表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスで存在感が薄い少年の勇者記録  作者: 神﨑 翔
序章
6/18

部屋の探索に投獄

目が覚めるとそこには見覚えの無い天井が……ってそりゃそうか。そもそもここ異世界ですし。


『ふぁ〜、おっとっと。危なかった……』


体を起こそうとしたら、ベッドが傾いている事を忘れていたせいで転げ落ちかけそうになるが、なんとか防ぐ。


落ちた音とかでバレる可能性もあるし気をつけないとな。


俺はゆっくりとベッドから降りて、改めてこの部屋を見渡す。


(相変わらず広い部屋だな……そういやこの部屋の明かりって天井に敷き詰めてある宝石みたいな奴か? 来たときは暗くて気づかなかったが、召喚された部屋のモノと似た類なのか?)


そんな事を考えながら俺はRPGでよく見る宝箱を見つける……え?なんでこんな所にあんの? 開けていいやつ? 開けるよ? 開けちゃうよ?


俺はこんなセキュリティーのセの字も無い場所にある奴だし、壊れた家具置き場だと思ってるので期待するのもお菓子な話だが、箱の見た目が激レアな奴が入ってそうな位豪華なのでテンションが上がって、その事を忘れている。


俺は何が入っているのかと、宝箱の前で屈み、宝箱を開ける。


中身はゲームとかでよく見かけるポーションみたいな見た目の瓶が敷き詰められる様に入っていた。2本程赤い液体が入ってるのがあり、それ以外は空だった。


おそらくポーションだろうと思い、その2本を手に取る。


そういや俺鑑定とかのスキル持って無かったな……。このポーションの効果がさっぱりわからん。確か定番なら凝視とかしたら手に入ったりしてたような……。


俺はさっそくポーションを凝視してみる。そこにはしかめっ面をした俺の顔が瓶のガラスに写り込んでいるだけだった。


『はぁ〜、やっぱ主人公補正とかそういうのは無いのか……』


2分程見つめて何も起こらなかったので、諦めてこの部屋に使えそうなモノが他にないかと、立ち上がろうとした時箱の中に折りたたまれた紙が入ってる事に気づく。


俺はなんとなくそれを手に取り紙を広げると、ポーションの名前と効果が書かれていた。


凝視していた2分間を返せよと思いながら、紙の内容を読む。


フムフム、このポーションはパーフェクトポーションと言い、死んでいないなら欠損部位や病を含め全て回復する……と。


ん……? なんでそんなモノがゴミ置き場みたいなココにあるんだ? もしかしてこれよりも性能の高い奴が当たり前の様にこの王城みたいなとこにあるのかもしれないな。


てかそれ以外にこんな性能してるのに捨てる理由は他に思いつかないしな。え〜と空間魔法でアイテムボックスみたいなのが出来るからそれでポーション2つを仕舞ってと。


俺は他に目ぼしいものが無いか探し始め、数分後石の山を見つけた。


石……というよりかは宝石に近いな。色は全部黒色だな。ココにあるって事は価値は低いのかな? ひとまず、この場所から逃亡する際に金は必要だしいくつか持っていくか。


とりあえず、この俺の背の高さ位の宝石を持っていくか。そう思い空間魔法で仕舞うと、急に体の力が抜けた感覚がし、倒れそうになる。


『おっと、確か大きさに比例して魔力を消費するっていう定番の内容のせいかな』


ステータスを確認すると残りの魔力は2割程しか残っていなかった。


魔力が回復する時間が分からないが結構掛かるだろうし今日もここで寝泊まりだな。


俺は眠くなるまでこの部屋を探索した。


探索の結果、食料が約2日分、武器(投擲ナイフのみ)が8本、暗殺者の俺にピッタシの黒のマントにローブを見つけた。魔力残量ギリギリだったが、それらも空間魔法で仕舞う。


探索中にまだ動いている置き時計が捨てられていたのでそれをベッドの横に置いておく。時計は1時を指しており、多分昼過ぎの方だと思う。


俺は昼食をとり、お腹が膨れたせいか、魔力を使い過ぎたのか、眠くなってきたので昼寝をするためにベッドの上で横になり眠った。






どれほど時間が経ったのか分からないが、水が滴る音が聞こえる。俺はヨダレでも垂らしているのかと腕を持ち上げて口周りを触るが特に濡れてる感触は無かった。


それに腕を動かしてるとジャラジャラと鈍い音が鳴る。それになんか寝てる場所が硬い気がする。


ベッドで寝てたし夢の中かなと思いながら腕を下ろした瞬間ガンッ! と硬いものに腕が当たった音がした。


『うわっ!』


その音に驚き体を起こすとそこはには見覚えの無い天井が……ってあれ? ここって牢屋ですか? 目の前に鉄格子があるし、床にぶつけて痛む腕を見たら鎖に繋がれてるし、足にも同じのが付いてる……。


俺もしかして寝てる間に捕まった!? 確かにあの小屋に人が来ない保証なんてどこにも無かったけどさ、こんな事になるなんて誰が予測でき……いやできる範囲だな。うん。


ひとまず魔法は……使えるな。俺は手のひらの上に火を灯せた事を確認する。


この鎖がただの鉄なら水魔法で冷やした後に火魔法で一気に熱して壊せると思うけど……誰か来るな。足音が聞こえる。


俺は拷問でもされるのではと怯えてしまう。流石に今からでは鎖を壊すのは間に合わな……別に壊さなくても空間魔法で収納できるんじゃね?


試しにやってみたら出来たが、こちらに向かってくる相手が俺より格上の奴なら今脱走を図っても意味が無いので再び鎖を取り出し、腕と足に付ける。


まずは今からの事を乗り切らないとな。そう思い、足音の主人を待つ。


数秒後、俺の目の前に現れたのは昨日脅した姫様だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ