修業を私は一か月続けた。最大に威力は調整しているので、合計で約十万年修業していた。種族は人間から亜神に変わり、不老というスキルを手に入れてしまった。つまり私は十二歳の体で成長が止まってしまったのだ。まあそこはいい。魔法は新しく虚偽魔法というものを手に入れた。幻術系統魔法の最奥のようだ。能力は世界を嘘で塗りつぶし世界を意のままに操る能力だそうだ。
皇帝を倒す算段はついた。復讐を始めよう。
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