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両親

やっと家族六……五人が揃った。今日は五人しかいないし、明日も五人しかいないかもしれない。その今はいない『誰かさんpart3』が六人目になれるかどうかは母さん次第である。


「クリス、悪かったって。許してくれよ」

「あら、何か聞こえたかしら。ルドルフ、あなた何か聞こえた?」

「……いえ、母さん僕にはなにも聞こえなかったよ」

「そうよね、その通り、なにも聞こえないわ。だって普段から他の女に色目を使っているのを見逃しているのに、少し目を離した隙にお茶に誘う夫なんていないんですもの」

「ぐっ……。クリス、俺が愛しているのは君だけなんだ。あのときだって喫茶店の場所を聞かれたから一緒にいきますよって言っただけだって説明したじゃないか!僕の目に写る美女は君一人だよ」

「さ、朝食が冷めるわ。はやく頂きましょ」

「クリス、まだ許してくれないのか?」


ごめんよ、父さん。俺には母さんに逆らう勇気はないんだよ。それに朝から母を口説く父を見させられる気持ちにもなってくれよ。


父さん──名前はジョセフ──はいつも母さんの尻にひかれている。『誰かさんpart3』というのは俺が物心ついてからこのやり取りが三回目ということだ。昨日の兄たちに聞いたところ、その三回だけでなく、むしろ昔の方が頻度が高かったと聞いた。兄たちが正確な回数を覚えていないくらいだ。


しかも、普段は尻にひかれているもののラブラブというのが、 子供立場としてはつらい。ミル姉が、『母さんのあれは愛情の裏返しなのね。乙女として共感するわ』とか言ってた。男同士の恋愛にうつつを抜かしてて乙女を語っていいのだろうか。


「いただきます」


母さん達に構ってたら朝食が食べれない。母さんは父さんが絡むとおかしくなるがそれ以外はスペックが高い。特に料理は店が開けるんじゃないかと思うぐらいにはうまい。


父さんには悪いが美味しい朝食を食べられて幸せです。

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