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真実と想いの業  作者: 神無月凍夜
第二章 執行科編
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18話「尋問」

「……週明けぶりだな。じゃ、ありませんよ! この週末、何をしいてたんですか!? ……まさか、髪を染めて、カラコンを買って左目にはめていた、というわけではありませんよね?」


 いきなり文奈が脅迫(尋問)を開始してきた。だが、俺は動揺せずに、さっきの文奈の尋問に対して答える。


「んなわけねぇだろ」

「……じゃあ、なんでそうなったんですか?」


 文奈は、教室の扉からこっちに向かって歩いてきた。そして、俺に詰め寄り、問いかける。とても距離が近いので、俺は思わず文奈の顔から目を逸らす。


「……ちょっとな。いろいろあったんだよ」

「……そのいろいろってなんですか?」


 文奈は俺に近づいたまま聞く。近いからちょっと離れてもらいたいんだけどな。というか、黎はいつまで教室の扉の前で突っ立っているんだ?


「……いろいろはいろいろだ」

「それ、答えになってないよ。來貴」


 いつの間にか、こっちの方に近づいていた黎が言う。後、文奈と俺の距離についてはスルーなんだな。


「……いいんだよ、別に」

「……はぁ。で、何があったの?」


 俺が言ったことに溜息をつきながら、何があったか問いただす。まぁ、本当のことを言うつもりは一切無いけど。とりあえず、適当に言っておこう。


「ちょっと襲われたんだよ」


 嘘は言っていない。ネルに下校中急に襲われたからな。

 

「……随分軽く言いますね……大丈夫だったんですか?」

「ああ」

「でも、それだと髪の色と目の色が変わっている理由にはならないよ」


 ……そうだった。襲われたからって、髪の色や目の色が変わるとは限らない。他に何か原因があるのだろう。黎の奴、意外と頭が切れるな。今度からは注意しよう。というか、文奈がいつの間にかちょっとだけ俺から顔を離したな。さすがに距離感に気付いたのだろうか。


「……そこはまぁ、いろいろあったってことで」

「……今回は見逃しますが、いつかちゃんと言ってくださいね?」


 ……なんか、文奈も凜姉と同じようなこと言ってきたな。視界の端にいる黎も納得した様子だし。まぁ、誤魔化すのが楽だからいいんだけど。


「……言う機会があったらな」

「……その機会があったら言ってね?」


 黎が、俺に釘を刺すように言った。というか……黎がなんか俺の下から上を見ている気がするんだが。もしかして、俺の身長を見ているのか……?10cm以上伸びたから、多少の違和感があっても仕方が無い……だが、座っているからあまりわからないはずだが。


「……來貴、stand up」


 ……何故英語なんだ?しかも、命令口調なんだが。まぁ、立つけど。俺は黎の言うとおり、自分の席から立って黎の方を見た。黎が、金曜日に見たときよりも小さく見えた。文奈も、同様に小さく見えた。俺の身長が伸びた影響だな。


「……なんか、身長が伸びてる気がするんだけど」

「10cmくらい伸びたからな」

「……ずるい」


 なんか、俺は黎に殺気を孕んだ視線で睨まれている。それと、文奈にも殺気を孕んだ視線で睨まれている気がする。黎の身長は165cm。文奈の身長は157cm。二人とも俺より20cm以上小さいので、俺を見上げる形で睨んでいる。二人とも身長が高くなりたいのだろうか。とりあえず、俺は自分の席に座ることにした。


「……なんでそんなに身長が伸びてるんですか?」

「……なんか伸びてた」

「それ……理由になってないけど……もういいや」


 黎は諦めたように、自分の席へ行った。これで、大丈夫だろう。文奈も、諦めたように俺の隣の席に座った。


 そして、俺は寝ることはせずに窓の外を見る。相変わらず、窓の外の景色は見えない。たまに文奈が話しかけてくるが、俺は軽く流していた。


 それから何分かすると、クラスメイト達が教室の中に入って来た。入って来たクラスメイトは、俺の姿を見て何かヒソヒソ話しているが、俺に話しかけようとしている奴はいない。クラスメイト達は、俺の姿を見て何を思っているのだろうか。俺は、ヒソヒソ話している様子を見てそう思った。


「注目の的ですね、來貴君」

「……うるせぇ」


 俺をからかうように、文奈はそう言ってくる。やめてほしい。なんか、俺を見ている視線の中で殺意が籠もっている視線が混じってきた。十中八九こいつのせいだ。黙らせようかな。口塞いで。


「來貴君、もうすぐでHRが始まりますよ。起きてますか?」

「……起きてるよ」


 どうやら、もうすぐHRが始まるらしい。時計を見てみると、後1分だった。……この見た目、刀華先生に何か言われそうだな。例えば……中二病とか?灰色の髪とか、オッドアイとか。中二病要素満載だ。実際、凜姉にもそのことを言われたからな。文奈や黎に言われたら黙らせる。


「そういえば、來貴君の見た目、結構中二病みたいでんんっ!?」

「……それ以上は言うな」


 この事は、触れてはいけない。文奈の口を右手で塞ぎ、黙らせる。周りの視線がより痛くなり、殺気もより濃密なものになったが、逆に俺が殺気を出して黙らせる。


「……ぷはっ。……ひどいです、來貴君。いきなり口を塞ぐなんて……女の子にすることじゃありませんよ?」

「……気にするな」

「気にするなって……ひどいですよ、それ。もう中二病って言いませんからっ」

「……ならいい」


 文奈から言質は取れた。これで、もう一回中二病って言ったら……いや、何もしないけど。ただ、もう一回口を塞ぐだけだ。ついでに、中二病という言葉を記憶から消す。


キーンコーンカーンコーン


「皆さん、席についてください。HRを始めま……え?」


 チャイムが鳴り、教室に刀華先生が入って来た。入って来たと同時に、クラスの中を見回したが……俺の方を見た途端、その顔が驚愕に染まった。


「……コホン。では、まず今日の予定について話します。今日は特に何も変更はありません。以上」


 俺の事はスルーして、HRを始めることにしたようだ。まぁ、話している間もチラチラと俺の方を見ていたが。その視線は、何か哀れみの感情が込められているような気がした。というか……今、中二病に同情でもしたか? その痛さに心を痛めたか? どちらにせよ……一回はボコボコにしたい。


 HRルームが終わった後、俺はクラスの奴らから問い詰められた。何で髪の色が灰色になっているのか。何で左目の色が金色になっているのか。何で身長が土日でそんなに伸びたのか。そりゃもう、何で何で言われてうるさかった。最終的には先生が来てそれを抑えてくれた。というか……なんで今になって話しかけて来たんだよ。


 そして、今は一限目の途中だ。まぁ、普通の授業だから退屈なんだけど。


「……來貴君、朝の時間の時に殺気を放ってましたよね? それが原因です」

「……ナチュラルに俺の心を読むな」


 殺気……か。あの程度でビビるのなら、カスも同然か。四割も出していないんだけどな。


 そして、無事に一限目が終わった。二限目も普通の授業だ。まぁ、今日やる内容も頭に入っているので、授業を受けなくてもわかるが……一応受ける。


 休み時間が終わり、二限目が始まる。


「皆さん、席についてください。授業を始めます。結月君、号令お願いします」


 ……また俺が号令かよ。だが、どうせ文句を言っても変わらないので、素直に従って号令をする。


「起立、気をつけ、礼」

「「「「「お願いします」」」」」


 今回は全員反応出来たようだ。……これ毎回やっているな。次は、もう少し速度を上げてみよう。クラスメイトの誰もが文句を言わないので、号令は俺の好きにできる。若干、もう少し速度を下げろという視線もあるが、直接は言ってこない。理由は大体わかるけど。


「着席」

「「「「「失礼します」」」」」


 着席はまぁ……一言だけだし、反応は出来るだろうな。


「來貴君、なんだが号令係みたいですね」

「やめろ」

「はいはい」


 文奈が変なこと言ってきた。号令係とかどういう係だよ。ただ授業の始めと終わりに号令するだけの係か? 聞くだけだと楽そうだけど……やってみると、超めんどくさい。やったことある奴にしかわからないパターンだ。実際にこの号令係なんてした奴ほぼ居ないと思うけど。


 そして、二限目が始まって何分か立った頃。俺は先生の話を聞きながら、速く授業が終わらないか時計を見ていた。


 隣の席の文奈は真面目に授業を受けている。成績を落としたくないのだろう。授業中は俺に話しかけることは殆ど無かった。黎も真面目に授業を受けているようで、先生の話をしっかり聞いている。


(つまらないな……やっぱり、勉強は嫌いだ)


 勉強が嫌いな学生というのは、世の中には多いのでは無いだろうか。少なくとも、俺はそう思っている。1年1組の奴らも、勉強が嫌いな奴は多い。直接聞いたわけでは無いが、全部見たらわかる。


 俺がそんなことを考えてから、約数十分。後もうちょっとで授業が終わる。


 そして、数分後。チャイムが鳴り、二限目が終了した。三限目は実戦訓練なので、第一戦闘場へ行く。確か、刀華先生対1年1組だった気がする。


「はぁ……めんどくせぇ」

「何がめんどくさいんですか?來貴君」

「実戦訓練だ……俺がいれば、一方的な蹂躙になるだけなのに……って文奈!?」


 いつの間にか文奈がいた。……ヤバい、さっきの発言本当だけど聞かれた。ヤバい。


「へぇ~……來貴君一人だけいれば、先生相手に一方的な勝負になるんですね」

「いや、ならないから。さっきのは聞かなかったことに……」

「じゃあ、そのことを先生に言って、私達が倒された後に先生と一対一で戦って貰うよう言っておきますね!」


 俺の言葉は遮られた。そして、文奈は今、職員室にいるであろう刀華先生の元へ向かっている。……こりゃあ、マズいな。止めることは出来ないことはないが、ひじょ~にめんどくさい。


(……もういいか)


 俺が出した結論は、もう放置する。ということだ。もうやっちゃおう。一方的な蹂躙をしちゃおう。一対一で刀華先生倒しちゃおう。そうしよう。




 side ~稲垣文奈~




「失礼します。如月刀華先生はいますか?」

 

 私は職員室のドアをノックし、刀華先生を呼ぶ。何故かというと、來貴君が言っていたことを刀華先生に伝えるためです。

 

「ん? どうしたの? 文奈さん」

 

 刀華先生が来た。早速用件を伝えることにした。


「來貴君が、先生のことを一対一でも余裕で倒せるって言ってました」


 來貴君が言っていたこととは大分違うと思いますが、意味は合っていると思います。


「ほーう……來貴君がそんなことを……」

「だから、次の授業で私達はどうせ負けると思いますので、もちろん私は本気でやりますが、私達が倒れた後、一対一で來貴君の相手をしてください。そして、來貴君をボコボコにしちゃってください」

「……わかった。來貴君、日頃の恨みも兼ねてボコボコにして差し上げましょう! ……それでは、私は第一戦闘場へ行くので、文奈さんも一緒に行きますか?」

「はい、行きます」




 side out




「……そろそろ行くか。」


 俺は、授業開始3分前になったので、銃剣を持ち、第一戦闘場へ行くことにした。文奈は何処かに行ったので、一人で行く。場所はわかるので、さっさと行く。

 そうして、授業開始1分前に着いた。どうやら、俺が最後だったようだ。


「遅いですよ、來貴君。もうとっくに皆来てましたよ」


キーンコーンカーンコーン


「皆さん、並んでください。授業を始めます。号令」

「起立、気をつけ、礼」


 いつもの如く俺が言う。俺は号令係なのか?もはや「來貴君、」のところが省略されていたぞ。しかも、他の奴らも俺が言うってことで納得していないか!? 俺は納得していないんだが。


「來貴君、気にしたら負けですよ」


 文奈が、どっかで聞いたことがあるようなセリフを言う。


「黙れ」

「はいは~い」


 文奈は茶化すようにそう言った。なんか、イラッときた。


「今回は、先生対一年一組の皆さんです。でも、最後に、來貴君と先生が一対一で戦います」

「は!?」


 何だよそんなこと。聞いてねぇぞ……まさか。そう思い俺は文奈の方を見る。


「ふふっ」


 妙にニコニコしていて気持ち悪かった。……絶対こいつの仕業だな。


「とりあえず、皆さんは、向こうの武器庫の中の武器を、好きなものを好きなだけ取っていいですよ。ちなみに、使うのは銃弾は非致死性のゴム弾、剣や刀は、刃が潰れたものか鞘に収めたままです」


 ほとんどのクラスメイトは武器を取りに行ったが、俺はこの銃剣の中に非致死性のゴム弾を込めている。当たったらめっちゃ痛いが、作っておいて良かった。刃に関しては、魔力で無理矢理刃を潰すことにした。試してみたが、普通に潰れていた。

 そして、俺はそれを腰のベルトに二つとも差した。

 装弾数は13発、ストックは130発、魔力量はマックス、コンディションは最高だ。

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