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貞子3D2

 「キャプテン・ハーロック」は外れちゃったけど

 「貞子3D2」のチケットプレゼントが当たって観てきました。

 実は前作「貞子3D」もチケットプレゼントが当たって観てきたんですよね。いやあ、すっかり貞子さんに好かれてしまったようで(て言うか、どんだけ倍率低かったのか)。


 これからホラー映画を観ると言うのに、この緊張感のかけらもない状態というのは珍しいなと思いつつ映画館に入りました。


 びっくり。



  面白かったんですよ。



  怖かったんですよ。



 いやあ、ほんとびっくり。まさかの不意打ちですよ。まったく油断しきってました。


 前作と同じ監督さん。前作は、わたしもさんざん悪口を書きましたが、シリーズのファンから大ブーイング。

「ぜんっぜん、怖くない!」

 というのが詰まるところ不評の最大の要因だったのではないかと思いますが、さんざんに言われてキレちゃったのかどうか知りませんが、「じゃあやってやろうじゃないか。でもどうなっても知らないぞ?」と、今回はかなりドギツいホラー描写の畳みかけで、ショックとスリルとゾッとするホラーと、全方位的にパワフルな快作になっていたと思います。

 ・・やっぱり脚本が別の人になってましたね。正解だったと思います。基本的に脚本がいいんだと思いますが、映像もかなり良かったです。いやあ、頑張ってくれました、いろいろと。

 前作はヒットしたけれど「怖くない」と大不評で、今回は前作から200パーセント増しで怖くなっているけれど、怖すぎてお客さんが入ってくれないんじゃないかと心配です。


 すごくわたし好みの映画でした。

 前作で顕著だったホラー映画のお約束、超常現象にさらされた主人公が「誰も分かってくれない」って悩んじゃうパターンですが、今回もそれはあります。が、それをネタにして、それをぶち破るホラーを作り出してくれているんですよ。いやあ、気持ちいいなあ、こういうの。個人的に大好きなパターンです。本家中田秀夫監督が撮ったハリウッド版「ザ・リング2」も周囲が常識で主人公を押さえ込もうというパターンで、これはイライラさせられるだけで面白くも何ともなかったですが、今回脚本を書いた人もこれを見て「つまんねーなー。オレだったらこうしてやるのになあ〜」なんて思ったに違いない。と、勝手に決めつけさせてもらいます。

 自分のことばっかり言ってなんですが、ホラーのパターンが本当に自分の好みなんですよ。

 振り返ってみると、話そのものはそれほどひどい物じゃないんですよ、……いや、やっぱりけっこうひどいかな? でも見終わってひどく嫌な気分が残る物ではない。でも観ている間は本当に怖い。ホラー描写で、ふつう、「ま、ここら辺でやめておくか」という自主規制が(←前作はこれが低すぎて全然怖くなかったわけですが)今回は「もう嫌。もうやめてえー!」とお客さんが泣いて頼んでも、「いいや、まだまだ。ほれ、ほれ、ほれえ〜〜っ」と意地悪に、こってり、ホラーを積み重ねて許してくれません。前作が全く怖くなかったからと舐めてかかると痛い目を見ますからご注意を。(テレビ放映の際にはかなりカットが入るだろうなあ……と)


 お話は、よく分からない……そもそもなんで呪われるの?という部分があったり、いかにも続編を意識したおもわせぶりな発言があったりもしましたが、

 ま、

 テーマ性やメッセージ性をどうこう論じる映画でもないですから、素直にこの直球、変化球取り混ぜてのホラーをたっぷり堪能していただきたいと思います。

 この路線なら是非続編を! と望みます。



 ※ ※ ※ ※ ※


 さて。

 今回も3D映画です。

 3D映画としてもこれまで観た3D映画の中で一番面白かったです。

 で、今回もおそらくは通常の2D撮影した映像をコンピューターで3Dに変換する作り方をしていると思います。

 どうやら本家ハリウッドでもすっかりこの「フェイク3D」方式が主流になっているようです。(撮影から3Dカメラを使って3D映像を撮るのを「リアル3D」、2Dをコンピューターで3Dに変換するのを「フェイク3D」と呼んでいるようです)

 やっぱりフェイク3Dは変だと思います。

 2Dを3Dに変換するって、どういう理屈でやっているんだろう??とわたしの悪い頭ではさっぱり理解できなくて、単なる距離感を出すなら簡単でしょうが、物体を立体に描き直すのは、その物体を3Dデータとして捉え直す必要があって、それって物凄く膨大な作業量になって無理なんじゃないか?と思っていたんですが、……やっぱり無理なんでしょうね。最高級の3D変換を施したとおぼしき「スタートレック」でさえやっぱり人の顔はダルマさんになっちゃってましたから。

 この2Dを3Dに変換する際に人がダルマさんになってしまう現象は前作「貞子3D」にも見られましたが、今回はそれが改善されています。


 顔は2Dのまま、3D変換を施されていません。


 すっかり開き直っちゃったみたいですね、出来ないものは出来ない、と。

 やっぱり「これって変だよなあ?」と、前作を見てスタッフも思ったんでしょうね、今の3D化の技術では無理だ、と。ま、ある意味それも正解だったかと思います。

 今回の3D化作業は、「無理な物は無理」と開き直って切り捨てて、その代わり、3D化の可能な効果はたあ〜〜っぷり、施されています。

 ネットを探すと立体写真のサイトがありますが、赤青眼鏡をかけて、「あっ、(立体に)見える見える!」と喜んじゃうような、幼稚と言ったら幼稚だけれど、でも「3D映画」でお客さんが期待するのはこういう「(思いっきり)飛び出る」立体映像なんじゃないの?という感じです。この方針は前作から引き続きですが、特に奥行きがよりパワーアップしていると感じました(これも変と言えばかなり変なんですが、面白いからいいや、と)。

 映像の仕上がり具合はハリウッド超大作に比べるべくも無いと思いますが、わたしはこの開き直った立体映像で3D版「貞子3D2」はたいへん面白かったです。



 チケットプレゼントでただで観させてもらった恩に報いるわけでもないですが、本当に「わたしの観たい」ホラー映画の傑作だったと思います。

 ホラーファンには、お勧めです。

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