第一話 いつかのきおく
ご覧いただきありがとうございます。まったくの初心者中学生ですので、大目に見ていただけると幸いです。内容がはっきりしない部分や、わかりにくい部分などは改善していきます!
茉奈。僕の幼馴染だ。それも絵に描いたような幼馴染。同じ病院で1か月違いで生まれた。しかし退院した日は同じ。それから茉奈は隣に引っ越してきた。僕の母親と茉奈の母親は同級生で幼馴染だ。だから自分の家がどっちだかわからなくなることがあった。僕の母親はいつもごめんねとか言ってたけど、茉奈のお母さんはとても嬉しそうで、家に行くのもちょっとした楽しみだった。そんな茉奈の話をする。
今日は小学校の入学式。茉奈は来なかった。茉奈は最近入院した。茉奈は昔から体が弱いとか言われてたけど、風邪で学校を休むなんて聞いたことがなかった。
僕は入学式が終わると、母親とバスに乗り込む。母親に入院の理由を聞こうとしたけど、なんだか急に怖くなってやめた。外はさっきまでの晴天が嘘のように曇り始めて、病院につく頃には雨に変わった。
「遠いね」
僕が何気に言うと、母親は小さく溜息をついて「もうすぐよ」とだけ言った。
バスのエンジン音と、水たまりに入った時のパシャという音だけが聞こえた。
「ついたわよ」
気が付くと僕は寝ていた。もうすぐなんて嘘じゃないか。
バスを降りると首が痛くなるような大きさのビルが立っていた。無言のまま病棟へ入っていった。
病室の前まで行くと茉奈の名前が書かれたプレートが壁にかかっていた。僕はそのまま部屋に入っていった。
茉奈は起きていた。華奢な体には大きすぎる純白のべッドに座っていた。
茉奈の母親が静かに頭を下げて何やらこそこそ話していたが僕はそれより茉奈の様子が気になった。
「どうしたですか」
茉奈は片言の敬語を使ってそう尋ねてきた。茉奈はこの時くらいから片言の敬語を使って話すようになったのかな。
「茉奈、だいじょーなん?」
僕は尋ね返した。茉奈はちょっとむっとした様子で「大丈夫」といった。
「それより、どうしたですか。その表情」
茉奈の予想外の発言に、思わず顔を触ってしまった。
するとぽろぽろ涙があふれてきた。
「あれ、あれぇ?」
僕が焦っていると、茉奈は可笑しそうにこっちを見て笑っている。なんか悔しい。
しかし、笑っている茉奈も、目が赤い。
なんだ、茉奈も泣いてるじゃん。二人で笑った。
そして二人で、気が済むまで泣いた。
どうしてこの時泣いたのかはわからないけど、めったに泣かない茉奈が泣いたのがもっとわからなかった。
そしてその一週間後、また病室へ向かった。そして茉奈は普段話すようにこういった。
「和、人はどうして死ぬと思うですか」
全然意味が分からなかった。そして僕は茉奈の余命宣告を本人から聞かされるのだった。
今回はプロローグということで短い一話ですが、方向性も固まりつつあるので、書きながら良いものにできたらなと思います。雑賀まで読んでくれた方ありがとうございました!