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特進科の最後尾には王道の虜・・・もとい、特進科きっての爽やか青年の"鴇田志羽"が座っていた。
その場所に駆けつけたときに、丁度生徒会が壇上に上がった。
「おはよ長谷部。遅かったな。滝川は?寝坊?」
「はよ。うん」
背後でキャーとかいう野太く黄色い声が聞こえる中、少し言葉を交わす。
『静かに』
そんな中、リンと通る綺麗な声が体育館中に響き渡り、一斉に声が止む。
その声の主は、副会長の山下猛。
俺の中で、生徒会の奴等で唯一の常識人だ。美形で、男の俺から見ても美しいと思う。
『これから生徒集会を始めます。』
山下先輩が開始を宣言し、舞台上の席に着く。
それと入れ替えに生徒会長がマイクの前に立つ。生徒会長の名前は知らない。
まあとりあえず生徒会長は王道と、らぶちゅっちゅしてくれてたらいいのだ。
まあ、そんな会長もそこらへんのモデルになんか負けないレベルの美形なのだが。
でも俺は腐っているだけでノンケだから関係ない。
今日の集会は、生徒交流会の優勝者である王道が生徒会補佐になるという内容だった。
交流会は5月にあり、俺は7月前半からの編入なので
とても美味しい行事を逃して少し後悔をしてる。
が、輝がムービーを撮っていてくれたのでまあよしとしよう。
生徒会長が色々話しているが、俺は寝不足もあり、うとうとしていた。
ガタガタと生徒が席を立つ音で目覚めた俺は、いつの間にか本当に寝てしまったらしい。
それでもまだ眠くて、しばらくボーッとしていると
殆んどの生徒が出て行った頃、視界に黒い物体が入ってきた。
眠くて視界がぼけている目でもそれが王道ということには気が付いた。
俺はまた来た。とおもい、立ち上がろうとするが、体が重い。
いつものことだからいいかと諦め王道が近づいてくるのを見つめていた。
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