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×グ・×××ズ×と小説家になろう

 「×グ・×××ズ×」は「ログ・ホライズン」です。

 何故伏せ字なのかというのは、変なことを書いて熱烈なファンからバッシングを受けるのが怖いなあというチキンハートからと、今さらなあ……という恥ずかしさからです。



 ログ・ホライズン



 皆さんよくご存じですよね? アニメ化もされている大ヒット作ですからね。

 わたくしめもお名前はかねがねより存じ上げておりました。

 でも、知らなかったんです、ごくごく最近(先週)まで、


 「ログ・ホライズン」が、なんと、この「小説家になろう」掲載の作品だったなんて!


 いやあ、知らなかった自分にびっくりですよ、ランキングとかまったく見ないからなあ。迂闊にもほどがありますね。

 皆さんは、これ、常識ですか? わたしが非常識なだけでしょうか?

 わたしがログホラの名前を知っていたのは、この「小説家になろう」サイト内における批判エッセイ、


「ログホラばっかりじゃないか」


 といったように、とてもよく似た内容の作品ばっかりがランキング上位を占める現状を嘆く意見文章によく登場する作品タイトルだったからで、本屋でシリーズが平積みで売られているのを、「ああ、これが例の」と眺めておりました。間抜けですね。ネット発信の小説らしいというのはなんとなく感づいていたんですが、まさか、ここだったとは、失礼ながらもっとメジャーなネット小説サイトに掲載の作品だとばっかり思い込んでいました。



 現在NHKでアニメが放映中で、わたしも一応第1話から見ていました。

 しかし、そうした「ログホラばっか」という悪い先入観があったものですから、

「ふうーん、どんなもんか、一応見ておこうかなー」

 という程度の興味で、実際見始めて、いろいろ出てくるゲーム用語に、

「なるほどね、こういう世界観なんだ」

 と、あまり感触はよろしくなかったんですが、なんとなーく続けて見ているうちに、


「面白いんじゃないか?」


 と思い始めて、で、ちゃんと調べてみたら、なんと、この「小説家になろう」の「連載中」作品であると知って、驚いたわけです。

 驚いた勢いでさっと眺めてみて、まず文章の多さに驚きました。1回分の分量も多めで、

 そうか、内容が面白ければ、これだけの文章量でもこんなにたくさんの人が読んでくれるんだ、

 と、これまた失礼な驚きを感じてしまった次第でございます。

 本当に皮肉でなく、しっかりした小説作品であることに驚きました。

 そしてそれが本当に多くの人に読まれているという事実にも。



 内容は、今さら言うまでもないと思いますが、


 ネットゲームを遊んでいた人たちが、ある日突然、そのゲームの中に取り込まれてしまい、外(現実世界)に帰れなくなってしまった。

 ゲーム世界で生身の体を得てしまったプレイヤーたちは、望むと望まざるとに関わらず、この世界で生きて行かねばならないのであった。


 というもの。



 ログ・ホライズンを、わたしの古〜い感覚で評すると、


 現代版「十五少年漂流記」


 ではないかと思います。古いですねえ。オッサン、違うぞ! と思いっきり突っ込まれそうですね。

 でもわたしがアニメを見ていて「面白いぞ」と感じたのは、そうした古典に通じる普遍的なテーマ、人間性、社会、仲間、理想と現実の葛藤、といったものを見いだしたからです。

 ちょっとネタバレで申し訳なく、原作では未確認ですが、アニメでいいなあと思った描写で、元気に走る男の子が、実は現実世界では車椅子の不自由な生活をしていた、というのがちらっとありまして、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」でもありましたが、こういう人それぞれによる多様な価値観がいいですね。

 もちろん読者が、素晴らしいテーマ性、なんかで作品を読んでくれないのは書き手としては常識で、テーマ性なんてのは二の次で、面白くなければ誰も読んでくれません。(ほんと、読んでくれないもんなあー…)

 面白く、

 かつ、現代の若者の感性にはまったものでなければ、ネット小説なんて(本当に)読んでくれません。


 魅力的な世界観、

 魅力的なキャラクター、

 魅力的な道具立て、

 そして

 魅力的なストーリー展開。


 ログ・ホライズンが大ヒットしたのはそうした「魅力的な」要素がばっちり詰まっていて、かつ、読み応えがある=テーマ性がある、ことによると思います。

 正直言うと「ゲーム世界」という道具立てだけでは、わたしのような古い頭の人間は面白みを感じなかったと思います。単なるゲームごっこだな、と。

 違うぞ! と言われるでしょうけれど、作品の幅広いヒットは、普通小説としてよく書けている、というごくごく当たり前の理由によると思います。



 なんでくどくどと同じようなことを繰り返すのかと言いますと、



 VRMMO(大規模オンラインゲーム)、異世界転生、チート、ハーレム、

 といった同じ要素の作品しか読まれない、という論調の意見文が多く見られます。

 それは事実だと思います。

 その要素から外れた作品は著しく読まれるチャンスが低くなっているというのも事実だと思います。

 でも、このログ・ホライズンという作品が証明しているように、本当にヒットする作品は、作品個体として本物の魅力があるのです。

 同じ要素だからといって、みんな同じだと見なすのは、明らかな誤りであると思います。

(……と、わたしも反省しました。)


 ※ ※ ※ ※ ※



 で、実はここからが本題なんですが、


 なんで自分はこんな大ヒット作が「小説家になろう」出身の作品だと知らなかったんだ?


 ということです。おまえが間抜けなだけだ、と言われればそれまでなんですが。


 もっともっと、

「小説家になろう」として、

 お祭り騒ぎで盛り上がっていいんじゃないか?


 と思うのです。

 「小説家になろう」というサイト名は、「誰でも気軽に小説家になった気分で小説執筆を楽しんでください」という意味だったかと思うんですが、でも、


「ここから本当にプロの小説家が誕生したらすごいよね?」


 という夢は、サイト設立の当初から、管理人さんたちにもあったと思うんですね。

 えーと、元々は京都の大学生の皆さんが始めたサイトでしたっけ?? で、会社化したんですよね?? うろ覚えでちょっと調べても分からないんで間違ってたらごめんなさい。

 ウィキに載ってる設立日は、2004年4月2日。

 そして現在、「書報=出版作品紹介(http://syosetu.com/syuppan/list/)」を見ますと、ずらーっと、商業出版された作品が美麗な表紙イラストと共に並んでおります。そっかあ、いつの間にかこんなにいっぱい本になってるんだあ……と羨ましくため息が出てしまいます。

 これだけでも大成功だと思うのですが、

 某一流出版社の新人賞でも、受賞した人が担当編集者に、

「プロの作家としてデビューできても、これで小説一本で生活していけるとは思わないで、現在の仕事はやめちゃわないで続けた方がいいですよ」

 とアドバイスされたというインタビューを読んだ記憶があるのですが、そうした一流出版社の栄えある新人賞でさえもかように、「プロとして生活していく」=「売れる」のは至難の業で、たいへんなことのようです。

 「小説家になろう」出身の作品たちが一般市場でどれだけ売れているのか分かりませんが。


 そうした中での大ヒットなんですよ。

 ベストセラーなんですよ!

 アニメ化なんですよ!!

 NHKなんですよ!!!


 これで盛り上がらずに、何を



 すっげええええええーーーーーっっっっ!!!!!



 と、盛り上がれというのか?



 「小説家になろう」はついにその夢を叶えたのだ!



 と、言っても、いいでしょう?


「『ログ・ホライズン』アニメ化!」

 と、デカデカと、フロントページに看板出して浮かれまくってお祭り騒ぎして当然の大事件だと思うんですよ?

 作品のレビューで「アニメ化決定!」とファンの方が興奮したレビューを書いてらっしゃいますが、これがごくごく自然の反応だと思うんです。

 作者様も羨ましいけれど、ファンの方々も羨ましい。

 わたしももし、(自分の作品が、というはるか銀河の彼方の夢は置いといて)自分のひいきにしている、まだ、プロデビューしていないなろう作家さんの作品が商業出版なんかされたら、本当に、飛び上がるくらい嬉しいと思う。ましてアニメ化なんていったら、街に飛び出して大声で宣伝してやりたいくらいですよ!(あくまで気持ち、ですが)

 なのに、なんでわたしのように、ほぼ毎日利用していながら「ログ・ホライズン」の存在に気がつかない人間がいるんだ? と思うのです。(それは直接自分のマイページに入っちゃうからなんだけど。)

 大々的に宣伝するのは、既にメジャーから商業出版されているので、嫌がられるのかな?とも思うんですが、


 もっと盛り上がってもいいんじゃないですか?


 お祝いのレビューが千件くらい殺到するとか。(それも迷惑だけど)


 なんか「なろう」の利用者はおとなし過ぎるなあ、と思います。

 「なろう」を利用していながら「ログホラ」を知らないわたしのようなうつけ者も珍しいんでしょうけれど、

 「ログホラ」を知っていて、ファンだけど、


「『小説家になろう』なんて知らなーい」


 という人は多いんじゃないですか?

 「小説家になろう」と「ログ・ホライズン」と、どっちがメジャーだ?といったら、圧倒的に「ログ・ホライズン」でしょう?

 せっかくこんな大ヒット作が生まれたんだから、もっと盛り上がって、

「この人気を利用して『小説家になろう』もメジャーにしてやろう」

 と、腹黒く、企んでもいいんじゃないの?


 確かに「なろう」内部は、「VRMMO」「異世界転生」「チート」「ハーレム」ばっかり氾濫しているかも知れないけれど、着実な、そして特大の、


 「実績」を、


 既に上げているわけです。

 くどいけど、これは本当にすごいことだと思うんですよ?

 それともなんですか? 他に「ログホラ」レベルのメジャーヒット作が、「なろう」や他のネット小説サイトから誕生してますか?(これもあるぞ、みたいに言われそうで怖いけど)

 少なくともわたしのようなうつけ者の耳にまで入ってくるメジャー作品はありません。



 そう言いつつ、わたし自身はそうしたメジャーな作品やジャンルとは全然縁のない活動をしていて、いったいどこの国の話だろう?というのが現実ですが。

 でもね、ネガティブに批判するよりも、じゃあ、自分がいいと思う作品を、ポジティブに応援してやろう! という方が、断然建設的だと思うのです。

 もしかしたら、いつかアニメ化なんてことも…………


 自分の推す作品にはどんどん感想やレビューを書いて応援してあげましょう!


 目指せ! 第2の「ログ・ホライズン」!!



 最後に。

 「ログ・ホライズン(http://ncode.syosetu.com/n8725k/)」作者の橙乃ままれ氏(http://mypage.syosetu.com/76491/)は、既に「まおゆう」で成功されていた方で、


>>

「まおゆう魔王勇者」TVアニメ公式サイト

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」。勇者「断る!」。ネット掲示板から発信された小説として100万人以上が熱狂しメディア展開を続ける“まおゆう魔王勇者”のアニメ化プロジェクトが始動!


 だそうです。

 なろう作者さんの中では最初から別格だったかも知れませんね。

 まおゆうも名前だけは知ってたなあ、「ああん? まおお〜〜? ゆうしゃああ〜〜? へえ〜〜」みたいな感じで、名前だけで反感持ってましたが。重ね重ね失礼いたしました。

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