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ボーン・アイデンティティー


 2002年 マット・デイモン主演 タグ・リーマン監督

 ジェイソン・ボーンシリーズ3部作の第1作



 ジェイソン・ボーンシリーズはテレビでしか見てないんですが、どれも放映されるたびに見ていて、アイデンティティーは5、6回は見てるんじゃないかと思います。

 すごいなあ、面白いなあ、と、見るたびに感心します。


 この映画から、ハリウッドのアクションは確実に変わったと思います。


 同業者もこのアクションを見てびっくりしたんじゃないかと思います。これまで自分たちがやってきたアクションっていったいなんだったんだ?と、子供のお遊戯会みたいに思えたんじゃないかと。

 ハリウッドアクションの新しいスタンダードを作り上げてしまったんですね。

 この頃のトレンドはワイヤーアクションだったんでしょうか?

 わたしこれ嫌いでしてねえ。変じゃないですか? 明らかに動きが不自然で。これが仮想世界のSFや気を操るファンタジーなら面白がって見ていられるんですが、現実世界の普通のアクションでこれをやられるとすっかり白けちゃうんですよね。

 ワイヤーアクションも飽きちゃったよねーという気分がハリウッドにもあったのかどうか知りませんが、


 リアルに行こう。


 ハードに行こう。


 シリアスに行こう。


 という思いがあったのは確かだと思います。

 このアクションを作り上げたのは誰なんでしょうね?

 誰もが驚いたのは

「マット・デイモンがアクション?」

 というキャスティングだったと思うんですが、それまでマット・デイモンというとハーバード大学生(中退)だったり幼なじみのベン・アフレックといっしょに書いた脚本「グッド・ウィル・ハンティング」がアカデミー脚本賞を受賞したり、インテリで繊細なイメージだったと思うんですが、「オーシャンズ11」を経てこのアクション俳優への大転身でそのハードに鍛え上げた肉体でびっくりさせられたわけです。

 アクションに挑戦するハリウッドスターが「一日何時間もハードなトレーニングを積んで」と自慢するのはよくありますが、マット・デイモンはさすがハーバードの俊才、やるとなったら鍛え方も無駄なくレベルは高く、インテリな感じがしますね。


 とにかく見ろ! と、アクションのすごさを見せつける映画ですね。


 ストーリーはすごく地味ですよね。

 そこがまたいいんですね。もうなんでもかんでも誉め倒しちゃいますけど。

 なんかもうストーリーも邪魔。いやいや、背景のストーリーがしっかりしていてこそなんだけど。

 言葉で説明するんじゃなく、本物のアクションを見せて、肉体とアクションで、ハードボイルドなストーリーを語るという、アクション映画として実に正しいやり方です。

 ありがちな映画の宣伝文句に「これは単なるアクション映画ではない」と、夫婦の離婚の危機や、親子の断絶といったドラマを盛り込んだ映画がありますが(いえ、「ダイハード」は傑作ですけれどね。あくまで例として)そんなぬるいドラマなんてどうでもいいんだ! そんな無駄なことやってる暇があったらもっとプロフェッショナル対プロフェッショナルの真剣勝負のガチンコ対決を見せろよ! と思いません?


 アクション映画ファンが「こういうアクション映画が観たかったんだよ!」と狂喜乱舞する映画が、まさにこれですね。


 敵の暗殺者のキャラクターが激シブでしびれますね。

 彼らは別に悪役ではないんですね。元々のジェイソン・ボーンと同様、ただ与えられた任務をプロとして忠実に遂行するという。

 格闘戦、平原での狙撃戦、激しい銃撃戦。

 まあジェイソン・ボーンに返り討ちに合うわけですが、その死に様。男だぜ!・・くっ・・・・


 ハードボイルドですねえ。

 しびれますねえ、男の世界ですねえ。女の人もいますが。女ですけど男ですねえ、みんなプロですねえ、一般人はお呼びでないですねえ、引っ込んででくださいね、死にますよ?


 平穏な一般人の生活の裏でこういう世界が……本当にあるかどうかは分かりませんが、あるんだなあと思わせるリアルな世界観とリアルなキャラクターと説得力バリバリのハードアクション。

 ちょうど10年前の映画になるんですね。でもいまだに現在のアクション映画の基準が、この映画ですね。

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