壁
そう、僕にはもう後がない。だから、
【壁】が必要だ。
ここ最近この場所に入ってきた奴は、032番。つまり、僕とあれ
を除いた30人が収容されている事になる。この中に必ずと言っていいほど、不満を持っている奴がいるはずだ。
まずは、この脱走に協力してくれる仲間がいる。
あいつと僕だけでは絶対に成功するはずがない。
僕には【壁】がいるんだ。
それにはまず、ほかの奴らと接触する必要がある。
「どうすれば…」やはりここで詰まるか。
脱走はそう簡単ではない。
必要時以外、外に出れない僕たちが接触する事自体、物凄く難しい。
ましてや、脱走となると、仲間になった者が全員で部屋から出る必要がある。
「あー、考えれば考えるほど無理じゃないか。」
ガンゴンガンガシヤァアアン
「お悩みですか?お兄さんww」
またお前かああああああああああ!!!?!?!?!?!?
「っていうか!この前直してもらったばっかだぞ!しかもだ、こう頻繁に会っていると確実に疑われるという事も分からないのか!どこに監視カメラがあるかも分からないのにだな、大「すとーーぷ!!!まぁぁ落ち着いて聞いてよ!部屋の監視カメラなら全部細工しといたよ。エンドレスで同じ映像が流れている。そ・れ・に正攻法で会おうなんて、無理でしょ??w」
こいつ…僕がつまずいていたことを糸も簡単に解決しやがった。
僕はこんな奴に負けるわけにはいかないんだよ。
「…そうだな。なら僕も」 「へ?」
「ちょ…何やってんだよ!」
ガンバキガンゴンバキャン!!!
はぁ、はぁ、「正攻法じゃ
ダメなんだろ?
「おま、やっべぇなwww」
「バレる前に行くぞ。バレる前に必ず仲間を見つける。」
へぇ。こいつただのヘタレかと思ったけど、
使えそうだな。