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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第四章 運命編
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58話「絡み始める運命」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ――――ある国の、羽田空港行きの飛行機。その飛行機に乗るのは、一般客。……それと、二人の悪魔――マサハス・ロンディーネと、その部下であるエオ・メナシアス。


 この二人は、悪魔だが人間に見えるように自身を偽装して、日本行きの飛行機に乗っている。と言っても、見た目はほぼ人間なので偽装は殆どしていないが。そしてこの二人は、無言のまま飛行機に乗り、目立たないようにしている。


 理由は一つで、勘付かれないようにするためである。日本の軍事機関だったり、アルヴァダ帝国のスパイ。その辺りに勘付かれると厄介なため、息を潜めているのだ。


 その行動の結果、二人は誰にも注目されること無く日本へ上陸する事が出来た。二人は日本へ上陸した後、日本にいる悪魔の元へと行った。


 その悪魔は、日本で情報集めをしている若い悪魔。年は、まだ150歳にも満たない。マサハスとエオの二人は、その悪魔の元で寝泊まりをしながら、選定を突破した者を観察する事に決めたのだった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 今現在、夏休みが始まってから一週間が経過した。夏休みは約一ヶ月――四週間程度なので、残りは約三週間である。


 残りの三週間は、することが無い。故に、特訓でもして時間を潰そうかなと考えている。……まぁ、そんなことをしていたら凜姉から何かに誘われると思うけど。それは置いておいて、今日はオリケルスの家に行く。


 オリケルスの曲刀を調べるのと、特訓の為だ。


 そして数分で準備を終え、オリケルスの家に向かうため家を出ようとするが――。


「來くん、また何処か行くの?」


 ――後ろから凜姉に話しかけられた。無視するわけにもいかないので、俺は凜姉の方を見る。凜姉は、いつも通りの家に居るときの格好である。


「……ああ。行ってくる」


 それだけ言って、俺は家を出て行った。最後に見えた凜姉の顔は、何かを考えているような顔だった。だが、家を出て行くときに「いってらっしゃい」と聞こえたので、不機嫌にはなっていないだろう。


 家を出て鍵を閉めてから、気配を消してオリケルスの家へと行く。


 そうして十数分たった後、オリケルスの家に着いた。着いた後は、鍵を開けて家の中に入る。入った後は、鍵を閉めてこの家を見て回る。……一応、この家を持つことになったからな。家の構造は把握しておきたい。


 ……ついでに、この家に電気と水とガスが通っているのかも気になる。何やかんやでこの場所に約三ヶ月間通い続けていたが、そう言うものを一度も見たことが無かった。


(……この家、電気と水とガスは通っていないのか?)


 それだと、この家は形だけの家になる。……でも、あの和室には電灯は付いていたし……電気は、通っているかもな。……他は知らんが。


 そうして十数分、俺はオリケルスの家を探索した――――。




 ――――結論から言うと、電気は通っていた。……これはまぁ、各部屋に電灯があったから当然だろう。


 次は、水。これは、通っていた。……ただ、山の水がそのまま水道に繋がっているだけだが。これでも、無いよりは大分マシだろう。……最も、トイレが流れないため面倒だが。そのため、トイレは我慢するか外でする必要がある。……どうやって生活していたんだ?


 最後に、ガス。……通っていなかった。まぁ、予想はしていた。ガスが通っている管とガスを使う機械が見当たらなかった。火が使えない状況で、どうやって料理をしていたのだろうか。ガスコンロを使えば可能だが……。


 ついでに、寝室はあった。襖の棚の中に布団があり、それを引いて寝るのだろう。……まぁ、オリケルスの家についてはこれ位か。


 今回オリケルスの家に来た目的は、オリケルスの家にあった曲刀の調査だ。この曲刀がどういう構造をしているのかを見るのが主な目的だ。


 そして、俺はあの和室へと行き、その和室に置いてある曲刀二つを手に取る。


 ……暑いな。今の季節は絶賛夏。勿論オリケルスの家に冷房など無いので、部屋の気温の操作は能力でするしか無い。俺は今まで再現した能力の中で冷気を操る操作系の能力を使い、部屋の気温を操作する。そして、気温を下げ涼しくする。


 適当に気温を下げたところで、再び曲刀の調査をする。ただ普通に調査するのでは無く、能力をフルに使って調査する。


 と言っても、一度に能力は三つしか使えないので、あまり効率は良くないが。ちなみに、この三つしか能力を使えないというのは、今まで万物具現化の眼リアライゼーション・アイで再現した能力にも適用される。要するに、再現した能力を三つ同時に使うと、他の能力は使えないのだ。そして、その逆も同じである。


 ちなみに、二つだけ再現した能力を使うと、他の能力は一つだけしか使えない。一つだと二つだ。……試したことは無いが、多分そうなるだろう。

 ついでに言うと、再現した能力は最大限の力を発揮出来ないという弱点もある。……万物具現化の眼リアライゼーション・アイは、便利そうで結構不便なのだ。


 そして、同時に四つ以上使うとどうなるのか。これは使ったことが無いからわからないが、前に同時に四つ以上使おうとしたときに……腹の底から悪寒が生じた。それと同時に使用を止めたが……止めていなかったら、どうなっていたかはわからない。


 ……まぁ、万物具現化の眼リアライゼーション・アイについてはこれ位だ。……今は、オリケルスの曲刀の調査だ。


 能力を使い調査して、いろいろわかったことがある。


(……この曲刀、随分前から使われている。それに、手入れが良くされていて上質だ)


 そう、オリケルスの曲刀は、俺が持つ銃剣よりも上質なものだった。しかも年季が入っていて、魔力の通りも良い。その上、刃毀れなどが一切無い。


 装飾も戦闘には支障が出ない最低限にされていて、それもこの曲刀に合っている。


 今日は大きめのバッグを持って来たので、それにこの曲刀を入れて持って帰ろうと思う。……まぁ、今すぐ帰る……というわけでは無いが。今日は特訓も兼ねているので、少し休憩した後に特訓を開始する。


 曲刀を大きめのバッグに入れ、俺は休憩を始めた――――。




 ――――約五分後、俺は休憩を終えて家の外に出た。


 そして、今から特訓を始めるわけだが……。


(オリケルスが居たときは、ひたすら模擬戦をしていた。……だがオリケルスが居ない今、それは出来ない。代役を考えるという手もあるが……そもそも、本気の俺についてこれる人が思い浮かばない。……さて、どうしようか)


 ――要するに、何をしようか思い浮かばないのだ。


 俺はオリケルスが居た頃は、ずっと殺し以外何でもありの模擬戦で特訓をしていた。指導……というものはあったが、戦闘中に大声で教えられるのが殆どだった。そして、俺はその指導法についてこれた。


 これが意味することは、他の特訓は必要無いと言うこと。つまり、俺は三ヶ月間ずっとオリケルスと戦い続けていたと言うことだ。昨日、その戦い続けていたオリケルスは亡くなっている。


 ……どう特訓すればいいのか、わからないのだ。


 三ヶ月前は、能力を使い続けるとか剣を振るとかいろいろしていた。


 ……多分、三ヶ月前と同じ事をすれば良いと思うんだが――。


(それじゃ足りないな……)


 ――この約三ヶ月間で、俺は模擬戦での特訓が癖になっていた。


 とは言っても、本気の俺――つまり、全ての能力と手段を使った状態の俺についてこれる者は、一人も思い浮かばない。


(仕方無い、普通に特訓するか……)


 そう考え、俺は剣を振る等の特訓を始めた――――。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 日本の、東京。その中の、隅っこの奥の一軒家。二階建てで、目立たない配色の家。その家の中にいるのは、マサハスとエオ。そして、情報集めをしている悪魔――ジョン・レガド。この三人だった。


 この三人は、一つの部屋に集まり、床の畳に座って話をしていた。話している内容は、()()の事。500年前に選定を開始してから一人も突破者が現れなかった中で、突如現れた一度目と二度目の選定を突破した者。


 三人はその者――結月來貴に興味を持っていて、來貴の情報を集めているのだ。マサハスにとってそれは、自身の目的の達成を意味する。


「……それで、選定を突破した者――結月來貴の情報は得られたか?」


 マサハスがジョンに問う。ジョンは、持っている大きめの封筒をマサハスに差し出す。


「この書類に纏めてあります」


 ジョンのその言葉を聞き、マサハスは無言で書類を受け取る。そして、エオと一緒に書類を見始めた――。


名前:結月來貴


 ――だが、書類に書いてあるのは、名前だけだった。


「これだけですか? ……他には、なかったのです?」


 エオは驚愕が混じった声で、ジョンに問う。そしてジョンは、力無く頷きながらこう言った。


「……その者の情報は、厳重に統制されていまして。……得られた情報は、名前のみでした」


 ジョンのその言葉に、マサハスとエオは驚きながらも表情には出さず、警戒を持ちつつ書類上の結月來貴という名前を見る。名前は、事前に知っていた。しかし、それ以上の情報は持っていなかったため、それ以外の情報を得られるかをジョンに頼んでいたのだ。


「……お前ほどの諜報能力を持つ者が、名前しか情報を得られなかったのだろう? だとしたら、その者は()()()()()()()()のかもしれんな」


 マサハスはニヤリとしながらも、警戒心を抱いていた。エオはその事に気付いていたが、自身もまた同じ状態なので何も言わなかった。


「……それだとしたら、たまったものじゃありませんけどね」


 ジョンが肩を竦めながらぼやく。そしてそう言った意味を、マサハスとエオは理解していた。


 ジョンは、大概の情報は集められる。


 ――それが、軍事機関で機密とされている情報でも。どんな厳しいセキュリティでも、ジョンは破って情報を得て見せた。現地調査でも警備を破ることは容易く、国のトップシークレットで厳重に統制されている情報以外は入手出来るのだ。


「……その結月來貴という者は、このニッポンのトップシークレットなのかもしれませんね」


 冗談のつもりでエオが言うと、マサハスは「その可能性が高い」と返した。戸惑っているエオとジョンを余所に、マサハスは言葉を続ける。


「ドルナイトがアレをやっていたのは、確かニッポンだった気がする。……その者は、そうなのかもしれないな。……そして、ニッポンには知っている者がいる。故に、結月來貴はトップシークレットなのだろう。そうだと仮定すれば……名前だけでも情報を得られたのは上々か。よくやった、ジョン」


 マサハスが労いの言葉を掛けると、ジョンは礼をする。マサハスは頭を上げさせ、エオと話をする。


「……エオ、どうするか? 結月來貴を探すか……」

「……他にする事があるのですか?」


 そうマサハスが言いかけたところ、エオが遮って言う。


 マサハスは「それもそうだな」と言い、床から立ち上がる。そして、エオとジョンに向かい命令を下す。


「エオはジョンの家で待機。ジョンもここで待機だ。何かあったら連絡をしてくれ」

「……マサハス様、一人で行くのですか?」


 エオがマサハスに問う。ジョンも、マサハスが一人で行くことに心配しているようだ。


「ああ。エオ、ジョン、オレを誰だと思っている?」


 マサハスの問いかけに、エオとジョンは苦笑を浮かべる。そして、エオがこう言った。


「……"最強の悪魔"の一人、ですね」


 エオの回答に満足したのか、マサハスは微笑を浮かべる。その後、通信機をエオに渡して家の玄関へと行く。その背中には、見送りのためエオとジョンがついてきている。


「いってくる」


 マサハスの言葉に、エオとジョンは敬礼をしながら言った。


「「いってらっしゃいませ、マサハス様」」


 その完璧な敬礼に、マサハスはエオとジョンの方を向かずに手を振り返してジョンの家を出て行った。


 ――運命が動き出す時は、近い――――。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 ――俺が特訓を始めて、数時間が経った。今の時刻は15時であり、とっくに昼を過ぎていておやつの時間だ。


 ちなみに俺は、まだ昼飯を食べていない。オリケルスの家に食材は無かったが、フライパン等はあった。……ついでに、ガスコンロ等もあった。恐らく、食材が切れていたのだろう。


 先程再現したタオルで顔と身体の汗を拭いて、冷気を操る能力で涼んでから食材の買い物に行く。金は……まぁ、オリケルスの家にあった金を使う。なんか遺産が大量にあって、その隣に『全て結月來貴に譲る』と書いてあった。


 ……とは言っても、俺自身が大量に金を持っているため、使い道が思い浮かばない。故に、この買い物に使う事にしたのだ。


 俺は、一旦オリケルスの家の中に戻る。そして、持っていた銃剣を置き、代わりに金と中から曲刀を取り出した大きめのバッグを持つ。


 それらを確認した後、俺はオリケルスの家を出て街のスーパーへと買い物へ行った。


 ――そうして十数分後、街のスーパーへと着いた。何を作るかはもう決めているので、さっさと見つけてさっさと買いに行く。


 いろいろとって十数分後、俺はレジに並んでいた。一番人数が少ないところに並んだので、すぐに終わるだろう。


 ……数分後、買い終わり大きめのバッグに買ったものを詰めていた。食材の他に調味料も混ぜていたため、少し多くなった。とりあえず、オリケルスの家に戻るか。


 ――そして、俺はオリケルスの家へ戻った。


 オリケルスの家に戻った俺は、早速料理に取り掛かる。


 今回作るのは、冷やし中華。今は夏なので、冷えたものが食べたいのだ。食材は揃っているので、さっさと作っていこう――――。




 ――――数十分後、作り終えた。作り終えたので、食べていこうと思う。


「……いただきます」


 合掌をしてから、この家にあった箸を手に取り食べ始める。味は……まぁ、おいしかった。


 十数分後に食べ終わり、食器を洗う。


 その後は、家に帰ることにした。家には、歩いて帰った。

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