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SP、純と愛

 「いろいろ最終回」というサブタイトルで書こうと思ったのですが、変に期待されると困るのでちゃんと作品タイトルでサブタイトルを。


 三月末という事でいろいろなテレビ番組が最終回を迎えていますが、これも最終回と言えば最終回の


「SP野望篇 SP革命篇 2夜連続放送」


 を見ました。

 テレビシリーズの方は1話を見たところ「ちょっとハード過ぎるなあ」と思い、見てませんでしたが、そのラストエピソードの前編後編である劇場作品2連発、面白かったです。

 その昔、「燃えよドラゴン」を観た男どもが映画館を出てくると目つきと身のこなしがみんなブルース・リーになっていたという逸話がありますが、わたしも「SP野望篇」を見て動きが岡田准一になってしまいましたよ。この追跡、格闘アクションは燃えますね。

 「野望篇」の方がわたしは面白かったです。確かにストーリーはなんにも進まなくて、純粋にストーリーだけ追うのならいらないエピソードですが、この企画意図は単純に

「ハリウッドに負けないハードアクション映画を撮りたい」

 ということだったんじゃないでしょうか? わたしはかなり面白くて、手に汗握って、堪能しました。

 爆発は全部CGかな? これはハリウッド映画に負けちゃうのはしょうがないかな?

 「革命篇」も面白かったです。

 国会議事堂が着々と占拠されていく前半が特に面白かったです。

 これは怖いですね、リアルで。

 「007スカイフォール」で後半舞台がロンドンになってイギリス人は大喜びだろうと書いたんですが、やっぱり普段から見知っている場所で事件が進行していくのは面白いですね。ほんとに怖いですけど。

 前半の組織されたテロリストの仕事ぶりに「どうなっちゃうんだろう?」と前のめりで緊張して見入っていたのに比べると、後半のSPチームが解決に動き出してからの展開は、「あれー? こんな簡単に?」と拍子抜けする思いがありましたが、その強さを見せるためにもアクション主体の前編があったのでしょう、と好意的に受け取っておきましょう。

 実際こんな事件が起こったら大変ですが、たいへん面白い国産社会派アクション映画でした。


 ※ ※ ※ ※ ※


 お次はNHK朝の連続ドラマ


「純と愛」


 最終回の終わり10分間だけ見ました。

 半年間のドラマをたった10分見ただけで語るのもどうかと思いますが。

 中間辺り、ネットで「全然面白くない!」と激怒している感想を読みまして、ちょっと興味があったんです。

 実はぼちぼち5分間のダイジェストは何回か見ていて、その度にわたしも

「ひどい展開だな」

 と思っていました。

 主人公たちが頑張って頑張って、逆境にある人たちを助けて、よくなって行ったかな……と思うと、現実の壁にドーンとぶち当たって、ことごとく敗北していくという。

 純と愛(いとし)の主人公若夫婦を、これでもか、これでもか、と不幸が襲って、せっかく家族一丸で復興させようと頑張っている大事なホテルを馬鹿な父親が売っぱらってしまうし、母親は痴呆が進行してなんにも分からないうちにその馬鹿親父が死んじゃうし、痴呆は更に進行して娘である主人公まで分からなくなってしまう。挙げ句の果てに旦那である愛君まで脳腫瘍で手術を受けるものの、そのまま意識が戻らず植物状態になってしまう。二人で頑張ろうと思っていた故郷沖縄の小さなホテルも嵐にあって惨憺たる有様になってしまう。

 さあ最終回、愛君の意識は戻るのか? 大破したホテルは家族や仲間たちの協力で元に戻るのか?・・・・という期待でずっと見ていた人は臨んだと思います。

 結果、ネタバレですが、愛君の意識は戻らず、ホテルも泥だらけのままです。


 なんなんだ、これはあ!?


 ですよ。

 なんだかあまり評判のよろしくなかったドラマのようですが、この最終回でその評価を決定的にしてしまったでしょうね。

 どこの馬鹿がこんな脚本書いたんだ?と調べてみたら、なんと「家政婦のミタ」の人だったんですね。見てませんが。他に「女王の教室」。超売れっ子ですね。

 なんでこんな脚本を書いたんだろうと更に記事をあさりますと、

 NHK側から三顧の礼で執筆をお願いしてようやく引き受けてもらったようです。それじゃあNHKも文句言えないだろうなあ。本人は「自分は全然朝ドラ向けの人間じゃないんだけど」「本当に僕でいいんですか?」とごねまくり、

「制作全般に全面的に口出しさせてもらえるんなら引き受けてやってもいいですよ」

 と、かなり高飛車な態度で引き受けてやって、撮影現場を度々訪れては、主演、純役の夏菜の演技にかなり激しく駄目出しして本気で泣かせることもしばしだったようで。

 それであの全く救いのない内容って、完全に自らヒールを買っているようです。

 この人は本当に「NHK朝ドラ」の水戸黄門に並ぶ「予定調和」に対するアンチテーゼ=「現実の社会でそんな心温まるご都合主義なハッピーエンドなんてあるか!」と悪態をつくためにこんな脚本を書いたのだろうか?

 好意的に考えるならば、これはやはり東北震災の、いっこうに進まない復興に対する批判なんじゃないか。

 当人たちがどんなに頑張ったって、圧倒的な現実の前ではまるで無力じゃないか?ということを訴えたかったのではないか?

 しっかしなあ、それを言ってどうするんだ? 半年間、毎日朝からそんなお説教されて、それで「よーし、負けないぞお。頑張ろう、オー!」という気分になるだろうか? ひたすら現実に対する暗澹たる気分にしかならないように思うのだが?

 とんでもねえ野郎だなあと思いつつ更に記事をあさっていると、

 もしかしてこれかなあ? と、ヒントになりそうな記事を見つけました。


 2012年は沖縄の本土復帰40周年だったんですね。


 これはわたし個人の勝手な解釈ですが、これは東北震災じゃなくて、沖縄の人たちの今を描いたドラマだったんじゃないか?、と、最終回10分しか見てないんですけど、思いました。

 このドラマは沖縄の女の子が大阪に就職して、挫折して、沖縄に帰ってきて、またひどい目にあって、という話です。

 沖縄は歴史的事実として、明治政府が武力で琉球王国を無理やり日本の県に編入したものです。ここらへんをつつくと日本人から国賊扱いされるわけですが。

 その後も沖縄は第2次世界大戦で直接地上戦に巻き込まれ、本当に悲惨な目にあっています。

 更にその後も米軍の基地として占領されて、現在に置いても度重なる米軍兵の理不尽な犯罪の被害に遭い続けています。

 更にその米軍基地を県外に移設してくれと言う声を日本本土から無視され続け、いろいろ言葉を尽くして「さっさと現実を受け入れろ」と脅迫され続けている。



   希望なんてあるか、馬鹿野郎! です。



 まあこれはわたしの勝手な解釈ですが、そういう見方も出来るかな?、と思った次第です。

 本当にアンチテーゼと悪意だけで多大な労力を掛けて半年分の脚本を書き続けるというのもちょっと考えづらいですし、わたしはそのように感じました。



 無理やり「SP」の世界観と結びつけて言うなら、そういった「歴史的事実」のある沖縄県を、こうした理不尽な扱いを続けてのほほんとふんぞり返っている日本国は、例えば中国のような国に、足下をさらわれる事にもなりかねませんよ?


「刮目せよ!!」


 ですね。

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