四、生き残り
四話です。不吉な数字ですね。
若干のグロがあります。と、言っても食べながら見れるくらいのほんのりグロです。グロとも言えないかもしれないくらいのグロです。
保険の残酷な描写はこことあともう一話のせいです。
幼女出てきません。ちょい病み悪魔のターン。
ずっと昔。
と、言ってもまだ老人の昔話と言えるほどの近い昔。
国があった。
不思議な力を使う国。不思議な生き物を従える国。
力はあるのに、周りの何も力を持たないものたちを蹂躙し征服することなど容易な力があるのに、彼らはただ穏やかに暮らした。
けれど。
人間は、未来の危険を見つめて現在の危険を冒す。
放っておけばいいものを。安全だからと目を背けていればいいものを。
それとも、力をあまりにも使わないから愚かにも、これなら勝てると思いこんだのだろうか。
真実は知らない。知りたくもない。
ただ、僕が知るのは、その国は最期までひとを殺さず、しかし数の暴力と卑劣なる策に負け、死にかけの老人から生まれたての赤ん坊に至るまで、すべての住人が殺されたということ。
それから、その国に住んでいた不思議な生き物たちは、住人らに逃がされたものの力を削がれ今はひっそりと滅びを待ち、生きているのだということ。
今でも僕は思い出す。
あの、美しい白亜の城の、紅い夕日に照らされた落城を。そして広場に、城内に、壁に、ついた紅いシミを。
僕らも血は紅いから、あの時一緒にシミになれたらよかったのに。
閲覧ありがとうございました。
五話から急展開です。




