閑話「結月家のクリスマス・前編」
思いつきで投稿しました。後悔はしてません。
今日は、12月24日。クリスマスイブだ。そして、中学最後のクリスマスイブだ。で、俺は今何をしているのかというと、凜姉と一緒に食材の買い出しへ行っている。正直、俺は寒いので行きたくなかったのだが、凜姉が「怖いから……お願い」と、上目遣いで言ってきたので仕方なく一緒に行ってるだけだ。多分、俺の役割は荷物持ちだと思うけど。
「人が多いね……來くん」
凜姉がそう言いながら、俺の腕にひっついてきた。歩きにくいが、はぐれないようにするためだろうから仕方ないだろう。
「そうだな……」
俺は、周りの人の「何朝っぱらからイチャイチャしてるんだ」という視線に耐え、目的のスーパーに着いた。まぁ、さっきの視線に凜姉は気付いていないだろうけど。
「來くん、私と離れないでね」
買い物かごを取った凜姉が、俺の近くによる。
「凜姉、何買うの?」
何を買うのか気になったので、俺は凜姉に聞いた。
「まずは……野菜とかお肉だね。じゃあ、行くよ。來くん」
「分かったよ」
俺は凜姉について行き、野菜が売ってある場所へ行った。
「これで全部揃ったから、次はお肉だね。來くん沢山食べるから多めに買わないと」
「…………俺の稼いだ金でな」
「うん!」
凜姉は、俺の稼いだ金を使って買い物をしている。凜姉も沢山金を稼いでいるはずなんだけどな。まぁ、金は沢山あるから別に良いんだけど。
「これで全部?」
「うん。お肉はこれくらい。次は調味料」
そして、俺と凜姉は調味料を調達し、その後その他もろもろを調達して、今は家への帰路をたどっている途中だ。
「來くん、買い物に無理言って付き合わせてごめんね?」
帰っている途中、凜姉がションボリしたような顔でそう言ってきた。
「ん? 俺は別に大丈夫だぞ」
「うぅ……優しいね……來くん」
すると、凜姉が急に泣きそうになっていた。
「……凜姉、泣かれちゃ困るんだけど」
「……うん、わかった……じゃあ、早く帰るよ。來くん」
凜姉はそう言って、俺より少し早く歩き出した。そして、俺はそれを追いかけるように早足で歩いた。
十数分後、俺と凜姉は家に着き、家の中に入った。
俺は、リビングへ行って買った食材を冷蔵庫の中へ入れた。その後、俺は自分の部屋へ戻った。
そして、俺が自分の部屋のベッドでゴロゴロしてから数十分後。
ピンポーン
玄関からチャイムが鳴る音がして、誰かが階段を上がる声が聞こえる。
「お兄ちゃん、兇介さん来たよ」
部屋のドアが開き、琉愛がそう言った。
「ん……行くわ」
俺はベッドを降りて部屋を出た。
「來貴、遊びに来たぞ!」
家に来た兇介が、開口一番そう言った。そんなに大きな声を出されると、近所迷惑になりかねないんだが。
「遊ぶつっても……何するんだよ」
俺がそう言うと、兇介は何かを取り出した。
「これだ」
「……なんだ? これ」
俺は、兇介が取り出した物を観察する。何だこれ。
「來貴……お前、トランプ知らないのか?」
「トランプ? なんだそれ」
兇介が持っている、トランプという物をマジマジと見つめる。
「じゃ、早速やろうぜ」
兇介はそう言いながら、家に上がって俺の部屋へ行った。
「二人でも出来るブラックジャックをするぞ」
部屋へ行き、兇介とブラックジャックをする。だが、俺はルールを知らない。
「それ、どうやってするんだ?」
俺がどうやってするのかを聞くと、兇介は説明してくれた。
「まぁ、トランプを知らないか……これはな、最初にシャッフルしてから二枚引くんだ。そのどちらかをめくってもう一枚引くかを考えるんだ。そして、もう一枚引いて21に近い方が勝つ。21を超えたら負けな」
……ほう、面白そうだ。いろいろとやれそうだしな。
「早くやろうぜ」
俺はそう言いながら、トランプをシャッフルする。そして、俺はこっそりカードの配置を見てみる。
……良し、覚えた。兇介には悪いが、勝たせて貰う。
「……シャッフル上手くね?」
さっき兇介に教えて貰った方法でシャッフルしていたら、急に兇介がそう言った。知らねぇよ。シャッフルはこれ位で良いか。
俺は二枚引いた。そして、兇介も二枚引いた。その後、俺と兇介は一枚めくる。
俺は9、兇介は5だ。ここは……引くか。
引いたカードの数は、4。残りの一枚の数は、8。合計21。ブラックジャック、チェックメイトだ。
「兇介……合計は?」
兇介は不気味な笑みを浮かべている。なんか気持ち悪い。
「フフフ……3、7、10で20だ。來貴は?」
……勝ったな。
「9、4、8で21。俺の勝ちだな」
俺が数字を言うと、兇介は肩を落とした。感情表現が大きいな。
「…負けた……だと」
そう言いながら、俺のカードを見る。そして、本当に21なのかと言っているような顔になった。だが、数字を計算して21だと悟った顔になった。
「……二回目、やるか?」
「良し! やるぞ! 次こそ來貴に勝つ!」
兇介は飛び起きて、シャッフルをする。やる気十分だな。あれ、シャッフルされたカードが見れるな……そこで、俺の頭脳は一つのことを思いついた。
(……これ、不正が出来るかもしれない。……良し、やろう!)
俺はその決意を胸に、兇介がシャッフルする様子を凝視する。カードの配置は覚えた。これで勝つ。
カードを二枚引き、一枚めくる。俺は2,兇介は5だ。おそらく、もう一つのカードの数は10だ。次のカードの数は8。引くしかないな。俺は兇介に取られる前にカードを引き、もう一枚のカードをめくる。
これで合計は20。兇介の方は……5,6,10で21か……何!? 負けただと!?
「ッシャア! 勝ったぁ!」
……ッチ。負けたか。今度からはしっかり覚えておくか。
「さっさと次やろうぜ」
俺はそう言いながら、見える速度ギリギリでシャッフルし、カードの配置を覚える。そして、最高の配置になった後、俺はカードを配布した。
カードの数は10と3。次の数は8と2だ。さっさと取ろう。俺はカードを速攻でめくりカードを取った。ちなみに、兇介は3と9と2で15。俺は10と3と8で21。俺の勝ちだな。
「クソ、また負けたか。不正とかしてないよな?」
二回負けただけで、こいつは不正を疑ってくるのか。まぁ、してるけど。
「してないぞ?」
俺は平然と嘘をついた。
その後、数十分ブラックジャックをやったが、俺が負けることはなかった。
「お兄ちゃん、兇介さん、昼食出来たよ」
部屋のドアがノックされ、琉愛がそう言った。
「「「「いただきます」」」」
その後リビングへ行き、昼食を食べた。兇介の分もあり、兇介も食べるようだ。食べないんだったら俺が食べたんだがな。
「來くん、部屋で兇介君と何してたの?」
「あ、私も何してたか気になる」
凜姉と琉愛が、俺達が何をしていたのか気になると言い、俺の方を見る。俺は目で兇介に説明しろと言う。その目に凜姉と琉愛は気づき、兇介の方を見る。
「ブラックジャックをやってたんだ」
兇介がそう言うと、凜姉と琉愛は俺を間に挟みながら顔を見合わせ、「何それ?」と言っているような顔をしていた。
「ブラックジャックって何?」
琉愛が兇介にそう聞く。
「ブラックジャックってのはな……まぁ、引いたカードの数を21に合わせるゲームだ」
兇介がそう適当に説明した。もっと詳しく説明しろよ。まぁ、凜姉と琉愛は知っているとは思うけど。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
十数分後、昼食を食べ終わり、皿を片付けて皿を洗った。
その後、俺と兇介は俺の部屋へ行ったが、凜姉と琉愛も着いてきた。そして、部屋に来て早々こう言った。
「來くん、ブラックジャックやってみてよ」
「…………兇介、やるか」
俺はトランプをシャッフルし、自分のカードを取ろうとした。だが。
「ちょっ……」
いきなり凜姉が抱きついてきた。そして、兇介にも聞こえるような声で言った。
「來くん……不正しちゃダメだよ……」
「……來貴、不正してたのか」
「……悪い」
俺は、目を逸らしながら謝罪をする。
「……まぁ、良いけどよ。凜さん、シャッフルお願いします」
「一枚ずつシャッフルしながら配置と数を覚えて、覚えたら適当にする……普通の人じゃ出来ない不正だね」
凜姉は、シャッフルしながら俺がした不正を言う。何で分かったんだ。
「……何で分かったんだよ」
「お姉ちゃんだからだよ!」
凜姉は笑顔でそう言っているが、ちょっと意味が分からない。というか、言っていること全てが理屈になっていない。
「高度な不正だな」
兇介は感心した声でそう言いながら、凜姉から渡されたカードを受け取る。その後、俺も凜姉から渡されたカードを受け取る。
そして、俺と兇介はカードをめくる。数は7。兇介は3。俺は迷わずもう一枚引いた。数は2。残った一枚をめくると10、合わせて19。兇介は、3、5、8。合わせて16。勝ったな。
「不正されて無くても負けるのかよ……」
兇介は肩を落としている。
「じゃあ、ババ抜きやろうよ!」
凜姉が、俺と兇介が持っているカードを回収して、シャッフルする。
俺、兇介、琉愛、凜姉にそれぞれカードが行き渡った。だが。
「ババ抜きって何?」
俺は、ババ抜きのルールを知らない。
「……これも知らないのか」
「來くん、ババ抜きっていうのはね、同じ数のカードを2枚組にして捨てていって、早く手札がなくなった人が勝ちで、最後までジョーカーを持っている人が負けっていうゲームだよ」
凜姉が簡単にババ抜きについて説明してくれた。
「じゃ、早速やろうぜ」
兇介がそう言いながら、手札を捨てていく。確か、同じ数のカードを2枚組にして捨てるんだよな……。同じ数のやつは3つか。
俺は、六つカードを捨てた。手札の数は10枚だったので、残りは4枚だ。
そして、順番を決めるためにじゃんけんをする。
「最初はグー。じゃんけん、ポン」
兇介がそう言い、俺がパー、凜姉もパー、琉愛がグー、兇介がグーだ。見事に別れた。その後、凜姉とじゃんけんをして、俺が勝った。俺、凜姉、琉愛、兇介の順番に回るようだ。
「來くん、1枚取って」
凜姉にそう言われ、俺は適当にカードを取る。カードの数は8。偶然8があったので、二つのカードを捨てる。残り3枚。そして、凜姉が琉愛のカードを引き、琉愛が兇介のカードを引いた。次は兇介が俺のカードを引く番だ。
「…………」
俺は表情一つ変えず、兇介の方を見る。兇介はどれを取るか悩んでいる様子だったが、すぐにとった。カードを捨てなかったので、同じカードはないようだ。
凜姉のカードを引く。Kだ。偶然Kがあったので、捨てていく。残り2枚だ。
「あ、あった!」
どうやら、凜姉が琉愛のカードを引いたら、同じ数があったようだ。凜姉のカードは、残り3枚。
「あった!」
琉愛も同じ数があったようで、カードを捨てた。琉愛のカードは、残り4枚。
「やっと同じのが出たぜ……」
俺のカードを引いて、兇介も同じカードが出たようだ。兇介のカードは、残り6枚。
そして、俺は凜姉のカードを引いた。Aだ。また同じ数のカードが出た。俺はカードを捨てた。俺のカードは残り一枚だ。俺の勝ちが確定した。
「あ……來くん、また不正した?」
残り1枚の俺の手札を見て、凜姉がそう言う。今回はやってない。というか出来ない。
「やってないぞ」
「來くんがそう言うなら、信じるよ」
凜姉は俺の言葉を信じたようで、琉愛のカードを引いた。カードを捨てなかったので、同じカードはなかったようだ。
その後、琉愛が兇介のカードを引き、カードを捨てたので、琉愛のカードの残りは2枚になった。
「……引きたくないんだが」
兇介はそう言いながら、俺のカードを引こうとしない。さっさと引けよ。
「早く引けよ」
俺がそう言うと、兇介は渋々と言った感じでカードを引き、俺のカードの枚数は0枚になり、俺が勝った。
その後、琉愛が二番目に0枚になり、凜姉が三番目、兇介が最後までジョーカーを持っていた。
そして、数十分ババ抜きをやったが、ほとんど俺が勝ち、たまに琉愛が勝っていた。
数時間後、親父と母さんが仕事から帰ってきた。二人が帰ってきたときは6時だったので、凜姉は夕飯の準備を始めたので、俺は手伝うことにした。夕飯の準備を始めて十数分後、夕飯六人分が出来た。兇介もうちで夕飯を食べるようだ。
「來くん、準備手伝ってくれてありがとね」
「……別に、大丈夫だから」
「ふふ、來くんは優しいね」
そして、席に着き、夕飯を食べた。
「「「「「「いただきます」」」」」」
食卓には、チキンや、サラダなどいろいろあった。
「兇介君」
「なんですか?」
兇介が、母さんに話しかけられた。
「いつもありがとうね、來貴と仲良くしてくれて。この子、あんまり友達居ないから」
母さんが、兇介にそう言った。
「いえ、大丈夫ですよ。こいつと居ると楽しいので」
兇介はそう言いながら、俺の方を見てきた。思わず、俺は目を逸らした。
「そう……」
「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」
そうして十数分後、夕飯を食べ終わり、俺は皿洗いをして、自分の部屋へ行った。兇介は帰ると言って、帰って行った。
自分の部屋に行った俺は、暇だった。暇だったので、ベッドでゴロゴロした。それだけで二時間くらい経ち、もう寝ることにした。すると、部屋のドアがノックされ、凜姉と琉愛が入ってきた。
そして、ベッドに潜り込んできた。
「……いきなりどうしたの? 二人とも」
俺がそう聞くと、凜姉は少し顔を赤らめてこう言った。
「……一緒に寝て良い……?」
そして琉愛は、こう言った。
「……私もお姉ちゃんと同じ理由だけど……大丈夫?」
……何か、断りづらいな。
「……早く寝るぞ」
俺はそう言いながら、目を閉じて寝る。
「うん!」「わかったよ」
凜姉と琉愛が元気な声でそう言って寝た。両腕に何か妙な感触があったのは気のせいだろうか。
後編は……明日まで! 明日までお待ちください!




