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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第二章 執行科編
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27話「オリケルスの特訓」

「あれ? 來くん、またどこか行くの?」


 凜姉に話しかけられた。


 とりあえず、適当に何か言っておこう。


「……ちょっとな」

「そ……いってらっしゃい」


 凜姉の言葉を背に、俺は玄関を出た。行く場所は……オリケルスの所だ。


 そして、俺は音と気配を絶ちオリケルスの所へと行く。一週間以上行っていたので、迷うことは無い。それに、行き帰りを速くするために最短ルートも見つけたからな。……普通の人間ならこのルートを行くのは無理だと思うけど。


 そうして向かうこと数十分。オリケルスの家に着いた。とりあえず、入っていこう。


「……来たか、來貴よ」


 家の中では、オリケルスが俺が来ることをわかっていたかのように待っていた。オリケルスは、二つの曲刀を腰に携えている。


 そして、家を出て何も無い場所へ行く。俺もオリケルスについて行き、その場所へと行った。その場所は、俺とオリケルスがいつも特をしている所だ。そのせいで、あちこちにクレーターがあるんだけどな。まぁ、それは気にしない。


「ふむ……それじゃ早速、模擬戦をするか」


 その瞬間、俺は腰に掛けていた二つの銃剣、ヴァルブラドとヴォルガンの刃を出す。その後すぐに抜き、振り下ろされた二つの曲刀を防いだ。だんだんオリケルスの動きが見えるようになった来た。一週間通い続けてきた成果だ。


「ほう……いきなり斬りかかったが、これを防ぐか」

「……昨日だったら死んでたと思うんだけど、もし当たっていたらどうするつもりだったのさ」


 今のオリケルスの攻撃は、一段と速く感じた。黒波を融合させていなければ、俺は死んでいただろう。それ程に、速かった。というか……凄いな。黒波を融合させただけでこれ程までになるなんて……な。


「そのときはそのときだ。所詮それまでだったっていうことじゃ」

「……マジかよ」


 それから、激しい剣戟を交わした。銃剣と曲刀の刃が辺りに金属音を響かせる。……というか、魔力刃でも金属音が鳴るんだなと思った。


 俺の攻撃はほとんど当たらなかったが、オリケルスの攻撃もそんなに当たらなくなった。だが、時間が立つと、オリケルスの攻撃が俺に当たり始めた。致命傷になりそうな攻撃はなんとか躱したけどな。


 まぁ、肌で相手の攻撃を感じろとか、相手に反撃の隙を与えるなとかいろいろめちゃくちゃなこと言われたからな。それで、終わった後は死にそうだった。そんな俺に対してオリケルスは余裕そうだったけど。


 そんなことを考えつつ、俺は攻撃を続ける。体力はまだ持つので、一回でも攻撃を当てたい。この一週間、攻撃が当たったことは一度も無いからな。斬撃の途中に発砲を織り交ぜても、すぐに斬られるから意味が無い。だから、オリケルスに攻撃が当たらないんだよな……それに、力もオリケルスの方がまだ上だし。


「……そろそろ、能力を使うか。來貴、お主も使って良いぞ」


 オリケルスがそう呟いた瞬間、曲刀の一撃が重くなった。俺も、負けじと覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)を使用して力を底上げする。


 さっきまでは、能力無しでやっていた。能力を使わずに速く動けて、強い力を出せるようになることが強くなることにつながるのだとか。


 ちなみに、オリケルスの能力は重力の穿牙(パワード・スピア)。重力と貫通力を操る能力……らしい。ぶっちゃけ言ってチート能力だ。俺の能力もチートらしいが。


 そう考えつつ、俺は発砲する。今回は、いつもより黒炎と黒雷を多めにして。すると、発砲された黒の弾丸は、いつもより何倍も速くオリケルスの所へ向かった。


ビュンッ!!


「ッ!?」


 そのレーザーのような発砲音が聞こえる前に、オリケルスはそれを躱した。俺が引き金を引く前に躱したから、直感か?


「……今の銃撃……異様に速度が速かった。何故だ?」


 オリケルスが、曲刀で俺を攻撃しながら聞いてくる。聞くときも、攻撃の手を緩めないのか……まぁ、別にいいんだけど。


「……黒炎と黒雷の量を多くしただけだ」

「ほう……調節可能なのか」

「ああ、そうだが……何だ?」

「いや……何でも無い」


 そして、オリケルスはまた曲刀による攻撃を続ける。その攻撃は、より一層激しくなっている。それに、オリケルスの動きが段々速くなっている気がするんだが。というか、目で追えなくなってきた。ヤバい、とりあえず能力の出力を上げよう。そうしないと死ぬ。


 というか、オリケルス本当にジジイか?さっき、やっと攻撃が当たったけど……ちょっと擦っただけだぞ?それに対して、俺の傷は……身体中の擦り傷だ。まぁ、すぐ治るからどうでもいいけど。


 そんなことを考えつつ、攻撃を続ける。だが、俺はほぼ防戦一方だ。オリケルスの攻撃を銃剣で防いでいるだけ。俺は、攻撃出来ないで居た。……ちょっと、集中しよう。そして、俺は銃剣の刃に伝わる魔力を増やす。


「……ようやく真面目にやるのか」


 オリケルスがそう言いながらより一層曲刀による攻撃を強くする。というか、オリケルスはまだ底があるのか。それに、これでも本気じゃなさそうだけどな……。


 まぁ、それは置いておいて、攻撃を続けるか。俺は銃剣を斬り上げ、回し蹴りを放った。ただ、それはオリケルスの腕に防御(ガード)された。その後、俺は、オリケルスの曲刀を弾いてがら空きになった腹部を攻撃する。だが、もう一つの曲刀で弾かれて防がれる。……これ、いつになったら終わるんだ?終わる気配がしないんだが。


 そして、俺は死黒暴滅(ブラック・デストロイ)を使う。


「黒炎!」


 黒い炎を放った。その炎は周りを燃やしながら、オリケルスに迫っていった。その炎を前に、


「これ程か……」


 オリケルスが、そう呟きながら躱した。……相変わらず速いし強い。だが、俺は黒炎を操作してオリケルスを追わせる。


「ハァ!」


 炎を回避していたオリケルスが、能力を使い炎を無理矢理地面に押さえつけかき消した。


「マジかよ……ッ!?」


 直感で俺は何か飛んでくると察し、能力を使い反射神経と動体視力を上げ、回避した。咄嗟に躱しながら見たが、飛んで来たものは石だった。


 オリケルスの紫色の魔力が見えたから……石に魔力を纏わせて投げてきたんだろけど、その石の速度は……とても、投げたとは思えない速度だった。なんとか躱せたが、当たっていたら……多分、身体に穴が空いていただろうな。


「……今のを避けるか」


 オリケルスは、そう言いながら曲刀を鞘の中に納める。それを確認した俺は、銃剣を片付ける。


「儂の能力で最も速くなる重さにし、貫通力も底上げした石を躱したか」

「……それ、当たってたら絶対俺の体に風穴が出来るよな?」

「まぁ、そうじゃな。能力を使った戦闘は終わりにするかの。もうすぐ六時だ。そろそろ帰ってはどうだ?」


 オリケルスの言葉を聞いて、俺はスマホで時刻を確認する。今の時刻は、オリケルスの言う通り、もうすぐ六時だった。そろそろ帰らないと……凜姉に怒られるか?


「……帰るわ」

「ほっほっほ。またの」


 そうして、俺は帰った。一応、帰る前に凜姉には連絡をしておいた。これで、怒られないだろう。


 俺は能力を使い、屋根を伝って帰って行く。行く道は、勿論最短ルートだ。この場合、六時前に帰れるかもしれない。


 そんなことを考えつつ、俺は屋根の上を跳躍する。現在地は、家から約800m離れている。後……一分もあれば着くな。この速度を保ったまま行こう。俺は、屋根を伝いながらそう考える。そう言えば、オリケルスと戦って、今日は初めて本気を出したが……オリケルスも本気だったのだろうか。それに、まだまだ俺に見せていないことがありそうだ。


「……着いたか」


 そんなことを考えている内に、家に着いた。


 家に入ると、凜姉が待っていた。夕飯はもう出来ているそうなので、銃剣を部屋に置いてきてから食べた。その後はやることが無かったので、部屋に行ってから寝た。


 話は変わるが、オリケルスに勝てる日が近いかもしれない。だんだん動きが見えるようになってきたし、この銃剣もある。黒波と魔力路を融合して、魔力量も上がったからな。それに、能力が()()あるからな、俺は。





ピピピピピピピピ


「……朝か」


 とても眠たい。というか、二度寝したい。休みの日なので別にいいのでは無いだろうか。明日は、休みじゃ無いからアレだけど。とりあえず……二度寝、するか。


 そして、俺は二度寝を始めた。


 ちなみに、今は8時だ。とりあえず10時くらいまで寝ようと思う。……途中で起こされるかもしれないけどな。


 そう考えている内に、俺は眠りについた――――。


「――ちゃん、お――ちゃん、お兄ちゃん、起きて」

「ん……?」


 誰かに体を揺さぶられ、俺は目を開ける。正直に言って、まだ眠い。というか、誰だよ……。俺は、自分を揺さぶった人の方を見る。


 ……琉愛か……凜姉に頼まれて、起こしてって頼まれたのか?俺、まだ寝ていたいんだが……寝させてくれないだろうか。


「お兄ちゃん、起きて!」

「……もうちょっと寝ていたいんだが……」


 そう言いながら、俺は寝返りを打つ。だが、俺は無理矢理琉愛の方を向かされた。


「もう……起きてよっ!」

「ぐふっ!?」


 俺の身体に衝撃が加わり、俺は一気に目が覚める。というか、琉愛は何をした!?顔を上げ、琉愛の方を見る。


「……重いからどいて欲しいんだが」


 すると、琉愛は……俺の腹部にダイブしていた。……これは、やられたことある人ならわかると思うが……単純に痛いし重い。やられたい、という人はやめておいた方がいい。これはいくら妹でも痛い。


「お兄ちゃん……それは女の子には言っちゃダメだよ」


 頬を膨らませながら、琉愛がそう言う。というか、琉愛はいつまで俺の上に乗っかっているつもりなんだ……?重いからどいて欲しい。そして、琉愛に俺の気持ちが伝わったのか、俺の上から降りた。琉愛が降りたので部屋の時計が見えた。今の時刻は、9時のようだ。俺は一時間寝ていたのか。


「……まぁ、今回は許して上げるよ。とりあえず、起きて? お兄ちゃん」

「……わかった」


 俺はベッドから降りて、琉愛と一緒に一階へ向かう。一階のリビングには、凜姉が朝食を作って待っていた。そして、俺と琉愛は椅子に座り、三人で朝食を食べる。


 食べ始めて数分後、朝食食べ終わった。


 朝食を食べ終わった後、俺は部屋に戻って準備をする。準備……というのは、オリケルスの所へと行く準備だ。まぁ、準備する物なんて殆ど無いんだが。ちなみに、昨日部屋に置いた服は……全て片付けた。いつまでも放ったままにするわけには行かないしな。


 そして、俺はオリケルスの元へ行こうと玄関へ行った。すると、


「あれ? 來くん、またどこか行くの?」


 凜姉に捕まった。バッグの中身がバレたら絶対問い詰められる。ここは上手く回避せねば。俺は、無駄に速い思考速度で考える。

 

「……ちょっと、ある人のところに」


 今から会うのは人じゃなく悪魔だが、適当な理由を付けるためにそう言った。悪魔の存在はこっち側の人には知られているが、ほとんどの人が見たことないという。まぁ、俺一応……半分は悪魔だけどな。


「……そう、行ってらっしゃい」


 凜姉は、そのことを追求しなかった。……追求されていたら回避できる自信が無かったから良いけど。とりあえず、行ってくるか。


「……行ってきます」


 俺は家を出て、屋根の上をバレないように走ってオリケルスのところに向かった。そして十分でオリケルスの家に着いた。


「……来たか。來貴よ」


 俺がオリケルスの家に行くと、オリケルスは家の外で待っていた。外で待って、何をするつもりなのだろうか。しかも、曲刀も用意していない……。話でもするのか?


「家の中に入れ。話すことがある」

「……わかった」


 そして、俺はオリケルスの言う通り家の中に入った。というか、何をするのだろうか。何か面倒なことになりそうな気がするのだが……。そんなことを考えつつ、俺はオリケルスについて行く。


 ついて行った先、俺はある部屋に連れて行かれた。その部屋は、ただの和室。なんの変哲も無い和室だ。そして、その和室の床に、オリケルスは胡座をかいて座る。俺も座れと言われたので、とりあえず床に座る。


「では、早速本題に入ろう。……來貴よ。お主……"神の能力"を、持っておらぬか?」

「――――ッ」


 オリケルスが言った、"神の能力"という言葉に……俺は、思わず反応してしまった。俺は、その"神の能力"について知っている……というか――――持っている。今までは使ってこなかった。制御出来ない……と、いう事は無い。むしろ死黒暴滅(ブラック・デストロイ)よりも使える。ここ()()くらいはアレ以外は使っていないから今はわからないけど。


 ……だが、魔力消費が激しく、使うと身体への負担が本気で覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)を使った時よりも激しいのだ。故に、多様が出来ない。それに……いや、これはいいか。別に気にすることでは無いからな。


「持っている……ということで良いのだな。儂達悪魔が探しても見つからなかったのは、お主が持っていたためか……」

「……どういうことだ?」


 オリケルスの発言に、疑問を覚える。俺が持つ"これ"を……探していた?


「そうじゃ。その能力……万物具現化の眼リアライゼーション・アイをな」


 ……その能力の名前まで知っているのか。だったら、この能力を探していた中で、ある程度の情報は集められていたという事だろうか。だが、長い間見つけられていなかったようだけどな。まぁ、俺が持っていたからだけどな。


「……何故、知っている?」

「お主から、神の能力を感じた。この日本にあるのは、万物具現化の眼リアライゼーション・アイのみ。それによってそう判断した」


 俺から、この能力を感じた……か。何らかの方法で、この能力を探知しているんだろうな。


「お主も予想していると思うが、その能力は……堕ちた神の能力だ」


 やはり……か。ネルから神の事を話されたときに予想していたが……合っていたのか。ということは、俺は神と同等の力を持っていると言うことか。そりゃあ、負担が大きいわけだ。


「儂からその能力について言えることは一つ……決して、気付かれないようにしろ。それだけじゃ」


 そう言ったオリケルスの目は、とても真剣なものだった。


 万物具現化の眼リアライゼーション・アイ……見たり聞いたりしたものを具現化・実現化する神の能力。これが、俺が持つ神の能力。この能力を、オリケルスは決して気付かれないように……と、言った。


 いろいろと制限があるから、あまり便利とは言えないが……今までもそうしてきた。気付かれたらヤバい事はわかっているから、そうしよう。


「……本当は儂達でその能力を管理したいんじゃが……宿ってしまった以上()()()()()ことは出来ん。だから……」


 そこで一旦、オリケルスは言葉を切った。そして、口を開く。


「……気をつけろよ」


 オリケルスのその言葉は、俺の頭に残った。気をつけろ……か。オリケルス達悪魔が万物具現化の眼リアライゼーション・アイを探していた……ということは、堕ちた神もこの能力を探しているのだろうか?それは、知らないとわからないが……可能性は高そうだな。


 後、どうでもいいことなのだが……悪魔は見たことがあるが、()使()という存在は一回も見たことが無いな――――。


 その後、俺は四時まで特訓をして帰った。

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