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宇宙兄弟(映画)

 テレビで見ました。


 リアルな宇宙旅行ものというと「2001年宇宙の旅」が代表的だと思いますが、


「この映画が本当に成功したかどうかは2001年になってみなければ分からないだろう」


 と言ったのは監督のキューブリックではなく原作のアーサー・C・クラーク博士でしたか。キューブリックが2001年に上映したいと言っていたインタビューを読んだような気がするんですが、年寄りの記憶は当てにならないからなあ。

 というわけで2001年に1968年に初公開された際の70㎜フィルムの画面を35㎜フィルムで再現した「新世紀特別版」をわざわざ映画館に観に行きましたよ。わざわざというのは、この映画なんかテレビやビデオでいったい何十回見たか分からないくらい見ていましたからね、わざわざ行かなくてもいいかなあと思いつつ、やっぱり一度大スクリーンで観ておきたいなと、わざわざ行きました。

 結果はと言いますと、


 わざわざ行かなくてよかったなあー


 というもので、シネコンでの上映だったんですが、座席数が100程度の小さな劇場で、全然大スクリーンじゃなくて、映像もそれほど劇的に良くは感じず、なんだか単なるそれぞれの場面の再確認で終わっちゃって、盛り上がりませんでしたねえ。


 盛り上がらなかった一番の理由は、2001年に、全然映画の「2001年」が実現されていなかった、という事だったと思います。

 宇宙にはスペースコロニーは浮かんでいないし、月基地もできてないし、一般人の宇宙旅行も行われていないし。

 クラーク博士やキューブリックの思惑としては、2001年にどれだけ自分たちの予想が当たっているだろうか?という得意な気分があったと思うんですが、その点では「2001年宇宙の旅」は合格点には至っていなかったんじゃないかなと思います。

 なんだかこの「新世紀特別版」を観て以降、この映画がすっかりレトロになってしまったような気がします。



 さて、本題の「宇宙兄弟」です。

 これは2006年の子供時代から、2025年、2030年の話でしたか? 最後がちょっと曖昧ですが、合ってます?

 2025年がメインです。

 2025年というと、2020年東京オリンピックの5年後です。2014年の現在からだってわずか11年後の話です。

 2025年にどういうことになっているかというと、再び月に人類を送ろう!という計画で、ロケットが発射され、その日本人初、歴代最年少のメンバーに選ばれたのが、「宇宙兄弟」の優秀な弟の方(岡田将生)。

 一方「宇宙兄弟」の駄目な兄の方(小栗旬)は上司とけんかをして会社を首になって職探しの日々。そんな駄目兄貴のために勝手に弟がJAXA(宇宙航空開発機構)に次期宇宙飛行士候補生の申込書を送り、兄も宇宙飛行士を目指す事になる。

 宇宙を目指す兄弟二人には幼い日に誓った約束があるのだった・・・

 という感じで、弟のロケット発射、月面探索ミッションと、兄の宇宙飛行士候補生試験の奮闘が平行して描かれます。


 宇宙飛行士を目指す物語というと以前「ふたつのスピカ」のアニメシリーズを見ました。こちらは少年少女たち集団の物語で、彼らの物語の前に夢と希望を託した日本のロケットが爆発墜落するという大惨事があって、これを受けての大人たちと子供たちの物語になるので全編に重く暗い雰囲気が感じられる作品でした。

 「宇宙兄弟」はエリートの弟と中年なりかけ(31)の兄貴の話で、あくまでも今の現実世界の延長線上にある物語で、シビアな部分がありつつもそこはシビアに割り切って、からっと明るく楽しい作品に仕上げています。

 全体的に適度に娯楽要素を盛り込んで、軽い気持ちで楽しめました。


 売りはJAXA、NASA全面協力というリアルな宇宙航空ストーリーと映像。

 映像も実写(実際のロケット発射映像)と遜色ない迫力のSFXで、これは劇場の大スクリーンで観たらさぞや気持ちよかっただろうと思います。

 ドラマとしては最後にちょっとした奇跡が起こるのですが、この奇跡を素直に受け止めて感動できるかどうかが脚本演出の勝負だったと思いますが、わたしは素直に感動できました。

 子供時代の二人がJAXAの科学館(これは筑波宇宙センターかな?)を訪れるエピソードおよびエンディングの思い出写真集があるのですが、ここでの思いっきり嬉しそうな笑顔が大人になった未来や、そこで働く職員たちの思いにつながっていくんですねえ。

 注文を付けるなら月面着陸のシークエンスがなかったので、せっかくJAXA、NASA全面協力!なんだから、こういう見せ場は具体的に描いてほしかった。

 原作漫画は現在も連載中で、映画のその後の物語も続いていて、映画は原作とは違った部分もあるのだろうと思いますが、わたしは原作は読んでないので分かりません。映画のラストも、原作漫画ではまだ描かれていないんでしょうね?


 さて、2025年になったとき、映画の「2025年」がどこまで現実になっているか?

 その点「宇宙兄弟」は「2001年宇宙の旅」よりリアルで、そりゃそうですね、1968年と2012年とでは科学技術の状況も、未来との距離も全然違いますからね、「2025年」の未来が現実になるかどうかはやる気があるかないか(主に経済的に)だけでしょう。

 映画を追い越しているくらいだと面白いのですが。




 ところで、話は変わりますが、「宇宙兄弟」の原作は漫画です。

 漫画とはちょっと違いますが、最近のハリウッドのティーン向け映画って、アメリカ版の「ラノベ」ですよね? 「トワイライト」シリーズはもちろん、「ハンガー・ゲーム」シリーズも、今度公開される「シャドウハンター」シリーズ?も、日本のラノベとそっくりだと思うんだけど、どうでしょう?

 「トワイライト」は第1作がテレビ放送されたのを冒頭10分見て「合わない」とやめました。

 「ハンガー・ゲーム」はスティーブン・キングが「これは本物だ」とほめているのを読ん…だような気がしていたんだけど、今Wikiで確認したら「B評価」であんまり褒めてなかったなあ、あれ〜??? 年寄りの記憶は当てにならないなあ。キングが褒めてると思ったからテレビ放映されたのを楽しみに見たんですが、なかなかよくできたお話だと思いました。主人公もけっこう腹黒なところがあって、いかにも現代の若者たちに受けそうですよね。(←ちょっと嫌みが入ってますね)

 映画も原作ラノベも世界的には大ヒットのようですが、日本ではイマイチ盛り上がらないように思うんですが……

 そりゃそうだよな、と思います。だって日本にはいくらでも面白い漫画や娯楽小説が溢れかえっているものね。世界的に見てもトップレベルだと思うんですが、悲しいかなアメリカ製ラノベみたいに世界的には売れないのはやはり言葉や背景となる文化の違いでしょうか。所詮世界は強いもの勝ちですよね、フッ………

 わたし自身はラノベも、最近は漫画もほとんど読まないんですが、ちょっと漫画について情報に触れる機会がありまして、いやあ、最近の漫画ってすごいんだなあ、と、すっかり感心してしまいました。

 ちょっと、漫画原作の映画のついでに書かせていただきました。

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