ナッツ姫 無罪!!
ヤフーブログに再投稿予定です。
※この物語は我々の宇宙とは別の宇宙(平行宇宙)の話であって、我々の宇宙の国・団体・個人・事件とは一切関係ない。
「被告を無罪とする」裁判官の声が法廷に響いた。
法廷は怒号で溢れた。「どういうことだ? 幾ら貰った? 」
裁判官の顔が一瞬歪んだが、彼は冷酷に言った。
「機体は当時、駐機場内でまだ始動せず、トーイングカー(けん引車)に引かれて17m動いたに過ぎなかった。常識的に見て、『航路』とは地上路ではなく航空機が飛行する空路を意味するものと解釈される。よって、被告は当該機の『航路』を変更していない。検察側の『航路』に関する解釈はあまりに拡大解釈すぎる。また、被告が事務長等に働いた暴行・暴言として告発された事案についても、当時の被告の立場上、従業員に対する当然の指導の範囲内の行為であって罪には当たらない」
被告がきりっと顔を上げた。それは人造的な美しさに溢れていた。それから裁判官に一礼した。
それからうな垂れていた検事に向かって言った。「私は不当な罪で起訴され、拘束された。賠償はして貰うわよ! 」
ナッツ姫は傍聴席に振り返り「名誉毀損で訴えてやる! 」と言った。それから姫らしからぬ言葉を続けた。「穴の毛まで引き抜いてやる! 」
その日の夕方、暖房の効いた豪華な居間……。
「お姉さん、大変だったわね?! 雑居房で他の囚人に虐められなかった? 」と、姫の妹が言った。「無罪になることは確信していたけれど、それが心配だったわ」
「それは無かったわ。だって、私一人だったもの」と、姫。
「雑居房でなかったの? 」
「そう、雑居房だけれど私一人よ。だって、独居房なんて私には狭すぎるわ」
こうして、国民は莫大な賠償金を税金で姫に払うことになった。
誤解を防ぐため冒頭の説明をもう一度!
※この物語は我々の宇宙とは別の宇宙(平行宇宙)の話であって、我々の宇宙の国・団体・個人・事件とは一切関係ない。




