4話 ダンジョン
よくわからない、ただとても堅いということだけは分かる謎の物質に囲まれた通路を進む人影1つ。俺だ。
作りはダンジョンによく似ているが、試練を思わせるような神々しさを感じる。
歩いてしばらくすると、道の先に1体のスライムが現れた。
「おー。これぞ異世界って感じだなー。モンスターとの初対戦か。」
そう、甘く見ていたのが間違いだったのだ。
ぞわっと背中を悪寒が走り、本能のままに左に跳ぶと、
目の前を閃光が通り抜け、地面が揺れた。
衝撃波に耐えきった俺が次に目を開けると、そこには、
壁にめり込んだスライムを中心に、巨大なクレーターが出来ていた。
「マジかよ、これをスライムが...。」
世界的に最弱と有名な魔物の暴挙に目をむいた俺だったが、スライムが再び攻撃態勢に入ったのを見て、慌てて長い道をひた走ることとなった。
分かれ道を幾度となく進み、脇目も振らずに逃げて逃げて、気づけばスライムの姿は見えなくなっていた。
「ふー。やっといなくなったか。しかし、スライム強すぎるだろ。あー、マジで焦ったー。」
そんなことを考えながら、歩くこと数時間。俺は重厚な大扉の前に立っていた。
扉前の大広間には無数の道が通っており、どの道を通ってもここにたどり着くのだと分かった。
「ここが最深部か?そういや、あのスライム以外はモンスターに出会ってないな。俺の運がよかったのか?」
実は俺の通った道以外の通路は全てゴブリンやオークなどのモンスターが蔓延っていたのだが、それはまだ知らぬ話だった。
このダンジョンは、スライムであんなに強かったのだから(この世界でもスライムが最弱なのかは分からないが)、この奥にいるであろうボスモンスターはどれだけ強いのだろう。
などと想像におののきつつある俺を尻目に、重厚な扉が音を立てて開き、挑戦者を迎い入れた。




