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愛-殺;  作者: リブ
初章
1/4

プロローグ

プロローグ




 朝はいつも大変だ。

 俺は朝に弱いからだ。

 まして、両親は朝早く出かけているから朝には誰もいない。

 だから俺を起こすのはいつもアラーム時計だ。


 ピリリッ ピリリッ ピリリッ


「はあ…」


 ちょっと寝坊したら遅刻も簡単にできそうな時間だ。

 でも、俺はそんな時間に目を覚めし、顔を擦りながら無理やりベットから起きる。

 また、ゆっくりと階段を下りるが、いつもの所で滑りそうになるけど、すぐ重心を取る。

 そのまま一階の手洗いで顔を洗う。


 寝起きで突っ立っている髪の毛をいつも洗いたいと思うけど、やはりそんな余裕はない。

 髪の毛が突っ立っているのも寝る前に風呂に入ったからなんで、俺は髪を軽く手入れしながら歯を磨いて、二階の自分の部屋に上がって制服を着たすぐにまた階段を下りる。


 相変わらずにさっきと同じ場所で滑りかけた後、キッチンでトーストを食べて家を出る。

 いつも同じだ。



(あつ…)


 始まったばかりの6月の夏は、ただ歩いただけで汗が流れることはない。

 だけど今日の天気は真夏のように暑く、通学路はきつい。

 背中には汗しずくができて無気力になり始める。


 暑い日も、寒い日も腹が立つ。

 みんなそうかも知れないけど、俺は他の人よりちょっと酷かった。

 俺は高校生になってから否定的に考える癖ができてしまい、今になってはもう通り掛ける人を見ると、皆揃って俺の悪口をしてるってまで思ってしまう。

 もちろん、違うと分かっていても。


 最初からこんなことばかり思ってた訳ではない。

 中学の頃には、かなり友達が多かったし、人気もあった。

 でも中学3年生の冬、今から少し前に、絶対忘れられない出来事があって、高校に入ってから殆どの友達との関係を切捨てにした。


 結局の所、俺はあっさりと友達が少なくなった。って言うより二人しかなくなった。


 もう幼馴染と呼べない幼馴染と、中学3年の時のクラスメイト一人。



 どこに行っても暑い為、校舎内に入って上履きに履き替えることも大変だった。

 履き替えた後、廊下を歩く。

 そして相変わらず暑くて気持ち悪い空気と一緒に階段を上った。



「樹、来た?おはよう」


 教室に入ってすぐ俺に挨拶をする女の子、何も縛らなかった黒くて長い髪の毛を翻しながら俺に話しをかけてくれる。

 誰がどう見ても完璧な日本人の髪を持っているこの子は俺の幼馴染の 白川心美しらかわ ここみ だ。

 きれいに長くて黒い髪の毛に、年に比べて大人らしい顔。

 でも、その逆になる制服は魅力的にあって、また、女の子なのに随分とカリスマのある目線。

 多分、クラスの男子の中で、心美が好きなやつはいても嫌いなやつはいないはずだ。


 だけど俺は、そんな心美を中学3年の出来事以来、まともに相手することができなくなった。

 そうだと言っても無視はでにないから苦笑いをしながら軽く手を振って、俺は自分の席に座った。


 知らないふりをしていたけどこうやって家を出て、道を歩いて、うちの学校の制服が見え始める所から誰かが俺を見ながらついて来る気がした。

 まぁ、人も多いし、ただの俺の勘違いだと思うけど…

 

 でも最近じゃ、そうじゃないと思い始めた。

 その理由は、今度が初めてじゃないからである。

 最初にこんな気分が始まったのは多分、高校に入ってから… だから今から約2ヶ月前だ。

 その時から、粗毎日のように何かついて来る気がした。


 だけど、やっぱり俺みたいな下らないやつに誰がそうする… 自意識過剰だ。

 特に俺はあのこと以来、変なことばかり思うから、こんなバカみたいなことも思うんだろう。



 そうは言ってるけどやっぱり気になる。



プロローグ (完)


つづく

新人のリブっています!

よろしくお願いします!!

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