店の名前って濃いのあるよね?
姫様に教えて貰った服屋にまず向かう。
道中の周りの視線が気になったが、俺が極力視線から避けようとしたせいか、《視線誘導》のスキルを獲得することになった。
内容としては魔道具の鑑定結果としては、発動時に直視されてなければ、自分に向けられる視線をずらず事がでると書かれていた。
ざっくり言うならカゲロ○プ○ジェクトの団長さんの下位互換ってところかな?
けどこれでこの視線も減っ……てないね。これは奴隷二人への視線か。そうだよな。俺なんかに視線向ける価値ないもんな。
クラスでも視線を向けられる事なんて無かったしな……悲しくなるから忘れよう。
そんな事を考えていたら目的の服屋の看板が見えてきた店名は厚化粧って読めるんだけどケンカ売ってる感じするな……姫様の勧めた店だから大丈夫だと思いたいけど……。
そんな不安を覚えながら中に入ったが、中は木製の空間というのを省けばそこら辺のシマ○ラみたいな服屋と変わらない程の服が置いてあった。
「いらっしゃいませ! ミカ様ですね? 服は貴方様と後ろのお二人分で構わないでしょうか?」
『連絡されてるんだな。了解それで頼むよ』
「畏まりました。代金は姫様が持つそうなので金額は気にしなくても大丈夫です。装備の方にお金を極力まわすべきだと言われもしましたので」
店員さんが話しかけて此方の事を知ってるみたいなので、任せて見ることにする。
てか、姫様は太っ腹だな。ここまで支援してくれてるんだし、合うことが今後あったら協力はできるだけしてあげよう。
「冒険者になるということで動きやすい服と休日とする日用の2種類で構わないでしょうか?」
『休日用は俺たちで決めてもいいか? 自分の趣味に合う服を着たいからな』
「畏まりました。何か質問などが御座いましたら近くの店員に話しかけて下さい」
そう言って店員さんは俺たち冒険者用の服を選びに行ったので俺たちも選ぶ事にする。
『よし、お前ら自由に選べ。金は聞いた通り気にしなくてもいいからな』
「あの……ご主人様はこの国の姫様とお知り合いなのですか?」
『う〜ん、まぁ知り合いってレベルで特に仲が良いという訳ではないかな、てか姫様の名前とか知らないし』
「え!? 主様は名前も知らないのにスウハト姫様に支援を貰ってくれる程の仲なのですか!?」
『いや、仲はまだ良くないって。てか姫様の名前はスウハトね。了解覚えたぞ……多分』
「絶対に覚えて下さい! 不敬罪になる前に!」
そんな会話をしながら俺たちは服を選んでいく。二人も普通の女の子として生活する命令のおかげか特に遠慮なく服を選んでいるみたいだ。
数十分後には俺たちは私服を選び終ったので店員さんの服選びを待つことにしている。ちなみに俺は10分くらいで終わった。流石は女子。服のショッピングは長いですね。男も長い時は長いけどね。
待つことに3分、店員さんが服を持ってきてくれたので、この後冒険者になるためにギルドに行くので早速着替える事にする。
俺は黒を基調としたマント付きの服で暗殺者感があるので結構気に入った。
エルフの子の服は短剣用のダガーベルトの付いた白と黄緑を基調とした服になっていて何のかは伏せるが谷間が見えるタイプである。
獣人の子は手にグローブをはめて、茶色を基調とした服である。店員さん曰く、前線で戦うならば返り血で汚れやすいのでこの色にしたのだとか。
確かに血は変色して最終的には茶色みたいな色になるので考えられてるなと関心する。ちなみに此方の谷間は開いてはいない。
『普通にめちゃくちゃ良いセンスしてるぞ! ここに来て正解だった。看板の名前を見た時はとても不安だったんだがな』
「あの看板は初代の店長が賭け事に負けてああなったと聞いております」
店員さんが丁寧にあの看板の原因を教えてくれたが、何をやってるんだ初代店長……。
『とりあえず服を買ったから次は装備を買いに行くぞ』
「畏まりました。それならこの地図をどうぞ。最短で行ける道のりです」
『助かるよ。じゃあまた買うときはよろしくな』
「お待ちしております」
こうして俺たちは武器と防具を買いに移動を始める。服を着たときに二人は感嘆して「おー」しか言ってなかったが、楽しそうにしていたので何よりだ。
歩いて3分で目的の場所に付いたので店の中に入っていく。店名は普通に武器防具屋と書いていた。シンプル イズ ザ ベストとはこの事だろうな。
中には男装女子とムキムキのオカマが店員としていた……まじでこの店のキャラ強すぎない!? この店も恐らくとても良い所なんだろうけど何故か怖い。
「いらっしゃ〜い、フフ♡ 攻めと受け屋にようこそ!」
……へ? あれでそんな読み方するの? 確かにどこぞのアニソンでも戦闘服と書いてセーラー服と読みますけど、そんな濃い名前なんですね……。
『あ〜、俺たちに合った装備を頼むよ。ここにも俺らが来る連絡は来てるんだろ?』
「ああ、来てるぞ。既に武器もオススメなのを選んである」
男装の女の子がイケボで答えながらカウンターの上にその装備を並べていく。俺もイケボとか出して見たいけどそんなスキルとかないかな……いつか申請して作ってみるか。
「まず勇者様の装備は速度と攻撃を重視するとの事なので防具は軽めに、武器は短剣を2本、遠距離様に投げナイフを10本用意しました。エルフの方は弓と近接用のダガー、防具は一般の大きさですが……聞いたよりも胸囲がある為サイズの違うのを後から取ってきます。獣人の方のはフィストと呼ばれる武道家の為の装備一式を用意しております」
『ありがとう。ちなみに幾ら払えばいい?』
「実は姫様に全額貰っていて、これは貸しね?という伝言も貰っております」
『了解。ここまでされてたんだ。とことん姫様が困ったら協力することにするよ』
「では、旦那が防具を取りに行くまで少々お待ち下さい」
あ、夫婦なんですね。お幸せに。
そして装備も着込んだ俺たち夫婦に礼を言いながら冒険者になりにギルドに向かうのだった。
今後の報告として作者の受験勉強の為に3月まで投稿をお休みさせて頂きます。長い休みですが失踪とかではないのでご安心下さい。
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