アンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」
テレビで見ました。
一言で言うとハードボイルド。
アンジェリーナ・ジョリーはよくこの役をやったなと思うし、
スタッフはよくアンジェリーナ・ジョリーにこれをやらせたなと思う。
劇場公開時には「『ボーン・アイデンティティー』の女の子版かなあ」と思って観に行かなかったのですが、スタッフ及びアンジーはそういう舐めた観客の態度は百も承知で
「よおーし、やったろうじゃない!」
と気合い十二分でこの映画に向かったのではないだろうか?
アクションも、本人がどこまでやっているのか、またはCGで誤魔化しているのか分からないけれど、かなり危険なスタントをこなしているのではないかと思う。
それ以上に、このソルトというキャラクターを、よく演じたと思う。
途中までは、まあこんなものかな、と思ったけれど、その予想の先を行ってしまった。
特にこの終盤の展開を「荒唐無稽」と白けて見る人もいるだろうけれど、現実の大事件というのは「まさかそんな馬鹿なことを」と思うことを実行する常識外の人間がいるから起こるのだろうと思う。
これが荒唐無稽な絵空事ならそれに越したことはないじゃないか。
しかし、それを漫画的な気持ちで楽しむには、アンジーのソルトというキャラクターはあまりにハードでヘビーすぎるじゃないか?
ボーン・シリーズの影響は如実に感じられるけれど、それをやりきったことに、特にアンジーには拍手を送っていいと思う。こういう役をやりたがる女優は多いだろうけれど、きっと途中で泣き出してしまうのではないかと思う。キャラクターを真剣に演じればなおのことそうだろう。アンジーも泣いたかも知れない。
どこまでもハードボイルドで、初期の「ゴルゴ13」みたい。
男なら泣け! 女も泣け! アンジーに代わって。
最後まで凛と前を向いたアンジーがとにかくかっこいい。
予想の上を行って面白い映画でした。
負けました。