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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第一章 選定編
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2話「入学式とクラスメイト」

「で……入学式はいつ始まるんだ?」


 俺と文奈は教室で待機していたが、そろそろ待つのも面倒だと思い、隣の席にいる文奈に聞く。今日は入学式だけだと思うから、早く帰りたい。


「もうすぐ始まると思います。先生が来て、体育館に連れて行ってくれるのですが……」

「そうか……」


 俺は、その言葉を信じて待つ。他のクラスメイトもいるしな。


ガラガラガラ


「全員、いますか? 1、2、3…………いますね!」


 教室のドアが開いて、先生らしき人が入ってきた。だが、その見た目は完全に俺達と同じ年に見えるような見た目をしている。本当に先生か? 生徒の間違いじゃないのか? と俺は考えた。そう思った一瞬、俺は先生らしき人に睨まれた気がするが……とりあえず気のせいだろうと考えた。


「これから、入学式のため体育館に向かいます。私は、如月刀華(きさらぎとうか)です。あなたたち一年一組の担任です。よろしくお願いします! それじゃあ、行きましょう!」


 どうやらあの人は本当に先生だったようだ。

 そして俺達は、体育館に向かう――――。




 ――――体育館に着いたらすぐ、入学式が始まった。


「皆さん、静かにしてください。これから、入学式を始めます。私は、この軍事育成機関高等学校の校長、西宮寺琴音です。始めに、皆さん、入学おめでとうございます。そして、一つ言っておくことがあります。皆さん、ここは軍事学校です。死なないようにしてくださいね。それだけです。これで入学式を終わります。あ、結月君、後で君は校長室に来てください」


 校長……西宮寺さんの長い長い話がやっと終わり、やっと帰られると俺は伸びをする。だが、俺は最後に校長が言った言葉について考える。確か――――。


(後で校長室に来てくださいだと…………?)


 その言葉が幻聴では無かったのなら、俺は校長室に今すぐ行かないといけない。だが、面倒だ。俺は早く帰りたい。


「來貴君、何かやらかしましたか?」


 文奈が俺にそう聞く。どうやら、さっきの言葉は幻聴では無かったと俺が判断するのは、そう遅くは無かった。


「……俺は何もしていない」

「本当かなぁ……」


 文奈は疑うようにそう言いながら、俺の顔を見る。というより……こいつ、さっさと教室戻れよと、心の中で文奈に突っ込む俺。だが口には出さない。


「……お前はさっさと教室戻れよ」

「はいはい、わかりました」


 茶化すようにそう言いながら、文奈は教室へ戻った。


「……行くか」


 俺は、校長室に行くことにした。……だが、その数分後。


「場所がわからない」


 迷った。迷ってしまった。校長室ってどこだよ。校長室って扉の前に書いてあるのか? それだったらわかりやすいが。だが、そんな校長室を見たこと無いと、俺は思い、探索を再開する。

 

(……あれか?)


 明らかに校長室っぽい扉と、壁の金っぽいところに校長室と書いてある。恐らく、ここが校長室だろうと俺は考える。


(……入るか)


 そして、俺は校長室に入った。


「失礼します」

「……来ましたね、來貴君。久しぶりですね」


 どうやら、ここで合っていたようだ。ていうか、あの金っぽいところなんなんだよ。あれか? 校長の権力で作ったのか? まぁ、軍事学校の校長だからその権力で何とか出来るのだろうと俺は結論づけ、呼び出した校長の方を見る。


「……確かに久しぶりですけど、何の用ですか?」


 早く終わらせたいので何で呼んだのかを聞く。俺がなんで久しぶりだと言ったかは、自身が中学の時に()()で何度か会っているからだ。


「……入学試験の時、手を抜きましたよね? 分かっていますよ」


 この軍事学校の入学試験。それは、勉学と実技だ。そこで、俺は適当にやった。する意味なんて無いが、


「……そうですよ」


 手を抜いたことがバレたが、校長にバレたことはそんなに問題はない。というか隠しても意味が無い。俺は校長と、依頼で何度か一緒に戦ったことがある。そのときに、自分の力を見られていたし、その概要もほぼ全て言ったからな。


「……手を抜いて、入学試験総合5位ですか」


 そこで一旦言葉を切る校長。そして、こう言った。


「あなたの能力……覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)。それは脳のリミッターを解除する能力。……そう登録されていますが、本当は"全てのリミッターを覇壊する能力"ですよね。思いっ切り偽装していますよね? 私、知っていますよ?」


 校長が、俺の核心を突くように言ってくる。……校長が言っていることは本当だ。


 俺の能力、覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)。これは"全てのリミッターを覇壊する能力"だ。この能力は簡単に言うと……限界の無い身体強化だ。


 自分で言うのも何だが、この能力はかなり強い。だからこそ、俺はこうしている。


 そして、俺は校長にこう言う。


「……そうですよ」


 それを聞いた校長が、溜息をつく。俺を呼びつけた要件はこれだけかと考え、俺は校長に聞く。


「ところで、いつ俺は解放されるんですか?」

「あ、聞きたいことは聞いたので、もう帰っていいですよ。それと、結構急いでくださいね。あなただけ遅れていますから」


 俺は、その事に少し校長に対して怒りを覚える。だが、その怒りは凄くどうでもいい。俺は、学校が面倒なので早く帰りたい。だが、校長に呼び出され、話を聞く。そして、校長から自分だけ少し遅れていると言われる。それは即ち、帰るのが遅れているということだ。


(マジか……とりあえず、軽くリミッター壊していくか)


「失礼しました」


 校長室を出た瞬間、俺は能力で足のリミッターを壊した。そして、一年一組に向かって走った。気配も絶っていったので、他のクラスで授業してる先生や生徒にはバレていない。

 走って五分くらい経ったとき、着いた。途中、俺は迷いそうになったが、能力を使って冴えきった脳で、必死に思い出した。


「遅いですよ、結月君。皆待ちくたびれてましたよ」


 先生に注意されなかった記録が途絶えた。そんなことはどうでもいい。


「校長の話が長かったからです」


 とりあえず俺は言い訳をすることにした。事実だけど、絶対に通用しないと言った途端思った。


「言い訳は聞いてません。教室に入りますよ」

「わかりました」


 教室に入った。周りからの視線が痛かった。まるで「遅ぇぞクソ野郎」と言ってるようなものみたいだった。

 

「遅かったですね、來貴君」


 俺がさっき思ってたことを言われた。こいつ、心を読む能力でも持っているのか?こんな状況でも、俺はどうでもいいことを考えていた。


「うるさい」

「はいはい」 

「これで全員揃ったので、軽く説明をします。まず、改めて、私の自己紹介をします。

私は、この一年一組の担任になった、如月刀華です。皆と一年間仲良くしたいと思っています。よろしくお願いします」


 先生が自己紹介をした。やっぱり、先生に見えない。見た目が十七歳くらいだからだろうか。ちなみに、刀華先生の見た目は、俺達と同じような見た目で童顔で、黒い髪に茶色の瞳という、いかにも日本人みたいな見た目だ。そして、一応スタイルはよく、顔も良いので美人な方だ。性格が良いとは限らないけど。

 

「來貴君? 今、何を考えていたんですか?」


(ナチュラルに心読んでんじゃねぇよ。少しビビったじゃねぇか。俺の周りには心を読む能力を持っている奴しかいねぇのかよ)


 と、俺は考える。すると、刀華先生はハッとしたような顔をする。…………何か、嫌な予感が。


「あ、それは失礼しました」


(だから心を読んでんじゃねぇよ。何回も言わせんなよ)


「さて、先生の自己紹介が終わったので、これからの予定を話します。皆さん、もう帰っていいですよ」


 よし、やっと解放される……さっさと帰って寝ようと、俺は席を立ち、帰った。それから、校門の近くで凜姉に捕まった。

 凜姉は、一年一組よりも早く出たようで、校門でずっと俺を待っていたようだった。


「來くん、やっと来たね! 早く帰ろう!」

「あ、凜姉……わかった」


 とりあえず、校門の近くにいた凜姉と一緒に帰った。周りの三年生らしき生徒からの視線が痛かったが、特に俺は気にしないことにした。


「ねぇ、來くん、クラスどうだった?」


 いきなり凜姉がそう聞いてきた。質問の意味がわからない。いや、言いたいことは分かるのだが、なんでそんなことを質問してきたのかが分からない。


「どうだったって言われても……まだわからねぇよ。全員知らない人だし」

「そっか……クラスの女の子と仲良くなった?」

「…………は?」


 What?ちょっと意味がわからないです。俺の姉は、一体何を考えているんだ?と、俺は考えながら混乱している。


「來くんの隣の席の子が女の子で、その子と仲良くなった?」


 どうしてそこまで知ってるんだ?訳がわからないよ。俺はそう思いながら、その理由を考える。もしかして、姉だからか?いや、理屈になってねぇな、それ。


「まぁ……確かに隣は女子だけど」

「その子の名前は?」

「稲垣文奈」

「あぁ……ならいいや。もし、その稲垣さんのことを好きになったなら、お姉ちゃんのところに連れてきてね?お姉ちゃんが、來くんに見合う女の子か選定してあげるから。まぁ、私以上に來くんを知ってる女の子なんて居ないと思うけど」


 何を言ってるんだ?そんなことになるわけ無いだろ。それに…………後半の言ってることがブラコンのそれなんだけど。と、俺は心の中で突っ込む。


「そんなことになるわけ無いだろ」


 俺がそう否定すると、凜が豊満な胸を張りこう言った。


「そう……ならお姉ちゃんが來くんと付き合ってあげる!」

「そんなこと言うなよ、俺達姉弟だから付き合えないだろ」

「そうね……でも、出来ないことはないんじゃない?」

「………………」

 

 ……そんな会話をしていると、家に着いた。家に着いた後、俺は荷物を部屋に片付けリビングへと行った――――。


「あ、お兄ちゃん!」


 ――――俺が珍しくリビングで暇していると、琉愛が話しかけてきた。


「ん? どうした、琉愛」

「中学のクラスで友達が出来たの!」


 友達か……俺、そんなに友達居ないからなぁ……と、小学中学時代のことを思い出しながら、俺はそう考える。俺は小学校の時も中学校の時も、友達は一人だけだった。今日は何故か文奈に話しかけられたが。なんでなんだろう。


「ああ、それはよかったな」

「むぅ……反応が薄いよ。こんなに可愛い妹が愛しのお兄ちゃんのために話してるのに」

「…………そりゃ悪かったな」


 俺は呟くように、そう謝罪した。すると、琉愛はわかっていたように、少し微笑んだ。


「いいよ。お兄ちゃんは昔からそんなんだったし。……それでお兄ちゃん、クラスはどうだったの? お兄ちゃん、見た目はかっこいいけど陰キャ過ぎるから友達出来ないと思うし」

「余計なお世話だ。親友はいるぞ。高校は別だけどな。……ん?」


 俺は、玄関先から知っている気配が来るのを感知する。


「ただいま~帰ったぞ~」

「親父……帰ってきてたのか」

「お父さん、お帰り!」

「お、琉愛か。久しぶりだな」


 この人は、結月蓮也(ゆげつれんや)()()()の父親だ。ちなみに母親は仕事でいない。二人とも仕事で忙しいから家にいる時間が少ない。

 だから、料理とか家事はほとんど俺か凜姉がやっている。


「親父、今日帰ってくる日だったか?」

「ああ、そうだが……どうかしたか?」


 親父は軍に所属していて、仕事がとても忙しい。軍の上層部のまとめ役をしているそう。

 そしてめっちゃ強い。俺でも数回ぐらいしか勝ったことがない。……まぁ、条件が変われば別だけど。


「いや、何でも無い」

「そうか……ところで、夕飯は?」

「はいはい、出来たよ」


 親父は、いつの間にか着替えていて手を洗ったようだ。そして、凜姉が作った夕飯を一口。


「おお! 久しぶりに凜の作った飯を食べたが、やっぱりうまいな。少し料理の腕を上げたか?」

「そうかな……父さんって、家に帰ってきたとき大体それ言うよね」

「ああ、本当にうまいからな」

「……ごちそうさま」


 俺は夕飯を食べ終えたので、上の自分の部屋へ行く。リビングに居ても、すること無い。だが、たまに凜姉に家事を手伝ってくれと言われることはある。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「………………」

「どうかしたの?父さん」


 凜は、急に黙りこくった自分の父親の顔を見る。すると、急に優しい笑みを見せる。


「いやな……來貴のやつ、ずいぶんと丸くなったなって思ってな」

「そう……」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ピピピピピピピピピ

 

「…………ん?」


 どうやら、俺はあの後いろいろ作業をしているうちに寝てしまったようだ。ベッドに入った覚えはないが、凜姉か親父が運んでくれたのだろう。

 とりあえず、起きよう。來貴はそう考え、上体を起こそうとする……が。


(……ん? 両隣に変な感触が……左は何か温かいものに挟まれて、右は柔らかいものに……って)


「なんでいるんだよ」


 思わず声に出てしまっていたが、左に凜姉が、右に琉愛がいた。邪魔だからさっさと起きてほしい。


「んあ…………あ、來くん、起きてたんだね、おはよう」

「そんなことはどうでもいいからさっさとベッド(ここ)から降りてくれないか? 邪魔だ」

「來くんのいじわる……わかったよ」


 凜姉はベッドから降りて朝食を作りに行ったが、琉愛が起きないので起こすことにした。


「琉愛、朝だぞ。さっさと起きろ」

「んう…………あ、お兄ちゃん、おはよう」

「おはようじゃない、さっさと降りろ」

「お兄ちゃんが辛辣…………わかったよ」


 琉愛もベッドから降りて下に行った。俺も下に行こうとベッドから降りる。今日は入学式後の学校なので、遅れるわけには行かない。下に行くと、凜姉が朝食を作っていた。まだ終わっていないようなので、俺はソファで過ごす。


「來くん、朝ご飯出来てるから食べよう」


 数分後、どうやらできあがったようだ。


「わかった」


「「「「いただきます」」」」


 そして、俺は朝食を食べる。


「ごちそうさま」


 俺は約5分くらいで朝ご飯を食べ終え、学校に行く支度をする。さっさと学校へ行って凜姉から逃げるためだ。といっても、大抵は捕まるのだが。まぁ、凜姉から逃げる意味なんて殆ど無いんだけど。


「よし……」


 今日はツイてる。凜姉から逃れられた。そのまま学校へGOだ。


「あ、來貴君、偶然ですね」

「……え?」


 学校へ行く途中、文奈と遭遇した。今日はアンラッキーだ。ラッキーじゃなかった。


「ちょっと、ラッキーじゃなくてアンラッキーってどういうことですか? 私に会えてラッキーですよね?」

「……はい」


 普通に心を読まれた。というより、あれはヤバい。女が出していい威圧じゃない。中学時代最強の一角だった俺がビビるほどの威圧だ。一般ピーポーが食らったら気絶するだろう。


「とりあえず、一緒に学校行きましょうか」

「……はい」


 俺達が学校へ向かおうとしたとき、後ろから走る音が聞こえた。俺は、まさかと思い、その方向を見る。


「來くん! 置いていかないでよ!」


 その声の主は、俺に飛びついてくる。俺は、その声の主である凜姉を、容易く受け止めた。というか……嫌な予想が当たった。マジでアンラッキーだ。


「來くん、可愛い姉を置いていくなんてひどいよ!」

「……あーはいはい、悪かったよ」

「……その人誰?」


 凜姉が俺を睨みながら圧を掛けていく。何故俺は睨まれているんだ?と、俺は考え、思考を張り巡らせる。


「私ですか? 私は來貴君の友達の、稲垣文奈です」

「ふーん、この子が稲垣さんね……私は、來くんの姉の、結月凜です」

「はい、よろしくお願いします」

「こっちこそ、よろしくね」


 俺は、さっきの会話で言いたいことがある。自分はいつ文奈の友達になったのかと。あと、凜姉と文奈がいつの間にか仲良くなった様子なのだが……そして俺は、早く行かないと学校に遅れると気づき、二人に声を掛ける。


「……二人とも、そろそろ学校行こう」

「はい!」

「うん!」


 それからしばらくたって、学校についた。そして今、先生が来て、朝のHRが始まった。


「皆さん、席についてください。HRを始めます。まず、これからの予定について話します。一限目の授業は自己紹介をします。以上!」

 

 それからしばらくたち、一限目が始まった。


「皆さん、席についてください。授業を始めます。誰にしようかな……來貴君でいいや。來貴君、号令お願いします」


 そのことに、俺は面倒だなと心の中で悪態をつく。だが、しないと授業が進まないので、渋々号令を掛ける。


「起立、気を付け、礼」

「「「「「「お願いします」」」」」」

「着席」

「号令、適当ですね」


 文奈が俺にそう言っていく。……黙っていろ、文奈。そこは気にする部分じゃないんだ。


「……黙ってろ」

「はいはい、わかりました」

「一限目は、HRで言った通り、自己紹介をします。内容は、自分の名前と能力と、特技をお願いします。まずは、稲垣さんから」

「はい、私の名前は、稲垣文奈です。能力は風流操作(ストームコントロール)です。特技は、風で相手を蹴散らすことです」


 文奈あいつ、中々物騒なこと言うな。ワンチャンサイコ○スなんじゃないか?と、俺は心の中で考えるが、それ以上は考えない。一瞬圧を感じたからだ。隣から。


「次、浦坂さん」

「はい、僕の名前は、浦坂黎(うらさかれい)です。能力は……持ってないです。特技は、スナイパーライフルで相手を撃つことです」


 長くなりそうだ…………寝よう。俺は、机に突っ伏して寝た。




「來貴君……來貴君!起きてください!あなたの番ですよ!」


 うるさいな……もうちょっと寝かせてくれよ。そう考え、起きかけた瞼を閉じまた眠る。起きるのがダルい。


「……來貴君!! 起きてください!!」

「んあ……先生、何ですか?」

「最後、あなたの番ですよ、自己紹介」

「……ああ、俺ですか……俺の名前は、結月來貴。能力は覇壊の轟き(オーバー・ドライブ)。特技は、速く動くこと」

「はぁ……これで全員終わりましたね」

 

キーンコーンカーンコーン


 俺が自己紹介を終えたと同時にチャイムが鳴り、一限目が終了した。とりあえず俺は号令をしてから、もう一度寝ることにした。


「來貴君、起きてください、二限目が始まりますよ」

「ん…………? 文奈か……どうした?」

「どうしたじゃありませんよ、もうすぐ二限目が始まりますから起こしただけです」

「そうか」

「皆さん、席についてください。授業を始めます。一限目寝ていた罰として、來貴君、これか

ら一週間号令お願いします」


 俺は、一週間ずっと号令という面倒なことに溜息をつきながら、号令をする。


「えぇ……起立、礼」


「「「「お願いします」」」」


「着席」


「ちょっと……今のは適当すぎますよ……ほとんどの人が反応できてないですし」


 文奈が、困惑しているような顔でそう言ってきた。そんなもん、反応出来ない方が悪い。軍の人間だったらそれくらい全員余裕で反応する。

 だからこれは、練習の一つだ。反応出来なかったら土俵にも立てない。俺は、一週間の号令を反射の練習とクラスメイト達に課すことにした。


「まぁ…………いいだろ」

「はぁ……」

「…………少し号令が適当すぎますが、いいでしょう。二限目は、皆さんの能力がどんな能力かを教えてもらいます。來貴君、あなたの能力はどんな能力ですか?」

「…………俺ですか? 俺は脳のリミッターを解除する能力です」


 能力を俺は偽装しているので、自分だけは能力を隠しているという形になっている感じがしている。だが、校長は知っているので隠しているようで隠していない感じだろうか。


「結構チートですね……あ、ちなみに私の能力は刀剣操作ブレイド・コントロールです。刀剣を操る能力です。それと、能力を持っている人はどれだけいますか?」


「「「「「「はい」」」」」」


「一、二、三、四、五…………十人……結構いますね」


 十人。俺のクラスに能力者は自分が思っていた以上にいたようだが、その中に俺より強い人物は誰一人としていないだろう。

ちょっと能力名とか適当だったかな

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