第2話
【帰りの会が終わったら、もう1度教室にきてくれ 有】
「今日は部活ないし・・・行くしかないか」
(部活があれば逃げちゃってた…)
―――――――――…
チク、チク、チク、………
時計の針の音が、妙におおきく聞こえる
(なんで、私こんなに緊張してるんだろう)
がらっ、とドアが開いて、有が教室の中に入ってきた。
その顔は、実由香が見たことがない、
とても真剣なもので、
ドキ、と脈打つのが分かった。
なんだか自分が嫌になり、後ろに下がった。
しかし。
実由香の後ろは黒板。
(ど、どうしよう…)
そう思っているうちに有は目の前まで来ていた。
「富士川…君?」
「あの、さ。」
「な、何?」
「俺…お前が、芳原が好きだ」
「・・・え、」
(自分は、今、告白され、た?)
実由香は、唖然としていた。
(ほんとに?これは、現実?もしかして夢のなかなんじゃ…)
す、と有が手をのばした。
そのまま、黒板にてをつい、て。
「…え、」
「…っ!?」
(有の、顔が、近、い・・・)
離れてやっとボーっとしている頭が理解した。
(嘘、今、キス、された・・・!?)
「もう1度言う。好きだ。嘘じゃない。」
「ほん、と・・・?」
「ほんと。」
「…っ!私も、好きだった!」
冬、雪の降った日に、手に入れたのは、
一つの幸せ
無理矢理☆