チョ〜素人向けフランク・ザッパ入門 SIDE:1
※この回も99パーセント個人的趣味の、おそらくほとんどの方には関心のない内容を扱っていますので、どうぞパスしてください。長いです。
※このテキストは素人による素人のためのザッパ評論です。玄人の方はどうぞご遠慮ください。
ロックファンで、12月8日と言うと「ジョン・レノンの命日」と即答出来る人は多いと思いますが、12月4日が命日の有名ロック・アーティストは誰でしょう?とクイズを出されて答えられる人はあんまりいないかなと思います。かく言うわたしも「あれ? いつだったっけ?」と毎年ジョン・レノンの命日のついでに思い出しては過ぎてしまっていたことに気づく有様で。
答えはフランク・ザッパです。
と、答えを聞いても「誰それ?」という人が多いでしょうね。せいぜい名前は聞いたことがあるような気がするような……という程度で。
ジョン・レノンが亡くなったのが1980年で、もう32年になるんですね。享年40歳。今から思うと若かったんですねえ。
対するザッパは93年にガンで亡くなって、享年52歳。今調べたらジョン・レノンと同年(1940)の生まれだったんですね。ジョンが10月9日、ザッパが12月21日ですって。
そうか、ザッパが死んでからも19年にもなるんですね。ザッパはほとんど毎週のように聴いてるから10年くらいのような感覚でした。
と、一ファンが感慨に耽っていてもみんなどんどん遠くに行ってしまうだけでしょうし、
命日が近いってだけでジョン・レノンとセットで語って少しでもロックファンの興味を引こうとあざとい書き方をしているように思われるでしょうが、実はザッパとレノンは共演したことがあって、わたしはジョン・レノンの方はあんまり興味なくって、それと言うのも幼少のみぎりジョン&ヨーコのアルバム「ダブル・ファンタジー」を買って、それはそれは「イマジン」ないい曲がいっぱい入っているんだろうと思いきや、これは二人が半分ずつ交互に曲を持ち寄って作ったアルバムで、オノ・ヨーコの日本語で「抱いて♪」と生々しい声が聞こえてきて、更に最後は「アアーアアーアアーーー!」と大絶叫を上げる曲を聴いた日にはあなた、恥ずかしくてとてもこのアルバムを持ってるとは友だちに告白できませんでしたよ。ああそうか、この曲のせいでジョンは殺されたんだと、子供心に納得したものです。(←いや、それは違うぞ、と大人になったわたしが突っ込んでおきますね)
まあ一般のジョン・レノンファンにも評判が悪いだろうヨーコとつるんで、特にハードなパンクに走っていた頃に行われたザッパとの三者共演の生々しいライブパフォーマンス(71)がずうっと後(92)の「プレイグラウンド・サイコティクス」という2枚組CDに収められています(4曲)が、ここでもヨーコさんがブルース・リー張りの怪鳥音を絶叫しまくり、ザッパは思いっきり前に出てギターを弾きまくり、ジョンも負けじとわめき続け、いったいどこのサバトだという有様で、これもきっとジョン・レノンファンにはえらく評判悪いでしょうね。繊細な文学青年を魔女と悪の司祭がたぶらかしてすっかり狂わせちゃったみたいで。
これを読んで、「面白そうだな。どんなもんだか聴いてみようか?」と怖い物見たさで興味を持った人、う〜〜〜ん……、どうしてもと言うなら止めはしませんが、初めて聴くのがこのアルバムなら、きっと次のザッパアルバムは永遠にないでしょう。
あー、なるほどね、アバンギャルドなんだ、へえーーーーー……………
で、さよならでしょうね。
呆れ返らずに聴いていると、「これだからザッパを聴くのはやめられない!」という至福の演奏も、そこここに、入っているんですけれどね。大半はくっだらないおふざけです。