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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第二章 執行科編
20/234

20話「狭間から覗く者」

すいません。少し投稿が遅れました。

 side ~???~



「…………凄い」


 私は、刀華先生を一方的に倒したあの一年生の子を見ていた。あれほど強いなら……でも、もう入っている可能性が……いや、そのときは何が何でも引き抜こう。


「……ねぇ……あの子、誘ってみる?」


 私がそんなことを考えながらボケッとしていたら、隣にいた私の友達が話しかけてきた。


「うん……()()刀華先生を一方的に倒せる一年生……誘わないわけ無いじゃん。協力してね?」

「はいはい、わかりました……科長さん」


 そう言って、私の友達は頷いた。



 時は、二限目が始まる少し前――――。



 私の名前は、東道瞬華(とうどうしゅんか)。学年とクラスは3年1組で、今から第三戦闘場で一対一の模擬戦の授業です。この授業は楽しいですが……一つだけ残念な点があります。これが無くなれば、一番好きな授業になりますが……。


「瞬華ちゃん、今日一緒に組もうよ!」


 クラスで一番目立ってる男子が聞いてくる。正直言って、どうでもいい。この男子は私よりも弱い。しかも、何か胸を凝視してくるし、視線が気持ち悪い。

 ……そう、この男子が嫌なのだ。しかも……許可をしていないのに下の名前で呼んでくる。ウザいから止めてほしい。私の下の名前を呼んでいいのは……私が許可した人間だけだ。なのに、勝手に呼んでくる。


「いえ、私は彩月と組もうと思っているので」


 そう他人行儀に言って、私は断った。そして、私は友達である鳳彩月(おおとりさつき)の元へ向かった。


「瞬華、いつも大変だね。ウザい男子に絡まれて」


 彩月がこちらへ来て話しかけてきた。そして、「お疲れ様」と言ってその男子から離れるように私を連れて行った。


「彩月はいいよね、絡まれなくて」


 彩月はかなりの美人なのだが、絡まれない。何でだろう。彩月が男子に絡まれたことは、殆ど無い。二、三回くらい。それに対して……私は……数えるのが億劫な程絡まれている。私と彩月の違いはなんなのだろうか。私だって、面倒な絡みは嫌なのだ。回避する方法を知りたい。


「あ、そうそう、あっちの第一戦闘場で、刀華先生と刀華先生が担当してるクラスの生徒が戦うらしいよ。模擬戦しながら見てみる?」

「そうだね…………見てみよう」


 そうして、授業が始まり、彩月と模擬戦しながら、第一戦闘場を見た。ちなみに、第三戦闘場から第一戦闘場の距離は近く、第二戦闘場から第一戦闘場を見ることが出来る。無論、その逆も出来る。ちなみに、窓は無い。それには、ちゃんと理由がある。


 今、壁で阻まれているだろって思った人、手を挙げてください。大丈夫です、見えます。第一戦闘場は、第二、第三の戦闘場に挟まれるように建てられています。その壁は……凝視すると透明になって見えます。

 凝視していなかったら普通に深い緑色の壁です。これは、前第一戦闘場への侵入者が来て、その場にいた全員が助けを呼んでも気付かれずに殺されたと言うことがあり、透明にして見えるようにしているんです。仕掛けは……能力を使っているそうです。詳しくは知りません。


 ちなみに、窓が無い理由についてですが……それについては、付けられない、というのが理由。他にも理由はあるんだけど、第一、第二、第三戦闘場には、観客席というのがある。それが原因で、窓が付けられない。まぁ……上の方にはあるんだけど、そこからじゃ中は見えないからね。後、観客席は……地面から約5m程の高さから三階まである。


「…………え?」


 思わず私は、手を止めてしまった。見てしまったのだ……刀華先生に一瞬で近づく、一年生の姿を。


「……ギリギリ見えたけど……何あの速さ」


 どうやら、彩月も手を止めていたらしい。私も、ギリギリ見えた。あんなおかしな速さ、三年生でも見たことない。そうして見ていたら、刀華先生が吹っ飛んだ。壁に当たり、血を吐いている。咄嗟に魔力を纏ったようなので、重傷にはなっていないようだ。


「え……?」


ドーンッ!


「うわ!」「わっ!?」


 私と彩月はその音にびっくりした。そして、思わずその方を向いてしまった。


「何だ!? 今の音!」


 先生と他のクラスメイトも驚いていた。そして、手が止まっていた。


「あれは…………刀華先生?」


 クラスで一番目立っている男子が言う。どうやら、壁の向こう側を見てしまったようだ。あの一年生によって吹っ飛ばされた刀華先生を。 


「何だよ……あの一年生……無茶苦茶すぎるだろ」


 クラスで一番目立っている男子が言うが、これに関しては同意だ。刃が潰れているとはいえ、高速で飛んでくる剣を受けても無傷なのだ。それに、剣が折れている。

 そうして、しばらく剣の射的ゲームをクラス全員が見ていた。模擬戦なんて誰もやっていなかった。先生も一年生の模擬戦を見ていたので、注意は一切していなかった。先生としてはいけないことだろうけど、私としては都合が良かった。


「当たった剣は全て曲がってる……いくら魔力を纏っているとは言え、体硬すぎでしょ」


 思わず、私は呟いた。その呟きを聞いた彩月も、こう呟いた。


「そうだよね……何か能力を使っているのかな」


 私もそう思った。あの硬さは人間の硬さじゃない。魔力を纏っていても……高速で飛来してくる剣を諸に受けて、無傷で居られるはずが無い。強化系の能力を使っているのだろうと思った。そうしてぼんやり見ていたら、いつの間にか刀華先生の剣が壊れた。


 壊れたのを確認してから、あの一年生の子は、刀華先生に接近した。それに対抗してか、両手に剣を持つ。離れてもどうせ近づかれると考えたのだろうか。だが、剣は一年生の子に弾かれた。


 そして、あの一年生の子が持っていた銃剣?みたいなもので先生を斬り倒した。


 そして、今に至る。



 side out




「……着いたか」


 俺は教室のドアを開け、教室に入った。他のクラスメイトは全員いた。そして、俺が入った瞬間、凄く俺に視線が集中した。俺はそれを無視して、自分の席に向かう。


「遅かったわね」


 すると、ドアの近くの席である雫が話しかけてきた。そういや、どうでもいいけど教室が汗臭いな。実戦訓練のせいか。まぁいいや。


「……これ、授業どうなるんだ?」

「……さあ? 誰か他の先生が来るんじゃない?それより、そろそろ席座ったら?」

「……わかった」


 そう言って、俺は自分の席に座った。もうすぐで授業が始まる。担当は刀華先生だ。だが、来る気配が無い。そう考えている内に……。


キーンコーンカーンコーン


 チャイムが鳴った。刀華先生は来ていない。授業はどうなるのだろうか。刀華先生はまだ気絶しているのか?


 俺がそう考えながら、教室のドアを見て待っていると……校長が来た。校長の到来に、クラスの一部からは歓喜の声が聞こえる。校長はまぁ……美人な方だから、会えて嬉しいのだろうか。


「皆さん、授業を始めます。確か号令は……來貴君、お願いします」

「……起立、気をつけ、礼」


 刀華先生は、もう起きているのでは無いのだろうか……そんな疑問を胸に秘めつつ、俺は号令をする。校長が俺に号令をさせたということは……刀華先生が校長に俺に号令をさせるよう伝えたと言うことだろうか。正直、止めてほしい。


「「「「「お願いします」」」」」


「四限目の授業は、自習になりました。自習を見るため、私が来ました」


 どうやら、校長は自習の監視のために来たみたいだ。というか、わざわざ校長が来る必要があるのか?仕事があるだろ、仕事が。もう終わっているのか?それとも……サボっているのか?


「……來貴君」

「…………なんですか?」


 自習の途中、校長が小声で話しかけてきた。何を目的に話しかけて来たのだろうか。とりあえず、応答をしよう。


「今日の放課後、校長室に来てください」

「……わかりました。そう言えば、俺の入科届けはいつ返して貰えるんでしょうか」

「……今日中には返しますよ」


 そう言って、校長は教卓の方へ行った。隣の文奈の視線が痛いが、気にしない。恐らく、こいつには聞こえていたのだろう。まぁ、関係ないので大丈夫だが。


 そうして、何事もなく50分経ち、四限目が終了した。


キーンコーカーンコーン


「チャイムが鳴ったので、自習を終了します。來貴君、号令」

「……起立、気をつけ、礼」


「「「「「ありがとうございました」」」」」


 さて、四限目が終わったから、昼休みだ。俺は、凜姉に持たされた弁当を持ってきた。ちなみに、この弁当は姉が作った。俺はそれを開封した。


「來貴のお弁当、いろいろ入ってて凄いね。來貴が作ったの?」


 黎が弁当を持って話しかけてきた。既に弁当を開封している。確かに、この弁当にはいろいろ入っている。俺の好物のからあげに、ハンバーグ、トマトやサラダ、おにぎりなど、全て手作りだ。そして、この弁当は二段構成になっているのだが、上の段には大好き!という文字が書かれている。……正直、弁当にこれは止めてほしい。見られたら確実に面倒になる。というか酷い勘違いが起こる。


「……いや、これは凜姉が作ったんだ」

「凜姉って誰? 來貴の姉さん?」

「結月凜。三年生の姉だ」

「そう言えば來貴君。……何ですか? この大好きって文字は」

「確かに……実の弟に大好きって言う文字は、ちょっとブラコンがひどいんじゃないかしら」


 いつの間にか接近していた文奈と雫が話しかけてきた。というか……見られたんだが。その発言を聞いてクラス中が凍り付いたぞ。凜姉は学校では有名だから……その、クラスメイトの視線が痛い。なんか……「何故、お前だけ!」とか言われているみたいだ。まぁ、気にしないでおくけど。


「……いつものことだから仕方ない」


 俺は、そう答えるのが限界だった。


 ……後、黎が何か冷ややかな目でこちらを見ているんだが。その目を止めてほしい。多分、何かを勘違いしている。


「……黎、何か勘違いをしていないか?」

「……いや、來貴って……実の姉に手を出したんだなと」

「出してねぇよ!」


 結果、なんとか昼休み中に誤解は解けた。そうして、何やかんやあって、弁当を食べ終わり昼休みが終わった。ちなみに、昼休みには刀華先生は復帰していた。

 

キーンコーンカーンコーン


「……皆さん、席についてください。授業を始めます。來貴君、号令」


 何か、ジトーッとこちらを見てくる刀華先生。怒っているのか?普通、入りたての一年生は絶対に先生に勝てないという、暗黙のルールを破ったからか?そんなルール聞いたこと無いけど。まぁ、そんなことはどうでもいい。


「起立、気をつけ、礼」


「「「「「お願いします」」」」」


 そうして、授業中ずっと刀華先生は不機嫌な様子だった。……よっぽど、自信があったのだろうか。それを俺が打ち砕いたからな。


 そうして、帰りのHRの時間になった。まぁ、もうすぐ終わるけど。


「はい、これで帰りのHRを終わります。來貴君、挨拶」

「起立、さようなら」


「「「「「さようなら」」」」」


 俺は挨拶の後、すぐ帰った。校長から校長室に来いと言われたが、バックれることにした。何か嫌な予感がしたからだ。入科届けは取り返したいが、後日奪い返そうと思った。そして、俺は教室を出て、階段を降りようとした。


「ねぇ……あなたが、結月來貴君だよね?」


 だが、三年生の先輩らしき人に捕まった。この人は、腰まで届く長い黒髪に橙色の目をしている。そして、とても美人だ。それも、凜姉に匹敵するほどの。……いや、凜姉を贔屓しているわけじゃ無いけどさ。


「……はい……そうですけど」


 俺は正直に答えた。面倒なことにならなければいいが。兎に角、早く帰りたい。校長が家凸して来るかもしれないけど。


「私は、東道瞬華。結月君……あなた……能力は?」


 ……は?能力?とりあえず……言おう。別に隠す理由はないし。というか隠しているからバレないし。


「……覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)です」

「へぇ……それはどんな能力なの?」


 ……まだ解放してくれないのか?というか、この東道先輩は何がしたいんだ?


「……脳のリミッターを解除する能力です」

「……まぁいいわ。ちょっと来てくれない?」

「え?」


 俺は、東道先輩に手を引っ張られ、どこかに連れて行かれた。というか、どうでもいいけど後ろからの視線が凄かったな。特に、クラスメイトからの。「何また女侍らせているんだよ!アァ!?」とか言っていた感じだ。……別に侍らせてないんだけど。


「……ここは?」

「ここは、執行室。執行科(エンフォースメント)の学室よ」


 ……なんだが、嫌な予感が強まってきたぞ。


「え……? 何で俺はそんなところに連れてこられたんですか?」

「それは、君を勧誘するためだよ。あ、名前言ってなかったね。私は、鳳彩月。よろしくね」

「……えぇ……」

「まぁ、諦めなさい。この子達は、やると決めたらとことんやりますから」

「……げ、校長」


 校長が、何故かこの部屋にいた。俺を校長室に呼び出したくせに、何故この執行室にいるのだろうか。というか、え?俺、強襲科(アサルト)に入ろうと思ったのに、執行科(エンフォースメント)に勧誘されて強制加入させられるの?嫌なんだけど。依頼とかめんどくさい。


「……教官。私は、結月來貴君をここ、執行科(エンフォースメント)に推薦します」

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