異世界の奴隷
やっとヒロイン登場ですよ……そして来週またテストですよ!
何なんだよ! ゆっくりと打筆させてくれ〜〜! 受験生てこんなに大変なんだね。 来週また投稿休む事になります。ホントに申し訳ございません!
「すいま……ん……起きてくだ……い」
ん……何か声が聞こえるな。
眠いから後3分は……いや、3日は寝させてくれ。チョロイン姫。
「長すぎですよ! そしてチョロインってなんですか!? 少なくとも良い意味でないのはわかりますけど! って、起きて下さいよ! 約束の時間ですよ!」
姫様のツッコミに起こされた俺は目を擦りながら姫様の話を聞く。
一先ず奴隷を買うためのお金金貨20枚と戦闘用や日用品の為に金貨30枚の計50枚貰った。
勿論この世界の通貨の価値も聞いた。
鉄貨10円
銅貨100円
銀貨1000円
金貨1万円
最後に白金貨1000万円
白金貨は殆どは国との取引にしか使わないらしい。
奴隷は1人辺り金貨10枚なので2人買って安定したパーティーを組むようにと言われた。
その後は姫様に城からの抜け道と奴隷店への地図を貰った。見た所手描きだが、凄く分かりやすい。
姫様って能力は高いんだな。能力は。
「先に言っときますけど筒抜けですからね」
ハハ、バレてましたよ。
怒った姫様が俺に対して軽くポコスカ殴る。殴る度に大きくは無いが小さくもない胸と首に掛けているアクセサリーが揺れる。
『なぁ姫様。その首に掛けてるものは魔道具だったりするのか?』
「あ、これですか? これは亡くなったお祖母様の形見で指輪なのですが、私の指には大きすぎで落ちてしまうので首飾りにしたのです」
そう言ってコチラに指輪を見やすいように持ち上げながら教えてくれた。
指輪はルビーかな? この世界でも同じ様に言うか分からないが小さい赤い宝石が月明かりに照らされて輝いている。
『そうか、なんか聞いて……悪かったよ。それじゃあ俺は行ってくる。ちなみに宿屋はオススメあるか?』
「別に構いませんよ。それと宿ならギルド近くにある剣の匙がオススメですよ。それではお気をつけて」
俺はその声に背を向けながら城を抜けて奴隷店に向かう。
距離はそこまで遠く無いので数分で着いた。店の通常営業時間は終わっているが、姫様が話を通してくれていて、裏口に待機している奴隷店の店員に姫様から教えて貰った合言葉で中に入れてもらう。
中は石造りになっていて床は……大理石ってやつでいいのかな?それが敷き詰められている。
「ようこそお出で下さりありがとうございます。 私はこの店の店長のスベラリアと申します。姫様から特別な客としか教えて頂けてないので、秘密にしていると伝えろと言われております。それと、何を秘密にしておられるかは知りませんが聞くつもりも探りもしないのでご安心下さい」
そう言って執事みたいな人がモノクルを触りながら頭を下げて説明する。
執事みたいと言われて殆どの人は男と思うが彼女は女性である。
『出迎えありがとう。早速だが奴隷を見せてくれないか? 予算は1人金貨10枚の二人分買うつもりだ』
「畏まりました。 ちなみに戦闘奴隷、性奴隷、犯罪奴隷、借金奴隷の種類がありますがどれを御志望でしょうか?」
ふむ、奴隷でも結構な種類があるんだな。
『冒険者として使うから、戦闘ができる奴隷を頼む。後、犯罪奴隷だけは省いてくれ。そういう奴は奴隷でも信用できない』
「では、戦闘できる奴隷を連れて参りますのでここでお待ち下さい」
『姫様から鑑定の魔道具を借りているから自分の目で見たい。俺の戦闘スタイルとかみ合う奴隷がいいからな』
ちなみに借りたのではなく盗んだのはナイショである。いつになったら気づくかなクスクス。
「そうですか。では私に付いてきて下さい。戦闘奴隷からお見せ致します」
『了解』
俺はスベラリアに案内され、戦闘奴隷を見て、1人1人見ていく。特に女性が良いとかは無いので男も見ていくが、どれもピンとこない。
『そういや聞いてなかったが奴隷は何処まで主を裏切る事ができる?』
「裏切るというよりは命令に背く、正確には背こうとした瞬間に脳に直接身体中に激痛を与える刺激を与えます。逃げる場合は主が許可した距離より離れた瞬間主の側に転移させられます」
『なる程。じゃあギルドの依頼を受けてる時に後ろから……とかの心配はないんだな』
「はい。ただし、痛みが走るだけで行動を完全に止めるものではないので止めたければ更に上位の奴隷契約である必要があります。今回は姫様の命令でもあるので契約は上位のモノに致しますのでご安心を」
『そうか。姫様に感謝しとくか』
そう話してる内に部屋の壁に行き着く。
『ここで戦闘奴隷は終わりか……。質問だが他の奴隷にも鑑定を掛けているか? いないのなら掘り出しモノを期待するが』
「ありにはありますけど、部分欠損や精神的な病を持ったのが集まった奴隷だけですがね」
『別に構わない。見るだけ見て駄目だったらこの戦闘奴隷から選ぶさ』
「わ、わかりました。こちらでございます」
別の部屋に案内され、檻にいる奴隷を1人ずつ見ていく。
部屋にある檻の数の半分くらい見た所で二人の奴隷に目が止まった。
鑑定結果
名前 なし
性別 女
種族 エルフ
状態 左手欠損 右足欠損 右目喪失 精神疲弊 奴隷
スキル 《痛覚耐性Lv8》《精神苦痛耐性Lv7》《並列思考Lv3》
《風神魔法Lv2》《回復魔法Lv1》《水魔法Lv1》
《弓術Lv3》《短剣術Lv2》《千里眼》《跳弾》
鑑定結果
名前 なし
性別 女
種族 白狼族
状態 左耳喪失 触覚自衛遮断 精神疲弊 奴隷
スキル 《疑似痛覚無効》《精神苦痛耐性Lv9》《予知Lv2》
《見切りLv3》《身体能力強化魔法Lv3》《剣術Lv1》
《武闘術Lv2》《付与》《狂化》
なんだ? 風神に無魔法ではなく身体能力強化魔法? よく分からないが、強そうだし前衛と後衛に分けられるしこの二人でいいか。
エルフは金髪の煌色の目をしていて、身体つきは普通にボン、キュ、ボンであるが、身体中傷だらけで正直目をそらしたいほどだ。
白狼族は、銀髪のロングストレートヘアーで、碧色の目でこちらは生傷の数がエルフのやつより多い。身体つきは胸は……大きくも小さくもないって感じだ。後はエルフのと同じくらいだな。
二人とも目は死んだ魚のようで、こちらを見つめているだけで特に動かず、二人で寄り添いあった状態で座っている。
今回は戦闘の為の奴隷を買いに来てるので特に性的利用をするつもりは一切無い。てか、それで戦闘に支障をきたしたら大問題だしな。
『よし、このエルフと白狼族の女を買う。いくらだ?』
「こ、この二人ですか? ハッキリ言って欠損等で使いモノになりませんよ?」
『大丈夫だ。後で姫様にパーフェクトポーションをたかりに行くから』
「さ、左様ですか。こちらはどちらも金貨5枚でございます」
『わかった。これでいいか?』
俺は袋から金貨を言われた数取り出す。
「はい! ちょうどでございます。では奴隷契約をしますね。専用の部屋までご案内します」
スベラリアはエルフと白狼族の女の入った檻を片手で持ち上げて案内をし始め……え? 片手? 片手で成人してるくらいの女二人入った鉄の檻持ってるの? やばくない?
俺は異世界ってそんなもんだよね。うん。と1人で結論づけて付いてく。
その間奴隷の二人は特に反応もせず、ただただ俺を死んだ目で見ているだけだった。