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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第三章 学科対抗戦編
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48話「決勝戦・前編」

 ――――そして。一日経ち、決勝戦の日となった。琉愛はもう学校へ行き、俺ももう行くところである。いつもなら、琉愛より速く俺が出るのだが……昨日、銃剣の改造に少し時間を掛けてしまい、寝坊してしまったのだ。ちなみに、更に改造した銃剣に新しい機能など無い。精々、前より性能が上がっただけだ。


 一旦置いておいて、俺は学校へ行くことにした。凜姉は、後から親父達と一緒に行くらしい。なので、一人で学校へ行っている。


 そして十数分後、俺は学校に着いた。学校に着いた後、第一戦闘場へ行く。もうすぐ決勝戦が始まるので、少し急いで行かねばならなくなったのだ。


 俺は、学校内を歩き第一戦闘場に着いた。その後、中の待機場所へと行く。そこでは、頬を膨らませた瞬華先輩と、その他の人――執行科(エンフォースメント)一チームのメンバー全員がいた。


「遅いよ、來貴君! もうちょっと遅れてたら、危なかったよ?」


 瞬華先輩がそう言いながら、俺の手を引っ張り待機所へと連れて行く。

 そして、瞬華先輩は「全員揃ったから」と言って、一カ所に全員を集めた。集めた後の数秒は、全員黙っていて重々しい空気になっていた。瞬華先輩は、しばらく目を閉じ……数秒後、口を開きこう言った。


「今日の決勝戦……彩月達が相手だよ。でも、やることは変わらない……勝つよ」


 瞬華先輩の言葉に、俺含め執行科(エンフォースメント)一チーム全員が頷く。


「さぁ! いよいよ学科対抗戦最後の試合、決勝戦です! まずは先鋒戦! 両チームの先鋒はこちらへ準備して出てきて下さい」


 ……どうやら、もう決勝戦が始まるようだ。俺は銃剣を腰に差し、瞬華先輩達の声援を背中に受けながら待機場所を出た――――。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ――――そして。


 両チームの先鋒は、待機場所を出て向かい合っていた。執行科(エンフォースメント)一チーム側の先鋒は、來貴。執行科(エンフォースメント)二チーム側の先鋒は、白凪である。


「両選手の準備が出来たようですので、審判の荒川先生お願いします」


 刀華の言葉により、審判の怜次が開戦の合図をする。


 ……学科対抗戦の、決勝戦。始まるは、結月來貴対白凪鉤人の先鋒戦である。怜次が、開戦の言葉を言うとき、戦いは――――。


「それでは、始め!」


 ――――始まった。

 その瞬間、白凪は地面を隆起させ來貴を圧迫する。來貴は、落ち着いてその地面を見て、跳躍。來貴が最高点に達したとき、地面は來貴を追い空中に追従する。來貴は、空中に魔力の足場を形成し、空中を縦横無尽に掛けながら躱し続ける。そんな來貴の様子を見つつ、白凪は次の手を打つ。


「――魔壁竜(まへきりゅう)


 白凪は、なんと操っている壁に魔力を纏わせ、竜のような形に変え操る。來貴は、器用だなと思いつつも、どうするかを考える。


(……ヤバいな、アレ。当たったら間違いなく重傷になるだろうな。とりあえず……斬るか)


 來貴はそうした方が一番早いと考え、左腰のヴァルブラドに手を掛ける。そして、一閃。


ドゴォンッ!


 瞬間、壁の竜が真っ二つに斬れ、白凪の方に崩れ落ちる。白凪は、冷静に能力を使い壁を対処し、來貴に接近する。來貴もそれに気付き、両手でヴァルブラドを持つ。


 そして、数秒後。二つの剣が火花を散らしながらぶつかり合い、激しい剣戟が繰り広げられる。それは何回も続き、だんだんと白凪と押され始めた。


 白凪は、この状況で、勝つための一手を考える。


(恐らく、このまま行けば負けるだろうな……俺より、結月の方が力も強い。それに、アイツはまだ能力を使っていない。さて、どうするかな……このまま魔力と能力を使った戦いもいいが、それだと魔力切れで負けるだろう。だったら、どうすべきか……まぁ、答えは一つか)


 そこで、白凪は思考を止める。いろいろ考えるよりも、全力を出して倒す方がいいと思ったからだ。


 ――そして、白凪は魔力を放出し、身体と剣に纏わせる。そして『物質支配(マテリアル・ルーラー)』を使い、地面を使った加速をする。その状態で來貴を攻撃するが、殆ど攻撃は当たらない。地力が違うためだろう。


 対して來貴は、能力ともう一つの銃剣も使わず、両手で持ったヴァルブラドだけで白凪をあしらっていた。だが、段々余裕が無くなってきている。


(……白凪が思っていた以上に強いな。能力を使わずやっているが……魔力を使うか?)


 來貴は、技術で白凪の剣を受け流していた。だが、それだと反撃が出来ず、身体能力の差で押され始めていた。故に、魔力を使い身体強化をしようか考えていたのだ。数瞬の思考の中、來貴はすることを選んだ。


 そして、來貴の身体に黒銀の魔力が纏われる。同時に、ヴァルブラドの魔力刃の黒銀も、更に濃くなる。それを見て、白凪は気を引き締める。來貴の猛攻が来ると判断したからだ。


 白凪の予想通り、その後は來貴の猛攻が来た。先程よりも速い速度と高い威力で、來貴は白凪に斬りかかる。白凪はなんとか防いでいるが、次第に余裕が無くなっていく。近距離戦では來貴の方に分があるので、白凪は距離を詰めたことを少し後悔している。


「――土粒壁(どりゅうへき)


 ――ならば、距離を離せば良いだけのこと。白凪は、來貴が離れる一瞬を突き、技を使って距離を無理矢理離した。地面を隆起させ、前面を押しだし距離を取る。來貴は、白凪から離れざるを得なくなった。


 その後、來貴は白凪から距離を取り、自身に向かって飛んでくる壁を躱し続けた。來貴の表情には余裕が残っていて、逆に白凪の方には余裕が無くなっていた。度重なる能力の使用により、魔力が少なくなってきたのだ。


 來貴はそれに気付き、もう一つの銃剣――ヴォルガンを抜き二刀流で壁を切り裂く。そして、白凪に接近し斬りかかる。


 白凪は反応が遅れつつも、剣で來貴に応戦する。……だが、來貴が有利なのは明白な事だった。來貴は白凪の剣を打ち払い、左足で白凪の顎を蹴り上げる。それにより、白凪は気絶した。


「そこまで! 勝者、結月來貴!」


 決勝戦、始めの先鋒戦。この勝負は、來貴の勝利に終わった。來貴は、白凪の方には目を向けず、二振りの銃剣を仕舞い待機場所へと戻っていった。


 待機場所へ戻った來貴は、瞬華達に見事だと言われていた。当の來貴は、気にしないでいた。


「次は次鋒戦! 両チームの次鋒の人は、準備してこちらへ来て下さい」


 刀華の言葉を聞き、明城は準備をして待機場所から出た。その後、日鏡も待機場所から出て、明城と対峙する。


「両選手の準備が出来たようですので、審判の荒川先生お願いします」


 執行科(エンフォースメント)一チームの次鋒は、明城。執行科(エンフォースメント)二チームの次鋒は、日鏡である。そして、怜次の合図により、次鋒戦が――――。


「それでは、始め!」


 ――――始まった。その瞬間、日鏡は能力で光を放つ。その光は、明城の方に軌跡を描いていく。だが、それを読んだ明城に躱される。


 その後、明城は日鏡に接近し、予め持っていた拳銃を発砲する。放たれた銃弾は、日鏡の方に迫っていくが、その方向に日鏡は居ない。日鏡は、光の屈折を操り明城の目を欺いたのだ。今、日鏡は明城の後ろにいる。そして、日鏡は再び光を放つ。


 直線上に放たれた光は、反応出来ないでいた明城に命中する。


「くっ……」


 明城は、苦悶の声を上げながら、接近してきた日鏡から距離を取り左手に拳銃を創成し、両手に拳銃を持ち発砲する。

 日鏡は、薄黄色の魔力を纏い銃弾を躱し続ける。そして、明城に接近し魔力色を宿した光の波動を食らわせる。


 だが、ただ攻撃を食らうだけの明城では無い。自身も薄緑色の魔力を纏わせ、その魔力を放出し光に対抗する。やがて、日鏡の光が明城の魔力を押していく。日鏡は能力を使って光を強化しているので、当然だろう。このままだと、明城が放出した魔力を突き破り、魔光が明城を穿ち明城は大ダメージを負うことになる。


 明城もそれはわかっていて、どうするか思案する。


(どうしようかしら……このままだと、負けるわね。光先輩、前とは違う……本気、ね。……だったら私も、本気で行かないと……!)


 魔力の波動を放ち、明城は日鏡を一瞬怯ませる。そして、明城はその一瞬で少し日鏡との距離を取る。その後、明城は両手に持っていた拳銃を捨て、刀を抜刀する。そして、明城は()()()を創成する。同時に、身体と刀身に魔力を纏わせる。


 日鏡は、明城の様子を注意深く観察する。明城が刀を抜刀した後、何かしたのは確認出来たが、それがなんなのか、日鏡はわかっていない。故に、日鏡は考える。


(楓ちゃん、何かしたね……なんなのかはわからないけど、警戒しようかな。……それと、次の攻防で決着が付きそうだから、気を引き締めていかないとね……!)


 そして、日鏡は身体に魔力を纏わせる。その後、能力――『陽光操作シャイニング・コントロール』を使い、光で身体能力を上げる。


 ――数秒。二人は睨み合う。その後一気に駆け出し、距離を詰める。そして、明城は刀を、日鏡は光と魔力を纏った拳を振り下ろす。だが、当たらない。

 その後、明城はある仕掛けを発動させる。能力で創成した、手鏡である。日鏡の出す光を反射させ、目眩まししようと考えたのだ。日鏡は、思わず目を瞑ってしまう。その隙に、明城は刀を振り下ろし攻撃する。


 対して、ただで日鏡では無い。日鏡も、目を瞑りながらではあるが、魔力圧と光波で明城の位置を正確に特定し、攻撃を叩き込む。


 そして――――。


「そこまで! 勝者、日鏡光!」


 ――――日鏡が、勝利した。あの後、日鏡は振り下ろされた明城の刀を躱し、明城の位置を正確に特定し、光と魔力を纏った拳を叩き込んだのだ。それにより明城が気絶し、日鏡の勝利となったのだ。日鏡の勝因としては、明城が一瞬躊躇したことだろう。それが無ければ……明城が勝っていたかもしれない。


 日鏡はその事は考えず、待機場所に戻った。明城は荒川に運ばれ、衣良文の所へ行った。その後荒川が戻ったことろで、刀華が続きをする。


「次は中堅戦! 両チームの中堅は、準備をしてこちらへ来て下さい」


 刀華の言葉で、亜宮は武器の準備をして待機場所を出て行く。対して竜二も、準備をし待機場所を出て行った。


「両選手の準備が出来たようですので、審判の荒川先生お願いします」


 執行科(エンフォースメント)一チームの中堅は、亜宮。執行科(エンフォースメント)二チームの中堅は、竜二である。その二人は今、対峙して睨み合っている。そして、怜次の合図で中堅戦が――――。


「それでは、始め!」


 ――――始まった。

 その瞬間、二人は走り出す。懐から拳銃を取り出し、亜宮に向けて発砲する竜二。だが、当たらない。亜宮の身体能力は、とても高い。銃弾程度、簡単に避けられるのだ。故に、竜二が放った銃弾には当たらなかった。……だが、最後の銃弾は少し魔力を込めたので、亜宮に少し擦った。


 二人の距離が詰まると、亜宮は短刀を抜刀する。そして、緩急を使いながら竜二に斬りかかる。竜二は、銃と能力を使い、亜宮の攻撃を防いでいく。その表情には少し余裕があった。


 攻撃が中々当たらず、亜宮は考える。


(どうしようかな……魔力を使うのは確定として、他は……いや、ダメだね)


 そして亜宮は、赤紫色の魔力を刀身に纏わせる。それからの連撃は、竜二でも防ぎきれず傷を負った。竜二はその後、距離を取りつつ発砲することで連撃から逃れることが出来た。


 能力という面では、亜宮が能力を持っていない故、能力を持っている竜二が有利である。だが身体能力という面では、竜二より亜宮の方が上。故に亜宮は、そこをついた近距離戦闘を得意とする。そして竜二は、銃と能力を使った中距離戦が得意である。


 今の状況は、互いに約5m程距離を取っている状態。この程度なら、亜宮は一瞬で距離を詰めることが出来る。勿論、竜二も出来る。対して竜二は、この距離ならば魔力を込めた弾丸で亜宮を撃ち抜くことが出来る。


 そんな状況の中、竜二は次の一手を考える。


(……蓮なら、この程度一瞬で詰められるだろうな。……何せ、俺より身体能力が高いからな。どこからそんな力や速度が出ているのかは知らないが……さて、少し本気を出すか……)


 竜二は一度、目を閉じ深呼吸をする。そして、目を開ける。瞬間、竜二の雰囲気が変化する。その雰囲気の変化を、亜宮は感じ取ったようだ。亜宮も、息を吐き集中する。


 ――そうして、数秒。竜二は『未来視(ラプラス)』を使い、亜宮が突っ込んでくることがわかった。直後に亜宮が竜二に斬りかかる。竜二も、魔力を乗せた弾丸で対抗する。


 だが、竜二の放った弾丸は、亜宮に切り捨てられる。同時に、亜宮の斬撃も竜二に躱された。


 勝負は、まだ続く――――。




 ――――数分が経った。互いが攻撃しあい、それを躱し続けるという状況が続いていた。……だが、互いに疲れが出ていて、動きも鈍くなってきた。そして、少し離れて対峙する二人は、互いに次で決着が付くだろうと考える。


 亜宮は剣先を竜二に向け、竜二はリロードをする。二人は魔力を全開放し、亜宮は魔力の斬撃を、竜二は魔力を込めた弾丸全てを放つ。


 そして――――。


「そこまで! この勝負、閃竜二の勝利!」


 ――――竜二の勝利となった。亜宮は気絶し、武器を手放している。


 亜宮は、竜二の放った魔弾を躱したが、何弾か命中した。故に、気絶したのだ。対して竜二は、亜宮の斬撃を躱せた。そしてもう一つの斬撃があったが、能力で反応が可能となった。故に、躱せたのだ。


 怜次が気絶した亜宮を衣良文の所へ運び、戻ってきた。そこで、刀華が続きをした。


「次は副将戦! 両チームの副将は、準備をしてこちらへ来て下さい」


 刀華の言葉で、天上と百々海が待機場所から出て行った。


「両選手の準備が出来たようですので、審判の荒川先生お願いします」


 執行科(エンフォースメント)一チームの副将は、天上。執行科(エンフォースメント)二チームの副将は、百々海である。この二人の実力は、ほぼほぼ同じである。……だが、力と速度という面では天上、能力と技術という面では百々海の方が上と優劣がついてる部分はある。


 この二人の戦いは、観客である生徒達も注目している。……特に、百々海の親友である凜は……。


 そして今、始まりの合図が――――。


「それでは、始め!」


 ――――審判の怜次により、下された。

投稿が少し遅れたのは、忙しかったからです。決して、寝落ちしたとかではありません。

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