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+++猛side+++
体育館で椅子の上に横になり今にも寝ようとしてる生徒を見つけ、声を掛ける。
予想していた通り、最近転校してきた"長谷部拓海"だ。
彼は途轍もなく無表情だ。
だからといって無口という訳ではない。
人並みに話すし、声色で感情の変化も読み取れる。
でも、表情はあまり変わらない。微かな笑みぐらいは浮かべるけど・・。
外見は、明るい金に近い茶色の髪型に左目に眼帯をしていて、この間眼帯をしている理由を聞いたら無言で返されたからあまり話したくないのかもしれない。
でも、彼は時々返事をしないから詳しい所は分からないけどね。
少し話がそれたね。彼の外見は、髪の色もそうだけど顔がとても整っていて、すごく目立つ。
彼自身は気づいていないみたいだけど実はもう親衛隊が出来てるんだよ。
無口なのも、ミステリアスでカッコいいって評判みたい。僕から見てもとても綺麗だしね。
でも、カッコいいというよりは可愛いと思うんだ。
そんな彼には、勿論タチのファンも居る。
声を掛けると、どうやら寝不足らしい。起きる気がまったくないみたい。
でも、こんな所で寝たら風邪を引くからといって半ば脅し気味に寮へ向かわせることにした。
渋々体を持ち上げ、立とうとしたときにグラリと彼の体が揺れた。
自分が痛いというのに、彼はまるで他人事のように反応が薄い。
そういうところが放っておけない。
保健室へ連れて行こうと彼を負ぶおうとすると、いやいやをされた。
その容姿でそれをされると、どうにも腰にクル。
しかしそのままにしておけるはずがないので、仕方なく彼を抱っこする。
所謂お姫様抱っこだ。
彼は抵抗しなくて、僕の腕の中にすっぽりと納まっている。
そんな彼は、いたって平凡な身長なのに、すごく体重が軽かった。
体重を聞くと、知らないといわれ、また脅し気味に聞くと50kgと答えた。
…軽い!軽すぎる!ちゃんと食べているのか気になり
体調が悪いのもその所為かと聞こうと思ったら
彼は僕の腕の中で眠っていた。
もうすぐしたら保健室に付くので、それまでは寝かしてあげよう。
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