「マン・オブ・スティール」を観た!
プロデュース=クリストファー・「ダークナイト」・ノーラン、脚本=デヴィッド・S・「ダークナイト」「ブレイド」・ゴイヤー、監督=ザック・「300」・スナイダー トリオによる「スーパーマン」の新生シリーズ第1弾。
正直なところハリウッドの「新生」シリーズも少々食傷気味で、今回も「また誕生物語か。そこはもういいからさ、ちゃっちゃと先に物語を進めてくれ」と思ったのですが、今回の「誕生物語」はちょっと他とは違った。
過去のシリーズで言えばクリストファー・リーヴ主演の「スーパーマン」第1作「誕生篇」第2作「冒険篇」を一つに併せた大ボリュームの内容なんだけれど、物語の捉え方が全然違っている。
まさに過去の作品とは全く違った新しい視点の物語で、これ1作で1本の映画として十分な作品になっています。
スーパーマンは単なる超人的な力を持つ正義のヒーローではなく、人類の上に立つ、いわばギリシャ神話の神のような存在として捉えられている。
クリプトン星の宇宙人であり、神様ではないんですが、未熟な惑星に送り込まれた若い神様のような感じ。
思えば、スーパーマンは最近多い「大いなる力を持ってしまったために思い悩むスーパーヒーロー」の元祖のようなもので、やはり自分が何物なのか知らずに周囲との差異に悩み、しかし自分が何物なのか知ってからは、上に立つ者として未熟な人類とどう付き合って行くべきか考えなくてはならなくなる。
ここでそれを促す強敵がいきなり登場! 旧「冒険篇」で登場したクリプトン星のゾッド将軍とその一味。
神の役割を担ったスーパーマンと、ゾッド将軍の登場が、今は滅びて無くなってしまったクリプトン星の物語と密接に関わって、スーパーマン誕生の物語が1本の映画として見応え十分な重厚なストーリーを紡ぎ出すのですよ。
このゾッド将軍と一味が地上に降り立ってから、俄然アクション映画として面白くなります。
いやあー…………
かっこいいーーーーっ!!!
面白ーーーーいっ!!
と、大盛り上がりで、観ながら思いっきりニコニコしちゃいましたよ。
久しぶりに家に帰ってから見たテレビの画面がうんと小さく感じられました。
やっぱり悪役は極悪非道でなくちゃ駄目ですね。
ゾッド将軍の副官の女兵士ファオラがいい! スーパーマンより強い! 「おまえは弱い」とさんざんに痛めつけます。地球人の戦闘機に機銃攻撃されてムッとすると飛び上がってコックピットを容赦なくぶん殴って破壊。ドッガーン。いやあ、気持ちいいなあ、悪の気持ちよさってこれだよね、ムカッとしたらいっさい躊躇なくぶっつぶして、「フン」ってね。
このファオラのアクションがかっこよかった。彼らは戦闘人種で元々強いんだろうけれど、地球上においてはスピード、パワーとも、超人になって、地球人なんてまるっきり相手にならない。で、過去の映画においてはこのスピードやパワーが映像ではスローモーション的な表現で描かれていたと思うんですが、今回はそのまんま、具体的に描かれています。ファオラが地球人の兵士たちを目にも留まらぬスピードで一瞬で倒していくのが、ちゃんとそのスピードで描かれています。かっこいいなあ〜〜、すっかりお気に入りです。
この戦闘がどんどんエスカレートしていって、なんにもない郊外で極力周りに迷惑かからないように闘っていたと思ったら、どんどん町中、都会にやってきて、壊す壊す。不謹慎ながら、いったい何百人死んでいるんだろう?と言う規模です。
監督のインタビューによると日本のアニメ「鉄腕バーディー」を参考にしたとのことですが、単純に「ドラゴンボール」です。地球育ちのサイヤ人孫悟空VS戦闘民族サイヤ人のエリート軍団ですよ。あのアニメのドッカンドッカンという戦闘が、そのままド迫力の実写で再現されています。パクリだ!と言う以前に、実写で再現されてしまう映像の技術とパワーに脱帽。すごいわ。
今回3D日本語吹き替え版は
>>吹き替え版のキャスティングは徹底的に“実力重視”で行われたという。ワーナー・ブラザース映画・宣伝部は「本作で描かれる、超高速のアクション・シーン、一気に引き込まれるほどの素晴らしい感動のドラマを、観客のみなさまにより深くご堪能いただくため、吹替え版は有名人ではなく、あえてプロの声優の起用にこだわりました」とコメント。
とのことで、「よくやった!」と拍手を送った方が多数いると推察しますが、
わたしは今回は2D字幕版で観ました。やっぱりちょっと「このシーンを3Dで観るとどんななのかなあー……」と未練があったりもしましたが、十二分に迫力ある画面を堪能しました。ま、多分、2Dで観て正解だったんじゃないかなあ・・と。
「スーパーマン」の映画を撮ろうと考えたとき、やっぱり真っ先に考えるのは「いかにスーパーマンに大活躍させるか?」というビジュアル的な見せ場だと思います。
強敵ゾッド将軍を登場させて、大規模な破壊を伴ったスーパーバトルを展開した今回の新生スーパーマンは、その点でまずは大成功。
もう一点付け加えるなら、ヒーロー映画はヒーローがピンチに陥ったときに頑張るヒーローを観客が応援する気分になれるかどうか? ここで悪役の方に「スーパーマンなんてやっつけちまえ!」なんて肩入れしてしまうようでは拙いんですが、わたしはスーパーマンといっしょに「うおーーーーっ!!!!」と叫びたくなっちゃったので、やっぱり大成功だったと思います。
※ ※ ※ ※ ※
で、
実際世界的にも成績は大成功のようで、当然さぞや評判も良いだろうと思ったのですが、
>>『シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパーは「スーパーマン映画としては新しい部分が何もない。ユーモアや楽しみもほとんどない」と酷評した。
『ボストン・グローブ』のタイ・バリー(英語版)は「このスーパーマン・サーガから欠けているものは明るく、ポップな場面だ」と評した。
『ワシントン・ポスト』のアン・ホーナディは「ハンス・ジマーの仰々しい、過剰な音楽」、「非常に不愉快な視聴体験」と評した。
『The Denver Post』のリサ・ケネディは『マン・オブ・スティール』の主な問題点を「ストーリーと演出上のリズムとバランス」であり、その結果「破壊的な誇張とぶざまな説教の間」で揺れ動く映画になったと指摘した。
だそうで、ネット上でもあんまり褒めてない意見が見受けられますね。
そうかなあ?
映像もストーリーも過去のスーパーマンとは全然違うし、このテーマにおけるストーリーにポップな明るさなんて全然場違いだし、映像音響とも迫力満点の大満足の視聴体験だったし、映画全体にテーマ性と娯楽性がバランス良く配置されて高いレベルで非常に上手く作られていると感じられたし。
わたしは偉い批評家の先生の意見なんて信用しません。誰がなんと言おうと面白かったんだから面白かったんです!フンッ。映画が面白かったか面白くなかったかなんて自分で決めます。この点に関しては他の人の意見なんて一切聞きません!(←自分の意見としては採用しないと言う意味で、全く無視または否定という訳ではありません)
「マン・オブ・スティール」 = 最高!!!!