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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第二章 執行科編
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23話「執行科とは」

「……なぁ、凜姉」

「ん? どうしたの? 來くん」


 学校への登校中、俺は凜姉にあることを聞いてみることにした。正直、俺はこのことを聞くのが……()()。だが、俺は聞くことにした。


「もし俺が……人間じゃなくなったら……どう思う?」

「どうしたの? 急に……でも、人間じゃなくなっても來くんは來くんだから、どうも思わないよ」


 凜姉はそう言って、俺の方を向いて笑顔を浮かべてくれた。……()()()()()()


「………………」


 俺は黙って、それを聞いていた――――。





 ――――そして、学校に着き、凜姉と分かれた。


 それからHRが始まった。HRは刀華先生の適当話で終わり、授業が始まった。それから、特に何事も無く授業は終わった。本当に何も無かったからな。


 …………だが、それは間違いだった。放課後、ある放送が響いた。


「來貴君、來貴君。今すぐ、執行室に来てください」


 ……今度は何だ。何をするんだ。とりあえず、俺は執行室へ行くことにした。場所は、瞬華先輩に連れて行かれたので一応覚えている。


 そして、執行室へと行った。行く途中、周りからの視線が多かったが気にしない。他にも執行室へ行っている人が居た。俺よりも早く執行室に着くだろうな。でも、俺は速度を上げない。多分、他に言った人の数分くらい後に着くだろうな。


 十数分後、執行室に着いた。


 執行室のドアをノックして中に入る。


「失礼します」


 俺はノックをして、返事を待たずに入った。返事を待つのは面倒だからな。


「……來貴君、一応返事は待った方が良いと思うんだけど。それと、随分遅かったわね」


 瞬華先輩がそう言う。だろうな、俺もそう思う。だが、それはめんどくさいからしない。それに……校長だって返事を待たないからな。


「……まぁ、いいわ。これで全員来たわね。もうあなた以外の自己紹介は終わってるからね。まず、あなた以外に執行科(エンフォースメント)に入った人の紹介をするわ。お願い」


 瞬華先輩はそう言って、後ろに下がる。そして、誰か出てきた。

 

「……お前もかよ。一応自己紹介するが、俺は|白凪鉤人だ。よろしく」

「……一応俺もする。結月來貴だ。……よろしく」


 一応……自己紹介、という風になるのだろうか。お互いもう顔見知りで名前も知っている。自己紹介と言っても、することが無い。一応したけど。そんな俺達の様子を見て、瞬華先輩は疑問の表情を浮かべている。既に知り合いという雰囲気を出しているからだろう。


「二人とも、知り合いなの?」

「……一応、そうですね」


 白凪が、瞬華先輩の疑問に答える。知り合い……というのは、間違いでは無いだろう。お互い名前も顔も知っている。それに、お互い戦い合った。俺は本気ではやっていないけどな。


「じゃあ、次」

 

 瞬華先輩がそう言うと、白凪が後ろに下がり、代わりに誰か出てきた。出てきたのは、俺も知らない人だ。前に見たことあるような気がするけど。確か……入試か?目立つ髪色をしていたから結構印象に残っている。


「私は、明城楓(みょうじょうかえで)。よろしくね」


 明城は、俺を見上げながら言う。だが、その表情は何か不満がありそうだ。この構図だと、俺が見下してるように見えるからか?だが、どうしても下を見ないと視界に入らないんだよ。かがんで視線を合わせたらそっちの方も楽になりそうだが、面倒なのでやらない。というか、その必要性を感じない。


 明城の見た目は、髪色が緑、瞳が両方黄緑。染めてカラコンはめたのか?それとも、能力の()()か?まぁ、それは置いておこう。


「じゃあ、來貴君も」

「……結月來貴だ。……よろしく?」


 瞬華先輩に言われて俺が自己紹介をすると、白凪が何か言いたげな表情をしていた。何か言いたいなら言えよ。聞いてやるから。まぁ、殆ど聞き流すと思うけど。でも、聞き流すと言っても話は覚えているから問題ない。


「……何で疑問形なんだよ」


 白凪につっこまれた。いいじゃん。別に。


「いいじゃん。別に」

「……はぁ、まぁいいか」


 白凪は溜息をつきながら、一人納得する。そう、それでいいんだよ。細かいことは……気にした方がいいけど、これは気にしない方がいい。


「はい、次は私達の紹介をします。まず、私から。知ってると思うけど東道瞬華です」


 瞬華先輩はそう言って、俺と白凪と明城と握手(強制)をした。握手をする必要は無いだろうと俺は思った。というより、瞬華先輩が一瞬でこっちに近づいてきたんだが。音も予備動作も無かった。


 白凪も明城も、その事に驚いている。その様子を見て、瞬華先輩はクスクスと魅惑的な笑みを浮かべて笑っていた。


「次は私だね。私は、鳳彩月だよ」


 彩月先輩はそう言い、こっちに笑顔を向けてくる。白凪の方を見てみると、何だか見惚れているような様子だった。アレは……なんだ?まぁ、いいか。どうせわからないし。


「あ、次からは來貴君も知らない人が出てくるよ」


 瞬華先輩はそう言って、後ろを見た。そして、5人くらい出てきた。執行科(エンフォースメント)の二年生と三年生だろうか。何人かが二年生で、何人かが三年生だろう。多分、3:2だな。瞬華先輩と彩月先輩は三年生だろうし。


「まず、俺から。俺は二年の天上司(てんじょうつかさ)だ。よろしくな」


 天上という先輩は、筋骨隆々のゴリマッチョだ。髪は金髪で、瞳は両方黒色だ。なんか、見た目のインパクトがヤベぇ。一目見たら絶対忘れないような見た目してる。だって、金髪のゴリマッチョだぞ?こんな人を町で見かけたら絶対振り返る自信がある。


「あ、ちなみに私と彩月は三年だよ」


 後ろで瞬華先輩がそう言うが、俺は大体予想していたので無反応。白凪と明城も知っていたのか、無反応。その反応を見て、瞬華先輩と彩月先輩はちょっと退屈そうだ。俺は反応を見て楽しむタイプじゃないので、瞬華先輩と彩月先輩が何故あんな様子なのかがわからない。


「次は私ね。私は、二年の日鏡光(ひかがみひかり)です。よろしくね?」


 日鏡先輩はそう言い、俺達を見る。……というか、日鏡?どっかで聞いたことある名字だな。後、この人も疑問形じゃねぇか。よろしくのところ。


 日鏡先輩の見た目は……言っちゃ悪いけど、多分この学科の中で一番身長が低いと思う。目測150cmくらい。俺とはなんと30cm以上の身長差だ。髪色は橙色だから、結構目立つ方だと思う。ちなみに、瞳は茶色。


「次は僕だね。僕は、二年の亜宮蓮(あみやれん)だよ。よろしく」


 亜宮先輩は……まぁ、言っちゃ悪いけどチビだ。目測で約160cmくらい。俺とは20cm以上の身長差だ。茶髪で黒色の瞳。天上先輩とは対極で町で見かけても多分振り返らないし覚えていないと思う。見た目も地味だからな。


 俺が失礼なことを考えている内に、他の人が自己紹介を始める。今度は残りの三年生だろうか。ということは、執行科(エンフォースメント)の三年生は四人、二年生は三人、一年生も三人ということか。男女比率は5:5。三年生に女子が多い気がするのは気のせいだろうか。


「次は、私ね。私は、三年の百々海水月(とどみみづき)よ。よろしく」


 百々海先輩はそう言い、礼をして後ろに下がった。礼儀正しい先輩だ。俺とは大違いだな。俺に"礼儀"の二文字は……まぁ、一応ある。だが、この先輩ほどは無い。


 百々海先輩は、黒髪で灰色の瞳。身長も高く体型もスレンダーで凄くモテそうだ。


「最後は俺だな。俺は、三年の閃竜二(せんりゅうじ)だ。よろしくな」


 閃先輩はそう言い、後ろに下がる。だが、視線はちょっと百々海先輩の方を向いていた気がする。


 閃先輩は……天上先輩と同じく筋骨隆々のゴリマッチョだ。しかも、髪色は赤。瞳の色も赤。すげぇ目立つ。でも、天上先輩より身長は高くないから……同じくらいの目立ち度か?どちらにしても、町で見かけたら絶対振り返る自信がある。


 ……今思ったけど、閃先輩って凄く言いにくいな。「せん」という単語が二回繰り返されて「ん」も二回言うから、噛みやすい。しかも、言葉が詰まる。スムーズに言えない。


「とりあえず、これで全員の紹介が終わったわね」


 執行室の一角に、執行科(エンフォースメント)の科員が全員集まる。凄い絵面だ。最強の学科に所属する10人が、一つの場所に集まっているんだからな。まぁ、今回の目的は顔合わせだろうけど。


「改めてよろしくね! 結月君、白凪君、明城さん!」


 ……彩月先輩は、馴れ馴れしくそう言う。白凪と明城にはいい人だと写っているだろう。表情でわかる。……まぁ、実際いい人なんだろうけど。


 俺がそんな腐った考えをしていると、瞬華先輩が説明を始めた。


「最初に、あなたたちを呼んだ理由を話すよ。単刀直入に言うわね。執行科(エンフォースメント)の仕事について説明をしたいのよ」


 仕事……とは、なんなのだろうか。まぁ、確実に面倒なことだというのはわかっている。刀華先生が、執行科(エンフォースメント)は校長から直々に依頼を受けることがあるとか、ヤバい依頼を受けさせられるとか言っていたからな。確かそれはここ以外の実力者の生徒も同じだと言っていたけど。


 まぁ、俺は一年生だから無茶苦茶な依頼は受けさせられないとは思うけど。それは、白凪と明城も同じだろうけど。それで面倒な依頼を受けさせられたら……校長を鬼と呼ぼう。


「仕事……?」


 白凪がそう呟いた。それは、瞬華先輩には聞こえていたようで、瞬華先輩は説明を始めた。誰も聞いて無いんだけどな。


「そう、仕事。まず、執行科(エンフォースメント)の科長について説明するわね。執行科(エンフォースメント)の科長というのは、私よ。ちなみに、副科長は彩月ね。後、教官は校長先生。副教官は桐生(きりゅう)先生よ」


 瞬華先輩が科長ということは、大体予想していたけど……全然リーダーって感じはしないな。というより、ここで一番強い人って誰なんだろう。もし俺も入れるなら、間違いなく俺になるが……俺抜きでやったらどうなるのだろうか。


 というか、彩月先輩が副科長か……これも予想していたけど、そんな感じは全くないな。


 ちなみに科長……というのは、わかりやすく言うと部活の部長みたいな感じだ。科長はどの学科にも一人居る。副科長は部活の副部長だ。例えるならな。


 部活の部長が科長なら、部活の部員が科員という感じだ。非常にわかりやすく例えた。


 教官というのは、部活で言う顧問の先生だ。何故教官という名前のなのかは知らない。ちなみに、副教官は部活で言う副顧問の先生だ。ちなみに、桐生仙千(きりゅうせんぜん)先生は三年三組の担任で、担当教科は戦闘理論だ。


「とりあえず、仕事について説明するわね。察しが付いてる人もいるかもしれないけど、大体は校長の依頼と、ここの治安を維持する事よ」


 俺の予想は、大体合っていたみたいだ。というより、ここの治安を維持する?何か起きたら駆けつけるのか? 例えば、侵入者とか、暴動とか、そういうのか。中学校の時でも起きていたけど。


「校長からの依頼って言うのは、ヤクザを潰してこいとか、ヤバい組織を壊滅させろとか、そういうものよ」


 さらっと瞬華先輩言ったけど、普通に死ぬ確率高いと思うのだが。その言葉を聞いて、白凪と明城はちょっと自分が死ぬかもしれないって思ってる表情してるぞ。大丈夫だろ、そんな無茶なことはさせないと思うし。


「大体依頼はこんな感じね。次は、治安を維持する。正直に言って、こっちの方が重要よ。というのは……ここで殺し合いとか起こるし、敵国の侵入者とか結構来るから、それを抑えるのが私達の役目よ。もちろん、先生達も協力してくれるけど」


 …………この学校、侵入者とか普通に来んのかよ。ヤバいじゃねぇか。ていうか、何だよ。敵国からの侵入者って。いや、中学の時も何回か来てたけど。


 というか、抑えるのも執行科(エンフォースメント)の仕事……なのか。だったら、この学科は何の為に()()()()()()


「大体の説明はこれで終わりね」


 瞬華先輩はそう言って、近くにあった椅子に座る。というか、説明が随分と短いな。これでいいのか? 適当だけど。


 すると突然、執行室のドアが開き、誰かが入ってきた。入ってきたのは、校長の西宮寺琴音だった。そして、執行室に来て早々こう言った。


「瞬華さん、説明終わりましたか?」


 どうやら、この校長は、瞬華先輩の説明が終わるのを待っていたみたいだ。というか、どこで待っていたんだよ。執行室のすぐ外か?それとも……校長室か?いや、それだったらこんなタイミング良く来れないだろう。あ……瞬華先輩にタイミングを合わせるように言ったのか?


「はい、終わりました。教官」


 瞬華先輩は、椅子から立ち上がりながら言う。そう言えば、顔合わせと仕事の説明は終わったから……もう解散か?でも、校長が来たから何かしそうな雰囲気ではあるけど……。というか、呼び方が変わったな……。


 俺は、俺以外の一年生である白凪と明城の方を見る。白凪は何かを考えているようだったけど、明城の方は何も考えていないような様子だ。


 ……これから、何をするのだろうか。俺はそんなことを考えながら、次の校長の言葉を聞く。


「ふふ、これから何をするかわかっているようですね」


 校長はそう言いながら、次の言葉を言う。


「これから、皆さんの実力を確認するため、戦って貰います。誰と戦うかはもう決めてありますので、ご安心を」

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