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クラスで存在感が薄い少年の勇者記録  作者: 神﨑 翔
序章
9/18

パーフェクトポーションが捨てられてた理由

え? 今日テストで休みじゃないかって?


テストありましたよ。1,2年生のテストがね。3年生は来週だってさ。塾の先生が素で私の学年勘違いしてた結果です。


なので来週は今度こそ投稿は休みです。今後も応援、誤字報告、コメント等よろしくお願いします。

奴隷契約するための部屋に着き、準備の手伝いを買って出ながら詳しい奴隷に関する知識を教えてもらう。


上位契約は、主からの命令は嫌でも体が勝手に動き、反抗すると脳へ酷い嫌悪感に全身への激痛が電気信号で送られ、主への服従の言葉を洗脳気味に脳へと流し込み伝える。


そうやって、反抗心を削っていき、主に従順にされていく。なので彼女たちもそうやって壊されていったのだろう。


それを聞いて、何処まで奴隷への人権が無いのか良くわかった。


日本人としては色々と思う所があったが、郷に入っては郷に従うべきだと自分に言い聞かせながら奴隷契約の準備を着々と進める。


その間彼女たちは虚無を見つめながら動かない。俺が視界に入ると僅かに目が追っているぐらいだ。


ちなみに彼女たちの今に至るまでの話も聞いた。


二人とも周りとは違う理由で幼少期に奴隷として売り飛ばされ、それ以来常に一緒だったらしい。


エルフの子は煌色の目が禍々しく呪いではないか? 厄災を呼ぶのでは? と忌み子の扱いをされ6歳くらいの時奴隷にされた。


獣人の方は獣人族の社会が実力主義(戦闘)で、6歳までに試練をクリアできなかったら無能として奴隷にされるらしい。しかし、その制度で奴隷になったのは指で数えれる程らしい。


前者はなんか日本人として傷つくし、後者はスキル見る限りその可能性あり得ないと思うんだか。


「ミカ様、契約の準備が整いました。こちらの席にお座り下さい」


おっ、準備はこれで終わりか。そう思いながら俺は言われた通り席に座る。


スベラリアは、ペタペタと彼女たちの背中に何かの模様を描いている。あれも魔法陣の一つなのだろうか?


その後彼女は奴隷二人に首輪を付けて手を付き出すように命じた。


二人はまるで操り人形のように滑らかな動作で手を付き出す。


「ミカ様、手を彼女たちの手の上にかざしてもらえますでしょうか。貴方様の血を一滴手に垂らせばそれで契約は完了でございます」

『了解した』


俺は彼女たちの手の上に手をかざし、針で手の平に傷を付けて血を垂らす。


すると、彼女たちの背中から触手のようにウニョウニョと大量に伸びてきて、俺の手にまとわりついて来た。


え? これ大丈夫なの? 何かに触れられてる感触は無いけど色が禍々しくて不安なんだけど。


数秒して、その触手が俺の手の中に入った? 感じで消えていき、俺の右手の甲にどこぞのfg○のマスターの令呪みたいなのが黒く浮かび上がった。


「それが奴隷契約の証でございます。契約を破棄する際は買った値段分払って貰います。なので返すから返金してよとかはございません。それと言い忘れておりましたが彼女たちは扱いとしては性奴隷ですがまだ処女でございますが故にそれを破ってからの破棄は更に高額の金を払って貰います」

『分かった。それじゃあお前ら、これから宿に行くから付いてこい』


そう言って俺は出口へ向かう。エルフは松葉杖みたいなのをついて歩いていて、獣人の子はそれを助けながら歩いている。


それを見て俺はこの二人は奴隷にされた時から常に一緒だったからなのかなと思いながら、彼女たちのペースに合わせ、剣の匙と書かれた看板を見つけ、そこの宿へ入る。


中は良くドラク○で見かける木造りの宿屋の感じだ。受付の場所には婆さんが立っていた。


「おや? 貴方たちが姫様の言っていた人たちかい? 宿代一月分は貰ってるから案内するよ」

『そうなんですね。じゃあこれから世話になりますね』


婆さんに俺たちはついて行き部屋の前に着くと、部屋の鍵を渡され、朝食と夕食は希望したら毎日出してくれることと、部屋のモノが盗まれても責任は負わないなどの説明を受けた。ちなみに全部屋防音機能があるとも言われた。


そういや婆さん彼女たちの見た目とか何も言わなかったな。まぁいいや。どう思われようが俺たちの行動に支障が出なければ問題無い。


そう思い、婆さんが受付へ戻って行くのを見送って、部屋の中に入る。部屋はキレイで、風呂とトイレ(和式)が着いたホテルでも見かける部屋構成だった。


とりあえず俺は彼女たちをベッドに座らせる。ベッドはちょうど3人が寝れるくらいの広さだ。それに枕3つあるしね。


ここに着くまで彼女たちは何も喋らないし、命令も返事はしないがその通り動くまさに操り人形のようだった。


彼女たちはベッドに座るとずっと死んだ目で俺を見つめている。きっと次の俺の命令を待っているのだろう。


俺は空間魔法からパーフェクトポーションを2本取り出して彼女たちに飲むように命じる。


捨てられたやつだし、こういう時に使うべきでしょ。


彼女たちは特に躊躇わずポーションを飲む。


すると、彼女たちの身体(主に傷口や欠損部位)から煙がシュワシュワと音を立てながら出てきた。


そして傷口はキレイに塞がり、欠損部位もゆっくりとだが再生されていく。


煙が消えた後、彼女たちのステータスを魔道具で見ると、怪我や欠損の状態は消えており、精神崩壊も隣に弱と追記された状態になっていた。


彼女たちもまだ目は死んでいるが、「え? う……そ……」と声を漏らして涙を流している。


うんうん。あのごみ捨て場でポーション見つけれて良かった良かった。こんなに効き目がいいのに捨てるとかどんだけこのポーションより上位のヤツ持ってるんだって話ですよ。


そんな事を思っていると、急に彼女たちがベッドから降りて頭を床に擦りつけ土下座をした。


「身体を治して頂きありがとうございます。」

「このご恩はこの命と身体で返して見せますので、どうか捨てないで下さい」


お……おう。流石の俺も美女二人に土下座され、しかも身体を好きにして良いとか日本じゃ有り得ない体験に困惑せざるをえない。


『そうか、それじゃあこれからお前らを好きに使わ「「グギュルルルルル」」てもら……ん?』


その音と共に彼女たちはお腹を抑え、顔が青ざめていく。


そこで、俺は理解した。あのポーションもしかして消費期限があって切れてたから捨てられてた!?


彼女たちが何か訴えようと口をパクパクさせているのを見て、命令を望んでいるのを理解して素早くトイレに駆け込む事を許可する。


彼女たちはトイレが一つしかないが、和式と言っても、バケツとかで水を流すときにある程度飛び散ってもいい様にか、2人同時にできる大きさだったので半々で分け合ってやっていると思う。


カーテン的なので仕切られているから音だけが聞こえるので憶測になるけどな。


何も考えるな。耳を塞げ俺。塞いでも実際聞こえる量はあんまり減った気はしないがそれでもしとくのだ俺。この後、彼女たちの精神が回復していって過去話をする時にこの話題が上がったら……ここで俺は考えるのを止め、音が止むのを待ち続けた。


ここ防音機能があって良かった……ホントに良かった。

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