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第1話
「うー、さぶっ!
…って、雪、降ってる…」
ホッカイロはどこだ、と、実由香がジャージのポケットを手であさる。
「む、ないじゃない「おーい、芳原!なーにやってんだよっ!」…、岡山っ」
言いかけていた実由香の頭に、思い切りチョップをかましたのは、
実由香と同じクラスの、岡山華都木だ。
「い、たいじゃないのっっ!!」
思わず、手を振り上げた。
しかし、思わぬ介入者により、手首を掴まれ反撃をすることは許されなかった。
「富士川くん・・・!?」
クラスメートの、富士川有。
実由香の顔が驚いたものになった。
「俺も混ぜろよっ!」
「な、ちょ、なによ富士川君までっっ!!!」
結局、3人でぎゃあぎゃあとふざけ始める。
ふと、有の手が実由香の手に触れた。
「芳原、手ぇ冷たいな。…これ、やるよ」
そう言って有はホッカイロを手渡すと、どこかに行ってしまった。
「…?手紙?」
ホッカイロには、手紙がついていた。
【帰りの会が終わったら、もう1度教室にきてくれ 有】
「…?なんだろ、私、何かしたっけ?」
心当たりはない。
じゃあ、
「なんなんだろ、いったい・・・」