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保険医。
+++拓海side+++
「…拓海?」
「・・?」
「…どうした?倒れたりしたか?」
「あ、はい、倒れたというか、ふらついてこけた感じで、ついさっき寝たところです」
「……そうか、運んでくれて有難う。後は任せろ。」
竜さんと山下先輩の声で目が覚めた。
あのまま少し寝たみたいだ。
「…りゅーさん?」
「あ、拓海、目覚めた?」
「…んー」
「……拓海君、」
「…あぁ、先輩。すみませんでした」
「あ、ううん。全然平気だよ」
「おい、拓海!お前また夜更かししたのか?」
「…」
「無言は肯定と取るが。」
「……」
「はぁ。…とりあえず、えっと、山下君?ありがとな。」
「あ、いえ…」
「…先輩、ありがとでした」
「うん…。お大事にね」
そういい、俺を椅子に降ろすと山下先輩は出て行った。
その瞬間、横から鋭い視線を感じた。
「…た・く・み?」
「…はい」
「お前、また朝まで小説読んでたんだろ」
「うん…」
「うんじゃないだろ。危ないのは拓海なんだぜ」
「うん、ごめんなさい…」
「はぁ…。」
「…ごめん」
「…もういい。ちゃんと限度を考えな。」
「うん」
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