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I am Aegis 4  作者: アジフライ
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第49話【王族集結】

クローロの元で修行を終えたイージスはいよいよ島から旅立つ時が来た。

「色々お世話になりました」

「それはこっちの台詞さ……イージス殿は俺に再び希望を見せてくれた……ありがとうな……」

クローロの目には光が宿っていた。

この剣の本当の力は引き出せなかったけど……母さんの技は手に入れることができた……それだけでも大きな収穫だ。

「……さぁ、 長い挨拶は無用だ……行きな! かつてダイヤ様が勝てなかったゼンヴァールを……倒してくれ! 」

「あぁ……言われずとも! 」

お互いに別れを告げ、 イージス達は飛空挺に乗り込んだ。

島から離れる時、 イージス達とクローロはお互い手を振り、 別れた。

「そういえばザヴァラムさん、 修行の間ずっと戻って来ませんできたね……」

「そうだな……どうしたんだ? 」

イージス達は飛空挺の上でそんな話をしているとザヴァラムが突然イージスの前に現れた。

「イージス様! 急いでメゾロクスへお戻り下さい! ! 」

ザヴァラムは慌てている様子だった。

「ど、 どうしたんだ! ? 」

「事情は後程説明致します! 今はとにかくお戻りを! 」

そう言われイージス達は飛空挺をザヴァラムを任せ、 メゾロクスへと帰還した。

メゾロクスに戻ると守護者達が玉座の間で集まっていた。

何だ何だ? 凄く深刻そうな雰囲気だけど……

『お帰りなさいませ、 イージス様! 』

イージスは玉座に座り、 守護者達の話を聞くことにした。

「何があったんだ? 」

「実は……」

レフィナスは少しためらう様子でイージスに告げた。

「今から三日後に……王族集会が行われることになりまして……」

え……王族集会……って……

イージスは思考が停止した。

「イージス様……? 」

「……マジ? 」

イージスの問いかけにレフィナスは黙って頷いた。

ヤッベェ……王族集会とかあれだろ? ラノベ小説とかによくあるイベントの一つだろ? 新しい王様を迎えるとか、 色んな国のお姫様とか集まって誰が婚約するとか……そんな感じの何か色々面倒くさいやつだろ?

「俺……王族の振る舞いとか全然知らないんだけど……」

「はい……そこが問題だと私達も悩んでおりまして……」

そう、 イージスはメゾロクスの王……すなわち王族集会には絶対に参加しなければいけない義務があるのだ。

しかし、 イージスは致命的に王族としての振る舞いというものを知らなかったのだった。

あと三日後に王族集会だろ……それまでに王族としての振る舞いを身に付けろって言われても流石に無理があるぞ……てかそもそも……

「この中で王族としての振る舞いを知ってる人いる……? 」

『……』

守護者達全員知らない様子だった……

……終わったんじゃね? これ……最悪欠席も考えた方が……

すると横で見ていたミーナが口を開いた。

「あの、 ちょっといいですか? 」

「ん? もしかしてミーナは知ってるのか? 」

「いえ、 残念ながら私にも……でも……」

ミーナはイージスの目を見ながら言った。

「イージスさんはイージスさんらしくしていればいいと思います! 」

「えっ……」

「だってイージスさんはそのままでも十分かっこいいですし、 それに誰よりも優しいですし……あっ……! 」

ミーナは自分で言ったことに気付き顔を赤らめた。

ミーナ……そうだよな、 俺は俺らしく! 王族が何だって言うんだよ! そんな面倒くさいのは関係ない! !

「ありがとう、 ミーナ……そうだな、 皆心配するな! 」

イージスは玉座から立ち上がり、 守護者達に言った。

「俺は俺らしく王として振る舞うぞ! 王族なんて知ったこっちゃねぇ! 三日後の王族集会、 行ってやろうじゃねぇの! ! 」

その言葉を聞いた守護者達は皆顔を合わせ、 クスクスと笑った後

『はっ! イージス様! 』

と返事をした。

「イージスさん……」

「アドバイスありがとうな、 ミーナ」

「えへへ……///」

そしてイージスは王族集会に出席することを決意した。

三日後……

王族集会当日、 イージスと守護者達は集会が行われるというルスヴェラート王国へ向かった。

ミーナとヒューゴはメゾロクスで留守番をすることになった。

イージスの付き添いの中にはアメニもいた。

そうか……アメニも守護者として迎え入れたんだっけ……

「イージス様、 私達は何をすれば……」

「皆はいつも通り俺の守護者でいてくれればいいよ……」

『はっ! 』

無駄に態度を改めさせるのも皆に悪いしな……普段俺には礼儀正しいし、 このままでもいいよね……?

そしてしばらく馬車を走らせ、 イージス達はルスヴェラート王国の首都 ヒュエルに着いた。

街にはいつもと違い、 見たこともない鎧を着た騎士達が所々で見かけた。

王族集会に来てる王様に仕える兵士達だろうな……かなりデカいイベントだもんな……

「イージス様、 そろそろ……」

「おう! 」

景色を眺めている間にイージス達はルスヴェラートの王城に着いた。

守護者達はイージスの後に続いて並んでついてきた。

……何か……某RPGゲーの主人公になったみたいだな……

そんなことを考えながらイージス達は廊下を進んでいくと一つの大きな扉の前に来た。

『お待ちしておりました! イージス・カイマ様とその守護者様方! 各国の王様方がお待ちです、 どうぞお通り下さい! 』

扉の前にいた兵士二人はそう言うと扉を開けた。

扉の向こうには大勢の各国の王族に仕える騎士団が並んでおり、 その列の前には各国の王達が椅子に座っていた。

年を取ったお爺さんもいれば若い男の人もいるな……女の人は……まぁいないよな……多分後から出てくる感じか?

部屋に入ってきたイージス達に騎士達は気付き、 ざわつき始めた。

『あれがメゾロクスの王……』

『後ろにいるのは守護者と呼ばれる者達か……』

『物凄い気高さを感じる……』

あれ……何か以外に高評価……

騎士達の列に挟まれながらイージス達は部屋の奥へ進んでいくとベルムントがイージス達を迎え入れた。

「おぉイージス殿! よくぞ参った、 さぁこちらに……」

「お、おう……じゃあ皆は……」

イージスは守護者達を空いてる列に並ばせ、 ベルムントの隣の席に座った。

……自分らしくって言ったが……めっちゃ緊張するなぁ……!

イージスは守護者達から前もって王族集会についての説明を聞いていた。

王族集会は三日間に渡り行われ、 その間にそれぞれの国との交友関係を深めたり、 新しく建国された国王への祝杯、 その他様々なイベントが行われる。

レフィナスから聞いたのはこれくらいしか無い……まぁ何とかなるだろう……

「それでは、 各国の国王様方が全員集まられたということで……これより王族集会を開催致します! ! 」

使用人らしき男が王族集会の開催を宣言した。

はぁ~~始まったぁ~~……

「まずは新しく建国をなされた新しき国王、 イージス・カイマ様に祝福の言葉を……」

その後集会は進行されていった。

あぁ~~……めっちゃ精神的に疲れる……学校の式典を思い出す……

イージスの顔は死にかけていた。

「それでは続きまして、 各国の姫様のお目通りに加えまして、 龍姫の決定を行います」

龍姫? どういうものなんだ?

イージスが考えていると隣にいたベルムントが教えてくれた。

「龍姫というのは大昔から続く龍と人間の繋がりを持つために存在する人類最高位の姫のことなんじゃ」

「へぇ……先代の龍姫さんはどうしたの? 」

「お亡くなりになられた……じゃから新しい龍姫を決める儀式を行うのじゃ」

なるほどなぁ……

「龍姫は王族の中にのみ現れるとされる龍の言葉を理解する人間……その人間の中から龍姫にふさわしい人材を決めるのがこの王族集会の目的の一つなんじゃ」

待てよ……もしかしてその龍姫を決める人の中に俺も含まれているんだよな……うわぁ責任重大やん~~~! !

一人で頭を抱えるイージスを余所に各国の姫達が部屋に入ってきた。

「それでは姫様方の自己紹介に移ります」

入ってきたのは全部で五人、 その中から龍姫となる者が選ばれる。

まず前に出てきたのは長い金髪の姫、 赤いドレスで着飾るその姿は正に赤いバラのようだ。

「妾はコルスターカ法国、 ヒュレイダル家の第四世代の娘、 メラン・テラルリーア・クランザー・カミュレット・ヒュレイダルよ……それ以上言うことがあって? 」

うわ名前なっが! ! でもまぁつまりヒュレイダル法王の娘? いや孫かな……? まぁそんな感じの人か……

二番目に出てきたのはショートヘアーで黒髪の姫、 目には目隠しされており、 お互い目が合わないようになっていた。服装はあまり着飾らない感じの白い清楚な雰囲気の服だ。

「私……クリラ・アル・フランテ・ナータニア……サメルーニア王国、 ナータニア家の娘……」

く、口数が少ない子なんだな……あと相変わらず名前がなっがい! 王族って皆名前長いのかよ……にしても聞いたこともない国だな……この大陸とは別の大陸にある国なのか?

イージスがそんなことを考えていると次の姫が出てきた。

橙色の髪をした幼女だった。

「あたしクレミュラ! クーラン・デルタ帝国のお姫様なの! 」

まさかの幼女……この集会に年齢制限は無いのかよ……

そして四人目の姫が出てきた。

燃えるような赤い長髪に青い瞳をしている。服装は寒い地方から来たのか、 温かそうな格好をしていた。

「うちはエンタルテ王国、 ディランテ家の一人娘、 リューシア・ナルタ・ヘーリュ・ディランテや。 よろしく」

か……関西弁……この世界にもそんな訛った人いるんだな……

最後の五人目の姫が出てきた。

目の色と力強さはベルムントと似ており、 美しい空色の長い髪が特徴的である。

「私はルスヴェラート王国、 ベルムント家第五世代の娘、 アリア・ルーウェルト・モルス・マレイア・ワンダルト・ベルムントです。この度は貴重な機会を与えて下さり感謝申し上げます! 」

へぇ……あれがベルムント国王のお孫さん? かな……にしてもお姫様の中には聞いたこともない出身国のお姫様がいたな……こことは別に大陸が存在するのかな……後で地図貰お……

イージスはこの時に持っている地図は一つの大陸の地図しか持っていなかったのだ。

「以上、 五名の龍姫様候補がここに揃いました! 」

「ベルムントさん……この中からどうやって決めるんですか? 」

「そうか、 イージス殿は初めてじゃからな……いいじゃろう簡単に説明しよう」

ベルムントの話を聞くとどうやらこの五人の中から今すぐ決めるのではなく、 まずは覇龍族の者にふさわしいかどうかを見極めさせる儀式を行う。

それから世界中の人間達の投票によって決まるという。

その期間は王族集会が終わってから四日間、 つまり一週間近くである。

なるほどなぁ……で、 見極める覇龍族の人って誰がやるんだろう……まさかラムってことは……

「それでは次に、 覇龍族の方にこの五名の姫様方がふさわしい者であるかを見極めて頂きます」

進行者がそう言うとザヴァラムが前に出てきた。

フラグ回収までが早かったぁ! !

イージスは心の中で叫んだ。

「我は覇王龍改め、 覇神龍となった覇龍族の王……ザヴァラムである! また、 我は至高なる聖神国 メゾロクスの王、 聖剣王 イージス様の守護者である! ! 」

その紹介をやめてくれぇ~~~! ! !

ザヴァラムの自己紹介を聞いた十二天星騎士団以外の騎士達はざわついた。

「何と……今回はあのザヴァラム様が直々に来て下さったというのか……! 」

「それにイージス様の守護者というのは……」

他の国の王達もざわついていた。

目立つ目立つ! !

すると会場のざわつきを余所に儀式が行われた。

「それでは……じっくりと見させてもらおうか……」

続く……


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