24/43
4
「あー、きもちー」
「だねー。眠くなってくる」
「…お前今まで寝てたんだろ」
「…あはははは」
輝はまだ寝足りないらしい。
まあ、それは俺も同じだが。
「まあ、いいや。俺も寝たし。」
「どうやって?」
「なんかふらついてさ。保健室で4時間寝てた。」
「大丈夫?」
「うん、今は全然。まだまだ眠いけど」
保健室に行ったことを何気なく報告して、欠伸をする。
輝も、だなーと返事をして、欠伸をする。
「…あと一時間で学校終るけど、寝るか。」
「さんせーい」
俺の提案に輝も賛成らしいのでもう一眠りすることにする。
俺は無理やり輝の左腕を伸ばさせ、そこに頭を乗せる。
輝は面白そうにクツクツと笑いながら、片方の手で俺の頭を軽く撫でた。
「拓海、相変わらず可愛いね」
「うるさい。そのまま寝たら頭痛いし。」
少し子ども扱いされて不貞腐れる。
輝はそこも可愛いとまた笑ったのでとりあえず横腹を殴った。
呻きながらも左腕は動かさない輝に感心しながら俺は瞳を閉じる。
それに気づいて輝も目を閉じて、外で体育をしている特進科から王道の大きな声や、鳥の鳴き声、風の音などを聞きながらまた眠りに付いた。
.