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ゴルゴ13「沖縄シンドローム」

 日本では「イギリス」と呼ばれる「UK」=「ユナイテッド・キングダム・オブ・グレートブリテン・アンド・ノーザン・アイルランド」は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つのカントリーからなる連合王国であるわけですが、

 そのスコットランドで、もう間もなく連合王国からの独立を問う国民投票が行われようとしています。これは正式な実効力を伴う物で、これでもしも独立派が過半数なら、1年半後の独立が決定するという、たいへんな事態になるわけです。

 「女王陛下のシークレットサービス」であったサー・ショーン・コネリーは腕に「スコットランド・フォーエヴァー」と入れ墨しているほどの熱心な独立支持派。

 さあ、スコットランド国民はどちらを選択するのでしょうか?


 このところ世界では「独立」があちこちで問題になっています。


 たいへんだなあー……

 と、国際情勢とは無縁な日本人はのんびり傍観しているところでしょうが…………


 本題。


 国民的大人のマンガ「ゴルゴ13」に


「沖縄シンドローム」


 というエピソードがあります。1996年1月作品で、単行本の第115巻に収録されています。


 このエピソードが描かれた当時の社会的背景はここではあえて書きませんが、沖縄で過去最高潮に米軍基地及び日米地位協定に対する怒りが巻き起こっていた頃、と言えば、ああ……、と思い出す方も多いでしょう。


 ストーリーは、

 沖縄出身の自衛官たちが、沖縄独立を目指すクーデターを計画する。

 日本政府もその動きを察知して実現の可能性をシュミレーションすると、それは十分可能なものだった。

 そして行動が開始された今、それを阻止することは不可能だった、

 ただ、唯一、Gに首謀者を暗殺させる以外には…………


 というもので、

 今回のゴルゴの暗殺対象は部隊のリーダーである自衛官と、

 彼らのいわばスポンサーである、沖縄独立後の利権を一手に掌握しようと画策する財閥人。

 そしてゴルゴへの依頼主は、日本政府でも、ホワイトハウスでもなく、リーダーが忠義の念を抱く琉球国の王家の末裔だった。外国で隠れるように暮らす彼は、沖縄の現状を嘆きつつも、平和な暮らしを壊すようなことは望まないのだった。


 そう、沖縄は元々、琉球国という独立国家だったのです。

 江戸時代、薩摩藩の武力侵攻によって実質的に日本に編入されてしまったわけです。

 その後も太平洋戦争で唯一地上戦が行われ、多くの島民が犠牲になり、

 その後も広大な米軍基地を押し付けられ、日米地位協定で米軍関係者の起こす事件事故に泣き寝入りを強いられ続け、

 そしてこのエピソードになるわけです。


 このエピソードでは軍事クーデターが企てられ、それがゴルゴの活躍で阻止されるわけですが、


 実はこの沖縄=琉球国独立を目指す動きは、現在もあるのです。


 これは本当……らしいです。

 実際のところどれほどの規模の運動なのかは分かりませんが、沖縄の知識人の間ではかなり本気で日本政府に見切りを付け、沖縄を独立させよう!という思想活動が行われているようです。ネット経由のあやふやな情報で申し訳ないですが。

 スコットランドの例のように、

 沖縄も「琉球国」の歴史によって、十分に「独立国家」となる資格を持っているのです。

 これが10年前、5年前だったら、「まさか」と笑っていられたかもしれませんが、今ここに来てそうした運動が起こってきた背景は当然、名護市辺野古への「新基地建設」があるでしょう。(こう書くと政府の人に怒られるんでしょうけれど、怒っているのは沖縄の人たちですからね)

 もし、沖縄の人たちが本気で日本からの独立運動を始めたら、日本政府、本土の日本人たちはどういう態度を取るのでしょう?

 今回スコットランドの独立問題では、本土(イングランド)の政治家たちが慌てふためいて、「色々特典つけてあげるからさ、お願い、独立しないで?」と必死になってなだめにかかっていますが、

 なんだかなあ、もし仮に沖縄で独立運動が起こっても、日本政府は全然そういう「誠意ある」働きかけなんかしないような気がするなあ……

 沖縄独立を主張している人たちは、


 もう、本土に裏切られるのはうんざりだ!


 と思っているんじゃないですか?

 具体的な行動まで考えているのは一部の人たちだと思うけれど、もし、それが沖縄全体の運動になったら、その時、日本は本当にどうするんでしょうね?

 日本に沖縄の独立を止める資格が、あるんでしょうか?

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