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「…どうかした?」
「拓海、また体育でないのか?」
「うん、体調が悪いから」
「いつもそうだろ!本当は体育に出られない理由があるんじゃないのか?!」
「いや、だから・・」
「友達同士の隠し事は無しだっていったろ!!本当は大きな病気にでもかかってるのか?!」
…でた。[うざいほう]の王道の妄想。
俺は断じて病気なんかにかかっていない。
だが、この場合病気ってことにしとけばこの場はしのげるか。
俺はとりあえずこの場を脱却したくて、肯定をしようとした瞬間に誰かに後ろから抱きつかれた。
「ごめんな由宇紀、拓海昔から体力なくてさー。」
「輝!おはよ遅かったなー!」
「うん、寝坊しちゃってさ。由宇紀たちは今から体育でしょ?俺拓海と一緒にいるから、行って来なよ」
「でも!」
「ううん。拓海体力はどうしようもないし…。無理に出て倒れちゃったりしたら大変だしなぁ」
「そっかぁ…」
「うん、てことで今日は拓海も俺もサボるから!由宇紀たちは早く行かないと遅刻になるよ?」
「あっ本当だ!もうこんな時間!ほら、行くぞ楓、志羽!それじゃあ、ばいばい!」
「ばいばーい」
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