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【プロローグ】懺悔
たとえば──だけど。
たとえばわたしだけ過去に戻ることができて。
たとえば──その先の未来をわたしだけが覚えていて。
たとえば──。
あの時、わたしをかばってくれた師匠があの場面で死ななかったなら、あれからどうなっただろう。
……分かってる。
そんな『もしも』なんて存在しないってこと。
だけど、もしも。
もしもやり直せるのなら。
わたしは何度でもやり直したい。
──師匠、ごめんなさい。
あなたに生かされた命をわたしは無駄にしてしまいました──。